F東京が、横浜FMに3−1で勝利した。35分に、田邉草民が右足でこぼれ球を詰めて先制。さらに42分に、徳永のクロスをルーカスが合わせて引き離す。横浜FMも66分に、兵藤のゴールで1点差に詰め寄った。だが、71分にルーカスがFKで3点目を決めて試合を終わらせた。
F東京が新しく取り組む3−4−2−1システムの性能は十分に見てとれた。前線の3選手が適正な間合いを保ってボールを保持し、ウイングバックにスペースと時間を与えた。実際に、2点目をまさにその形から生まれている。そして、3バックはラインを落としきらず、ギリギリのところまで上げてチーム全体をコンパクトに保った。それがボランチの米本拓司を押し上げ、結果的に高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターで多くの決定機をつくった。
ただし、多くの選手は「まだまだ」と言葉にした。この日、ボールを握っていたのが横浜FMのほうだったからだろう。F東京は守備時に、ウイングバックとシャドーが下がって5枚と、4枚でブロックを組んだ。横浜FMはボールを保持していたが、それを崩しきったのは点を奪った場面以外はほとんどなかった。十分すぎるほどに強固な守備だった。徳永悠平は「守備のときは、自分が思い切って相手のサイドバックまでプレッシャーをかければ、前線の守備の負担を少なくできると思う。まだ、2試合なので、そこまでイメージしきれていない」と言う。これまで常に主体的な攻撃を仕掛けてきたからこそ、後ろの人数があまり過ぎて待ち時間がどうにも長く感じてしまった。
逆に、ボールを握った横浜FMはC大阪戦に続き、ミスから先制点を与えて自滅してしまった感がある。15戦無敗から一転して連敗を喫した。攻撃から守備への切り替えが間に合わず、F東京の2列目、3列目の飛び出しを捕まえきれない場面もあった。兵藤とドゥトラでサイドを崩したゴールはすばらしいの一言に尽きるが、ポジションを崩した後の対応は今後の課題となるだろう。樋口監督は「次につながる」と言い、兵藤は「残り10試合をどう終わらせるかでこれからのマリノスのためになる」と口にした。10位に順位を落としたが、無敗を誇ってきた成功体験に習って残り10節での巻き返しを誓っていた。
F東京は、5月以来となるリーグ戦連勝を飾り、9位へと順位を上げた。それぞれの個性が生きる新布陣に、バイプレーヤーの羽生直剛も復帰した。このまま連勝街道をひた走るには、さらにオリジナルのシステムを追求していくべきだろう。組織的な守備を見せる一方で、新布陣にはきっと別の顔が潜んでいるはずだ。その期待は、選手全員が共通して持っていることだ。きっとまだまだこのシステムに取り組むことでスピンオフして新しい何かが生まれそうな気がする。残り10試合。お楽しみはこれからだ。
以上
2012.09.02 Reported by 馬場康平
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