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【J2:第38節 甲府 vs 湘南】プレビュー:甲府が記録の壁を打ち破るか、甲府キラーの湘南が踏みとどまるか。J2昇格争いのド真ん中は間違いなく甲府対湘南(12.10.14)

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甲府のホテルで夕方のローカルニュースを見ていると、今週は山梨に支局があるテレビ3局(NHKと民放2局)ともJ1昇格と優勝の可能性があるホーム湘南戦の話題が中心。当然の盛り上がりなのだが、僕が見た日は民放2局が09年の第49節の甲府対湘南戦に触れていた。最終的にはこの直接対決で敗れたことで昇格を勝点1差で甲府が逃し、湘南が3位で昇格を決めることになった。この年のJ2は3回戦総当たりで、甲府は湘南に1勝2敗と競り負けている。その前年は3戦3敗で、湘南戦はシュート数で上回っても勝てないという嫌なイメージがあった。甲府は翌2010年に昇格を果たしたものの、湘南がJ2に降格してすれ違いで、2シーズン対戦がなかった。そして、昨年甲府が降格したことで3年ぶりに同じリーグで対戦することになった。お互い、選手も監督も代わり、過去の因縁は関係ないようだが第1クールの対戦はアウェイで甲府が湘南の倍のシュートを打ちながらも1対1で引き分け。湘南戦は現場のスタッフや選手が入れ替わっても因縁は残ったまま。

今週の練習では、「タカヤマが・・・」という声がピッチから何度か聞こえてきた。湘南の左サイドハーフの高山薫のこと。その逆の古林将太もそうだが、この2人をどうケアするかで対戦チームは散々悩んできたと思う。甲府もマークのやり方をハッキリさせるなどケアの考え方を練習で確認している。もちろんショートカウンターをやらせないことも強く意識している。今週の紅白戦形式のトレーニングの中で、サイドハーフへの対応があやふやになってレギュラー組が失点した場面で城福浩監督が怒鳴った。
「いいサッカーじゃねぇんだよ。(本番の)ゲームと同じ感覚でやってくれッ。勝つんだよ」
そして、怒鳴ったあとはいつもの冷静なテンションに戻って、ポイントになるシーンが出てきた時だけ声を掛ける。強いひと言でピッチがグッと引き締まるけれど、萎縮はさせない。選手と本気で真正面から向き合っているからこそだろう。

練習後、城福監督が「先週と今週の紅白戦はサブ組が勝っている。天皇杯、メンバーを変えて負けたでしょ。このことは悔しいけれど、その時のメンバーが(これじゃダメだ)という気持ちになってやってくれていると思う。天皇杯でJ1と対戦できなかったことは残念だけれど、結果として『転んでもただでは起きない』ということにはなっていると思う」と、話してくれた。チームが好調だと、レギュラーとサブ・ベンチ外選手のモチベーションの差が大きくなりがちだが、今の甲府はその心配がない。天皇杯2回戦に先発した松橋優は、「(サブ組で紅白戦を戦う時は)勝ってやろうという気持ちは強い。先発のチャンスをもらった天皇杯で地域リーグのチーム(福島U)に負けて悔しかったし、強くなりたいと意識するようになった」という。紅白戦はサブ組が対戦相手のフォーメーションでレギュラー組と対戦し、その中で戦術の確認や修正を行っていくのだが、サブ組が強ければ強いほどレギュラー組が本番に近い感覚で対戦相手をイメージできる。これも甲府が首位にいる理由のひとつ。

「サブ組が弱くて、紅白戦でレギュラー組が5−0で勝ったら、『レギュラーはすごいね』って言って、レギュラー組を気持ちよくさせるだけ。サブが強いからこそ(修正を)強く言える」(城福監督)

ローカルニュースである局は、「ももクロ」好きか「プロレス」好きなら知っている曲「OVERTURE」にヴァンフォーレのプレー映像を重ねるセンスの良さ。そして、「あの悔しさを覚えているか」というタイトルをつけて、09年の湘南戦(第49節)をクローズアップしていた。湘南に弓引く気はないけれど、湘南に勝って昇格するのも甲府の因縁。この因縁に影響しそうなことは幾つか思い当たる。甲府は柏が持つ19試合連続無敗記録に前節で並び、湘南戦で引き分け以上なら昇格を決めて記録更新となるが、記録というのは並んでも更新することは難しい。甲府も連勝記録4を更新するのに随分と苦労した。数字遊びをすれば、29ゴールを決めているダヴィは前節で今シーズン6回目の3試合連続ゴールを決めているが、4試合連続ゴールはない。湘南戦はその4試合連続ゴールという記録もかかっている。JFK甲府は、開幕戦に勝てないという記録や連勝記録などいくつかの記録を塗り替えてきたので、ダヴィのゴールが決まって勝って優勝まで決まれば記録更新ラッシュになる。記録の壁を打ち破ることができるかどうかにも注目だ。

自動昇格戦線(2位)に踏み止まるために甲府を倒すのも湘南側から見れば因縁だろう。湘南は甲府戦の次は千葉、富山、鳥取、町田と戦う。昇格争いをするチームと2戦して、最後の3試合は残留争いをするチームとの対戦しか残っていない。モチベーションが宙ぶらりんになる可能性がある対戦相手は1つもない。最終節が行われる11月11日は、京都とアウェイで対戦する甲府を、勝利給を出したいほど全力で応援してくれるだろうが、そういう環境を作るためには甲府戦、千葉戦を連敗するわけにはいかない。逆に、連勝すれば2位自動昇格の可能性をグッと引き寄せる。湘南に残された道は茨(いばら)の道だが、チャンスは自らの手の中に握っている。水曜日に天皇杯3回戦を戦い中3日。夏なら厳しいだろうが、秋の中3日なら大きな問題はなく、逆に試合の感覚が鋭いまま戦うことができる。ピッチに12〜13人いるんじゃないと思わせる2列目以降の積極的な攻撃参加を武器に、昇格目前の甲府に09年同様にホームで煮え湯を飲ませ、気分よく平塚に帰ることができるのか。昇格の椅子3脚のうち一つは――申し訳ない――実質的に決まっているが残る2脚は、二つ目に座れるか、三つ目しか狙えないかでは大違いの椅子。ここ数節は悪くないのに勝てない湘南が甲府戦で流れを変えることができるのか。

チケットは完売となった甲府対湘南戦。甲府が引き分け以上なら、16時キックオフの京都対富山戦の結果を待って、それに見合ったセレモニーを行う。京都・大木武、富山・安間貴義と甲府で指揮を取った監督も甲府の優勝に間接的に絡むJ2第38節。4チームの選手・スタッフ・サポーターが切り開く運命がどんな結果になるのか。10月14日、山梨中銀スタジアム。ここが、この場所がJ2昇格争いのド真ん中だ。

以上

2012.10.13 Reported by 松尾潤
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