サッカーとはチャンスの数ではなくゴールの数を競うスポーツであることを改めて教えられる試合となった。鹿島は、前半15分過ぎからレナトが好パスを連発し、再三チャンスをつくる。しかし、パスを受けたジュニーニョのシュートはいずれもゴールの枠をとらえず、あるいは東口順昭の胸の中におさまるのだった。
「前半の20分、25分のうちにかなり混乱してビッグチャンスも与えていました。相手のシュートミスに助けられたと思います」
新潟の柳下正明監督がそうふり返ったとおり、新潟守備陣は目の前のマークを捕まえるのに忙しく、懸命に高いラインを保ってコンパクトな布陣を敷こうとしても前線からのプレッシャーもかからないため、後手後手の対応を強いられていた。この時間に一度でも鹿島がゴールを割っていれば、その後の展開は大きく変わっていただろう。
しかし、それを耐え抜いたことで潮目が変わる。監督から的確な指示を受け、FWの一枚が相手のボランチを見ることで、自チームの余ったボランチは引いてパスを受ける相手FWのケアをするようになると、新潟守備陣の混乱がおさまるのだった。
すると、速攻からスルスルと中盤を駆け上がったブルーノ ロペスからミシェウにパスが通ると、飛び出してきた曽ヶ端準をかわすミシェウ。ただ、シュートコースには柴崎岳が駆け戻ってきており、ゴールをとらえるのは難しいと思われた瞬間、痩身のブラジル人は柴崎の頭上にボールをフワリと浮かせ、逆サイドのポストに当ててゴールインするという美技で、先制点を奪って見せたのである。
「日々のトレーニングの成果だと思う。どんな形であれチームを助けることができて良かった」と喜ぶミシェウ。このゴールが決勝点となり、新潟は足踏みしていたJ1通算100勝目をあげたのだった。
「勝点3をプレゼントしてもらったゲームだったと思います」と勝利に浮かれることなく冷静に試合を位置づける柳下監督。「これを最初で最後のプレゼントにして、これからは自分たちの力で勝てるよう、しっかり準備していきたいと思います」と、今季初の連勝を目指し、次の試合に視線を向けていた。
敗れた鹿島は、これにより対新潟戦9試合連続未勝利ということになった。また、試合中に山村和也が右肩を負傷。詳細は診断を待ってからになるが、「鎖骨のあたりが痛い」と本人。中田浩二が長期離脱中のなか、骨折の疑いもあることは今後の戦いにとっては痛手だ。必勝で臨んだホーム2連戦の初戦を落とし、次節は絶対に負けられない。ただ、柴崎が4度目の警告を受けたことで出場停止。そんななかで本田拓也に期待していたパフォーマンスが戻ってきたことは、次節に希望を繋いでくれるのだった。
以上
2012.08.26 Reported by 田中滋
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