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【J1:第23節 清水 vs 浦和】プレビュー:微妙な相性のアヤがある対決。今度はどちらがペースを握り、勝利を引き寄せられるか(12.08.24)

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公式戦4連勝中とシーズン序盤の勢いを取り戻したきた清水と、12試合ぶりの敗戦の次で鹿島に競り勝つなど、強さに安定感が出てきた浦和。8位の清水と3位の浦和の対決だが、勝点差は順位差よりも少ない4ポイント。今後優勝争いに加わっていくためには、どちらにとっても重要な意味を持つ一戦となる。

8月に入っての4試合、清水はすべて異なるパターンの勝ち方ができている。それは大きな自信につながっているが、その意味では今回もまた異なる勝ち方が必要になる。ペトロヴィッチ体制に変わった浦和とは、5月19日(第12節)にアウェイで一度戦っているが、そのときにはホームの浦和が、予想以上に引いて守ってカウンターという戦い方をしてきた。それに対して清水は5バックの守りをなかなか崩すことができず、逆にカウンターを食らって多くのチャンスを作られてしまった。そのカウンターからの失点は何とか抑えたものの、セットプレーから失点してさらに守りを固められ、0-1で敗れている。

今回は浦和にとってアウェイゲームとなることもあり、清水側としては浦和が前回と同様の戦い方をしてくることを予想している。だとすれば、先制点を取られると非常に難しくなってしまうため、人数をかけて守る浦和をいかに攻め崩し、先制点を奪うかが、この試合最大の注目点となる。

ただし、それは口で言うほど簡単ではない。清水は両ウィングをワイドに張らせ、サイドチェンジで相手を左右に揺さぶったり、逆サイドのスペースからのドリブル突破でチャンスを作ったりというのが重要な攻めパターンのひとつ。しかし、浦和のように5バックで守られると、サイドチェンジしてもウィングの大前元紀や高木俊幸がフリーになれないし、相手DFラインを横スライドさせて消耗させることもできない。中央にはボランチも2人いて崩すのが難しく、浅めな位置から単純なクロスを放り込んでも、中央で跳ね返されてしまう。清水にとっては、けっして相性の良いタイプとは言えない。

したがって、「そういう相手に対して慌ててゴール前にボールを放り込んでいっても通用しないので、べつに来ないならいいよぐらいの気持ちでじっくりボールを回しながら、相手を動かしてスキを作ることを意識したい。ボールをずっと持っていれば負けることもないから。あとは、相手を前に出てこさせる必要があるから、遠めから打つのも大事。個人的にもチャンスがあれば(ミドルシュートを)狙っていきたい」(高木俊幸)という部分が重要になってくるだろう。

攻め急いでも活路は見出しにくいだけに、カウンターを受けるリスクを抑えながら辛抱強く攻め続けることも大事。それを遂行するには、サポーターの理解や協力も必要だ。スタンドから観ている側としては、パスを横に回しているだけで縦パスやクロスがあまり入らないと、ついイライラしてしまいがちだが、それがしっかりとした戦略を持ったうえでの遅い攻めであれば、冷静に見守る必要がある。サッカーを観る目が肥えた清水サポーターにとっては、それもよそのチームとは違うという部分の見せどころだろう。

対する浦和にとっても、エコパでの清水との対戦は3試合勝てておらず(1分2敗)、トータルでも15勝5分23敗と、相性が良いとは言えない相手。また前回の対戦後、ゴトビ監督に戦い方を批判されたことを見返したいというプライドも少なからずあるだろう。守るときはリトリートして守りを固めるというのは基本だが、マイボールのときにはきっちりとパスをつないでポゼッションするというのも、ペトロヴィッチ監督のスタイルだ。チームの成熟度が上がってきたこともあり、今回は清水側の予想よりもポゼッションの比率を高めてくる可能性もある。

そして、浦和がペースを握った展開になった場合には、清水のDFラインに2人出場停止が出たことは優位な材料となるだろう。その2人とは、センターバックのカルフィン ヨン ア ピンと左サイドバックの李記帝。その代役としては、センターバックに村松大輔、左に石毛秀樹という形が有力視されており、それぞれ能力は高いが、守備の連係という面ではやはり不安はある。

ただ、清水が主導権を握った際には、カウンター対応という意味では村松を最後尾に置くのは有効だ。「センターバックはずっとやっていたし、やることはそんなに変わらないので問題ない。高さはないけど、スピードはあるので、カウンターにはついていけると思う」と、五輪帰りの初戦(鳥栖戦)でプロ初ゴールを決めた村松本人も自信をのぞかせる。デスポトビッチ(185cm)を除けば、浦和のFW陣にあまり高さがないことも、清水にとっては幸いかもしれない。

もちろんセットプレーは、こういう試合では勝敗を大きく左右する可能性が高い。セットプレーがウィークポイントと言われていた清水も、このところかなり改善されてきているので、ここもどちらに転ぶかわからない部分だ。

どちらが勝つか本当に予想が難しいが、お互いの勝ちたい気持ちは非常に強い大一番。単純に考えても、手に汗握るおもしろい試合にならないはずがない。

以上

2012.08.24 Reported by 前島芳雄
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