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【J1:第18節 名古屋 vs 仙台】プレビュー:勝てば仙台に勝点4差! 優勝戦線に割り込みたい名古屋が、アウェイの屈辱を晴らす快勝を狙う。(12.07.13)

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“例年通り”あるいは“予定通り”の追い上げで、名古屋が上位戦線に戻ってきた。中断前の5戦で1勝4敗と絶不調に陥ったチームの面影はまるでなく、6月からの5戦を3勝2分の無敗とし、順位も4位にジャンプアップ。5戦で6ゴールを挙げた永井謙佑の大活躍もさることながら、チームとしてようやく本来の姿を取り戻したことが、好調を支える最大の要因となっている。前節でちょうど半分を消化したリーグ戦はここから後半戦に突入する。序盤の遅れを取り戻す時期は終わり、優勝への勝点を積み上げる戦いが始まる。

そのリーグ折り返しの初戦の相手が仙台であったことには、大きな意味を感じざるを得ない。今季のリーグをけん引する首位チームであり、ホームでは名古屋を4-0と一蹴した因縁の相手である。現在の勝点差は7ポイント。勝てば4差と肉薄し、負ければ10差と再び大きく離される。大敗へのリベンジの意味はもちろんのこと、勝点差を縮める上で一番重要なのは直接対決の結果である。この試合が終われば勝点差の行方は他力本願になるため、自力で勝点差を動かせる最後のチャンスと言えるのだ。

試合を追うごとに状態を上げてきている名古屋だが、万全の状態で仙台を迎え撃つことはできないのが悔やまれる。負傷で長期欠場中の玉田圭司と中村直志はもちろん、前節でイエローカードが累積4枚になったダニルソンが出場停止。ここ5試合で増川隆洋からスタメンの座を奪ったダニエルも負傷で欠場の可能性が出てきた。DFラインは増川が入れば何も問題はないが、ダニルソンの欠場は守備力に少なくない影響を与える。代役候補の一番手は4年目の田口泰士だが、攻撃面では計算が立つようになってきたものの、守備力を求める選手ではないだけに一抹の不安は残る。守備に定評のあるベテランの吉村圭司を使う手もあるため、アンカーの起用法でこの一戦に対する名古屋の姿勢は読み取れそうだ。

仙台もまたDFの鎌田次郎を出場停止で欠き、DFラインには少しの不安がよぎるところだが、それ以外にはポジティブな要素しか見当たらない。リーグ最強クラスの守備力を支える角田誠・富田晋伍のボランチコンビは文字通り中盤で分厚いフィルター役として機能する。名古屋との前回対戦から本格的に復帰した梁勇基はその後トップフォームを取り戻し、スタメンの座を奪い返した。FWのウイルソンと赤嶺真吾は得点ランク上位に名を連ね、守備での貢献度も高い。右サイドバックの菅井直樹も曲者だ。サイドバックとしては規格外の得点への嗅覚を持つ男は、昨季も今季も名古屋戦で得点を挙げている。そして何より、彼らすべてがハードワーカーだということが、仙台を首位に留め続けている最大の理由だろう。

この試合は主導権争いの行方が興味深い。名古屋は絶好調の永井を軸としたサイド攻撃を脅威とし、ポゼッションにも自信を持つ。仙台はプレッシングとリトリートを状況によって使い分ける柔軟なディフェンスと、切れ味鋭いカウンターがある。それぞれ違った特徴で試合を掌握し、自らのペースに持ち込むことができるチームだけに、どちらの武器が先に効力を発揮するかは見どころだ。名古屋からすればピッチの横幅をワイドに使い、仙台の守備ブロックに綻びを生じさせたいが、生半可なことでは仙台の守備は統制を失わない。そうなれば前節の柏戦のように、永井や金崎夢生、藤本淳吾、そしてケネディといった高い個人能力が、頼りになるかもしれない。特にこの試合を最後にロンドンへと旅立つ永井のプレーには要注目。完全にワンランク上のプレーヤーに成長した彼のスピードは、国内ではもはやアンタッチャブルだ。背番号18の疾走がリーグ最高のDF陣を切り裂く可能性は十分にある。

昨季同様にリーグ中断を機に復活した名古屋は、夏場の戦いを得意としている。本格的な夏の到来を前に、首位叩きでさらなる勢いを得られれば、首位奪還の青写真もより現実味を帯びてくる。仙台へのリベンジ成功、それは逆転優勝への最高の加速装置となるに違いない。

以上

2012.07.13 Reported by 今井雄一朗
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