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【J1:第24節 札幌 vs 清水】プレビュー:流れを変えたい札幌と、再び流れを生み出したい清水。アグレッシブに走り回る清水を相手に、札幌がどれだけ勇気を持って戦えるか。今シーズン3度目の対戦。(12.08.31)

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夏休みもいよいよ終わり、9月に入って最初の試合となるこのJ1第24節。ここに来て再び暑さが増してきた北海道札幌市の札幌ドームでは、現在勝点10で18位の札幌が、同34で9位につける清水を迎え撃つ。

ホームの札幌は前節、アウェイでG大阪と対戦して2−7のスコアで大敗。順位の近いチームに敗れただけでなく、今シーズン2度目となる大量7失点を喫しており、結果と内容ともにショッキングなゲームだったと言うしかない。攻撃面では2点を取っているものの、チャンス自体は極めて少なく、ほぼ一方的にボールを支配されてしまう展開に持ち込まれていた。

「流れのなかでのピンチに対しては粘り強く対応できていただけに、もったいない」。試合を振り返って石崎信弘監督はそう振り返る。実際に失点シーンを振り返ると、リスタートからの流れだったり、バックパスを相手に奪われて、オウンゴールでといったものが幾つも並ぶ。また、前半は防戦一方ながらもスコア自体は競っていただけに、その終了間際に1−3とされてしまったのが痛かった。もし1−2のまま後半まで引っ張ることができていたならば、その後の展開はもっと違っていたかもしれない。

とはいえ、そこで粘り切れないのが今シーズンの札幌の姿でもある。結局、後半は前がかりになったところで裏を取られたり、冷静さを欠いて自陣でイージーミスをするなどして前述の通り大敗を喫している。

現在の勝点は10で、J1残留圏内の15位との勝点差は14。シーズンが終盤に近づきつつあることを考えれば、残留に向けての戦いもより厳しくなりつつあると言うしかない。しかし、負傷から2ヶ月ぶりに復帰し前節からベンチ入りを果たしている高木純平はこう口にする。「状況はどうあれ、とにかく目の前の試合に勝つことを考えていくしかない。勝てば、必ず何かが変わる」と。そう、どんなシチュエーションだろうと、目の前の試合抜きに先のことは語れない。札幌は一戦必勝の構えでこの試合に全力を注いでいくことになる。

一方で清水の前節は、ホームのエコパスタジアムで浦和と対戦して0−2の敗戦。前半11分にカウンターから、同20分にPKから失点し、残り時間をそのまま逃げ切られてしまった。アフシン ゴトビ監督は「本当にフラストレーションの溜まる試合。チームとして非常に悪い前半だったと思う」と立ち上がりのまずさを悔しがった。連勝も3で止まっている。

ただし、この試合は主にセンターバックでプレーするカルフィン ヨン ア ピン、左サイドバックの李記帝の2人を同時に出場停止で欠いており、加えて右サイドバックの吉田豊も負傷で離脱中。最終ラインのメンバー構成が難しくなっていたことを忘れてはならない。ヨン ア ピンはいまやチームの絶対的な存在になりつつあるし、李と吉田は好守両面でのキーマン。そうした状況を考えれば、3連勝の最中とは状況があまりにも違っていたと見るべきだろう。若い犬飼智也がデビューを飾りフレッシュに走り回ったが、「(彼の)本当のポジションではなかった」(ゴトビ監督)こともあって、なかなか思うような戦い方ができなかったようである。普段は前線で起点作りを担うアレックスが中盤の底でプレーしていたところからも、メンバー構成の難しさがうかがえるはずだ。

その意味では、この試合では攻撃のキーマンであるアレックスが出場停止となってしまっているものの、前出のヨン ア ピン、李が復帰するだけでなく、彼らを欠いた試合で選手層の底上げができたことを踏まえると、非常にいい状態で挑めると言えるのかもしれない。夏の移籍市場で獲得したアタッカーの金賢聖も加入後3戦目とあって、連係もかなり高まりつつあるタイミングと見てもいいだろう。この試合を、再び連勝を開始するためのきっかけとしたいところである。

さて、そんなチーム同士が激突するこの試合だが、札幌がどれだけ勇気を持ってボールを運べるかという部分が焦点となるはずだ。前節のG大阪戦ではビルドアップの際に、相手からのプレッシャーを受けるとうまくパスを動かせず、攻撃の中心的存在であるハモンにボールを届けることがほとんどできていなかった。現在の札幌は圧倒的な能力を持つハモンのパス配球なくして攻撃は成り立たないと言っていい。清水は大前元紀、高木俊幸らが積極的に走り回って高い位置からの守備を行ってくる。それに臆することなく、札幌がボールが運べるかどうか。逆に清水にしてみれば、そこでボールを奪えば得意のハイスピードな攻撃に転じることができるため、試合を優位に進めることができる。この部分で自分達のスタイルをより強く発揮できたほうが、ゲームの主導権さらには、結果をも掴み取るだろう。

今シーズンはすでにリーグ戦とヤマザキナビスコカップで同カードが行われており、勝敗は清水の2勝。札幌は意地を見せたいし、清水は全勝を果たしたい。勝負の行方やいかに。

以上

2012.08.31 Reported by 斉藤宏則
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