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【宮本恒靖選手引退試合】プレビュー:宮本恒靖のラストマッチ。『仲間』とともに。(12.07.15)

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宮本恒靖が引退を決めたのは2011年のJ1リーグ最終節、ベガルタ仙台戦の直前だった。この一戦を前に、それまでセンターバックを預かっていたDF河本裕之が膝の痛みを訴えて離脱。急遽、巡って来た先発出場のチャンスに彼は決意を固めたという。

「11月頃から、現役を続けるより、新しい分野でやっていく方がいいのかも知れないと考えるようになっていた中で、最後の最後にチャンスがまわってきて、なんとなく運命を感じました。『ああ、これで最後にしろ』っていうことなんだろうなと思いました」

そうして迎えた12月3日。宮本は、95年からスタートさせたプロサッカー選手としてのキャリアを締めくくるラストマッチを迎える。家族以外の誰に告げるでもなく、自身の胸の中だけで『最後』の瞬間を噛み締めて戦った90分。長きにわたってJリーグを牽引し、日本の顔として戦い抜いてきたキャリアを思えばこそ、傍から見れば、そのラストはいささか寂しさを感じるものでもあったが、宮本にとっては幸福感に包まれた時間だったと言う。

「スタジアムを見渡して、きれいな空間だなと感じたというか。改めてスタジアムって素晴らしいなって感じながらプレーしていました。残念ながら雨が凄くて、ピッチコンディションはおそらくサッカー人生でも一番最悪といってもいいくらいだったけど、試合中はとにかく楽しいなと思ってプレーしていたし、これで終わるのは寂しいなと感じながら戦っていました。結果は負けてしまったけれど、終わった瞬間は一区切りついた、という感覚でした」

そうして17年間というキャリアを、Jリーグの舞台で、フル出場で締めくくった彼は12月19日、引退を発表する。考え抜いた末の決断に後悔はなかったのだろう。その表情は、実に清々しかった。

「宮本恒靖は2011年をもって現役を引退することを決意しました。ガンバ大阪、レッドブル・ザルツブルグ、ヴィッセル神戸、そして日本代表としてこの17年間、たくさんの人に支えられながら本当に充実した日々を過ごすことが出来ました」

あの日から、約7ヶ月の時を経て7月16日(月・祝)、ホームズスタジアム神戸にて宮本の引退試合が行われる。当日の会場には彼のキャリアにおける様々な瞬間を共に戦った『仲間』が集結。宮本がユース時代から在籍した『ガンバ大阪』を代表して、彼が初タイトルを手にした05シーズンの優勝メンバーを中心に、松波正信以下、遠藤保仁や二川孝広、藤ヶ谷陽介をはじめ、山口智(千葉)や橋本英郎(神戸)、大黒将志(横浜FM)らが出場。04年アジアカップ出場メンバーを中心に組まれた『TSUNEフレンズ』では、現役選手からは中澤佑二や中村俊輔(横浜FM)、稲本潤一(川崎F)、中田浩二、小笠原満男(鹿島)らをはじめ、先日引退を発表した藤田俊哉らが参戦する。そして現役生活を締めくくった『ヴィッセル神戸』からは、彼が同クラブで最も試合に出場した09年シーズンのメンバーで構成され、現在は韓国・仁川でプレーする金南一(キムナミル)をはじめ、吉田孝行や大久保嘉人、朴康造らが出場。宮本自身は3チームに順に加わり、それぞれのユニフォームに身を包んで、ファンの皆さんに、選手としての最後の勇姿を示すことになる。

また、彼ら以外にも当日のスタジアムでは、試合には出場しないものの彼とともに戦った選手やスタッフたちが、解説等々、様々な形で宮本の引退試合をアシストすることが予定されており、彼にとってはスタジアム中が懐かしの顔で溢れることになりそう。宮本自身も「かつて共に戦った仲間たちと、サッカーの素晴らしさを感じてもらえるようなイベントにしたい」と意気込んでおり、当日はいろんな宮本の素顔も楽しめることだろう。

チケットは13日の16時時点で指定席はほぼ完売。ただし、自由席にはまだ多少の余裕がある。当日はテレビ放送も予定されているが、宮本自身が最終節のユアスタのピッチで感じ取ったように、スタジアムには、実際に足を運ばなければ感じ取れない素晴らしさがある。いや、日本サッカー界を牽引して来た宮本の最後の舞台にふさわしい、素晴らしい空間を共に作り上げるためにも、ひとりでも多くのサッカーファンにスタジアムに足を運んでいただいて、彼のラストマッチに花を添えてもらいたい。

以上

2012.07.12 Reported by 高村美砂
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