キックオフから40秒。最初のシュートチャンスは徳島ヴォルティスだった。濱田武の浮き球から津田知宏がエリア内に抜け出し、左へ折り返す。このチャンスが決まっていたら、試合の流れは全く違っただろう。しかしジオゴの放ったシュートが弱く、ゴールとはならない。
徳島は2トップに力強さがある。「町田は3バックだったので、その背後がチャンスになる」(斉藤大介)という狙いもおそらく妥当だった。しかし町田のセンターバック陣が、前節・千葉戦に引き続いて的確なラインコントロールを見せる。「相手が蹴れる状態の時は、なるべくダウンの準備をしていた」(田代真一)という慎重さもあり、その後は決定的なロングフィードを許さない。「食いつきすぎると、身体が強いから引っくり返っちゃったりする」(田代)という大型FWジオゴにも、ボールを持たせつつ前を向かせない対応ができていた。
試合の流れは少しずつFC町田ゼルビアに傾く。ボールを握って徳島を敵陣に押し込み、高い位置に入るとワンツーやワンタッチでテンポアップ。攻撃においても“町田のスタイル”を表現し始める。16分には鈴木崇文が藤田泰成とのワンツーから左中間を抜けて折り返し、勝又慶典がボレーシュート。GKオ スンフンに防がれるが、町田は徳島ゴールを脅かし始める。
35分、町田はコリン マーシャルがクサビを当て、ドラガン ディミッチは反転から縦に仕掛ける。虚を突く動きに斉藤が対応できず、ディミッチを身体でブロック。このファウルから、ゴール正面の好位置で、町田にFKが与えられた。鈴木崇には「入る時の雰囲気って言うんですかね。入らない時との違いはありました」という自信があった。果たして彼の左足キックは壁の上を越え、ゴール右隅に突き刺さる。37分、町田に待望の先制点が入った。
後半も町田は持ち味を失わない。48分には勝又が左サイドから切れ込み、ニアをフォローした鈴木崇がシュート。60分には鈴木崇が左サイドに展開し、勝又がカットインからシュート。惜しくもゴールとはならなかったが、5試合ぶりの先発となる勝又が復調を印象づける動きを見せる。
だが、町田は2点目を奪えない。徳島は後半開始からアレックス、67分にドウグラスと切り札を起用し、次第に流れを取り戻す。187cmのジオゴ、184cmのドウグラスが前線に並び、サイドからのクロスのターゲットになった。足元でつないでくる千葉には行けたハイプレスも、徳島の力攻め阻止は容易でない。終盤は徳島が押し込み、「最終ラインが下がっちゃって、プレッシャーにもいけなかった」(鈴木崇)という町田が耐える構図となる。
しかしクロスを淡々と跳ね返し続けられるのが、町田の成長であり、イ ガンジンが加入したメリットなのだろう。アルディレス監督は「大変エクセレントな守備だった」「明確な決定機は作らせなかったのではないでしょうか」とディフェンスの出来に太鼓判を押す。相手に押し込まれつつ崩されなかった堅守・町田が、無失点で試合を終えた。
町田は前節・千葉戦に続く“1-0”の粘り勝ちである。連勝、ホームでの勝点3は、いずれも3月20日の熊本戦以来5ヶ月ぶり。町田はこの連勝で富山と岐阜を抜き、最下位から20位に浮上。ついに残留圏内へ復帰した。
以上
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