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【J2:第23節 岐阜 vs 熊本】レポート:5戦負けなしの熊本の勢いに完全に呑み込まれた岐阜。根本の課題が出た敗戦。(12.07.09)

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この試合、熊本は【3-4-3】システムを敷いてきた。これに対し、岐阜は立ち上がりから押し込むことに成功をした。ポイントは相手のウィングバック。右の西森正明、左の片山奨典をいかに相手のDFラインまで押し込んで、相手を5バック状態にさせ、中盤を薄くさせることで、ロングボールに頼った攻撃をさせるかにあった。

立ち上りはそれが実行できた。右の井上平、左の染矢一樹の両サイドアタッカーが高い位置に張り出すと、トップ下の橋本卓と服部年宏と李漢宰のダブルボランチのトライアングルも、コンパクトな距離感を保って、積極的なビルドアップと中盤でのポゼッションで優位に立てた。
流れは作った。あとは今のチームの最大の課題であるいい流れの時に先制点を取れるか。ここ数試合は自分たちの流れを作るところまでは出来るようになった。後はそれを生かして、試合全体の優位性を保てるか。これが出来れば、より多くの勝点を積み上げることが出来る。これが実践できるか。15分を過ぎると、そこが注目ポイントであり、試合の流れを左右する局面となった。

結果として、岐阜にとってマイナスの展開となった。熊本は岐阜のDFラインが前掛かりになってきたのを見ると、原田拓と養父雄仁のダブルボランチが、プレスをかけられる前に、シンプルにDFラインの裏にボールを放り込み始める。これに対し、裏への応対が甘く、オフサイドを掛けるのか、リトリートをするのか岐阜のDFラインの判断があいまいになったために、一気にピンチを招くようになる。
20分にはペナルティーエリア付近に放り込まれ、FW齋藤和樹が完全に抜け出すと、中途半端に飛び出したGK時久省吾を交わし、無人のゴールに蹴り込む。これは懸命に戻ったDF関田寛士がスライディングで掻き出すが、26分には原田からのロングボールに対し、DF野垣内俊がポジショニングを誤り、中央からサイドに流れたFW武富孝介をドフリーにしてしまう。武富は余裕を持ってトラップをし、中央をじっくり見てからピンポイントクロス。中央でフリーのFW大迫希がドンぴしゃヘッドで合せ、熊本が先制に成功する。

岐阜は絶対にやってはいけないシナリオを描いてしまった。リズムを作ったのに、相手のシンプルな対応策により、ミスからの失点。これでリズムを崩し、失点後は相手のロングボールにDFラインがずるずると下がりだし、立ち上がりはあれだけコンパクトだったダブルボランチとの距離が空き、バイタルエリアがスカスカの状態に。これを見て熊本は、DFラインの裏へのロングボールから、DFラインの前のロングボールへと切り替えた。そして齋藤、武富、大迫の3トップがバイタルエリアに残り、ほぼノンプレスの状態でボールを受けるようになった。
33分にはバイタルエリアでフリーで武富がボールを受けると、右を並走した齋藤もフリーに。この時、岐阜はDFラインの4枚が完全に残っていたが、誰もプレスに行かず、ダブルボランチもプレスバックできる距離にいなかった。武富はDFを牽制しながらドリブルし、中央からコースを狙いすましたミドルシュート。これはGK時久に阻まれるが、直後の37分、再び武富が大迫、片山と繋がれたボールを、バイタルエリアでフリーの状態でボールを受ける。4分前と全く同じシチュエーション。武富はじっくりと飛び込めないDFをけん制し、中央にカットインすると、再び狙いすましたミドルシュート。今度は綺麗にゴール左隅に突き刺さった。4分前のリプレーを見ているような展開で、熊本が追加点を奪った。

後半、岐阜は李に代わって佐藤洸一を投入。橋本をボランチに下げ、樋口がトップ下の形にしてきた。しかし、染矢が再三左サイドを突破するも、62分に井上のどんぴしゃヘッドが、GK南雄太のファインセーブに阻まれた以外は、センタリングが噛み合わず、決定機を作り出せない。65分には樋口に代えてFW中島康平を投入し、攻め手を強めるが、岐阜は今季、開幕戦の鳥取戦以降、2点を取ったゲームが無い。1試合で1点を挙げるのがやっとの状況では、2点差はかなり厳しい点差。その通り、岐阜は前半にのしかかった2点を、最期まで跳ね返すことが出来なかった。
前半の熊本同様に、前線の佐藤と中島をターゲットにしたロングボールに切り替えるも、熊本の3バックは中に絞って、ブロックを作り、両ウィングバックも岐阜の両サイドバックをケアするポジショニングを見せる。さらに両ウィングも深くまで追いかけて、自由にクロスを上げさせなかった。
前半に岐阜がすべき守備を熊本にやられ、終ってみれば0-2の敗戦。まさに完敗だった。せっかくこれまでいい流れで来ていたが、最終的には熊本の5戦負けなしの勢いに飲み込まれる形となってしまった。
岐阜にとって、掴んでいたいい流れを手放した感が否めないこの敗戦。この試合で浮き上がったのは、いくら良くなっているとはいえ、根本の問題はまだ解決していないということ。ここに全員が危機感を感じないといけない。

次の相手(7/15)は絶対勝たないといけない相手の富山。ここで負けてしまっては、せっかく抜け出しかけた負のスパイラルに再び落ちてしまうだけに、敗戦をいい反省材料にして、2戦連続のホーム戦をいい形で締めくくってほしいと切に願う。

以上

2012.07.09 Reported by 安藤隆人
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