何てったって初代王者である。松本担当としては口ずさむだけで思わず頬が緩んでしまう瞬間だ。台風のために18日に順延となった第36節・岐阜戦に勝利。この結果、岐阜・富山との血で血を洗う『TOP OF 北アルプス』において、松本が初代王者の栄冠を勝ち得た。嗚呼、この王者という甘美なる響き。初代王者――。もう一度口ずさんでみる。
しかしそれはもう過去の栄光でしかないので前を向くことにしよう。順延試合のために、今週は期せずして1週間でホーム3試合開催という『山雅週間』となった。第38節・徳島戦を1-1でドロー、第36節(順延)・岐阜戦をアリソン リカルドの決勝弾により1-0で勝利したことで、2試合で勝点4を得て、順位も北九州と水戸を追い抜き、今季最高となる11位まで浮上。まずは結果を残したと言えよう。他力本願の要素もあり厳しい状況ながらも数字上はプレーオフ出場圏内となる6位以内との勝点差は6まで縮み、最後に滑り込む可能性も残されている。とはいえ残り試合は僅か4つ。先のことを言うと鬼が笑うので、まずは目の前の試合に全力で挑み、勝点を積み重ねていきたい。今節は中2日とインターバルの短い厳しい環境で、しかも左サイドで攻守に躍動してきた鐡戸裕史が出場停止。橘章斗の先発起用か楠瀬章仁のスライド起用が予想されるが、いずれにせよ総力戦の様相を呈すだろう。先発メンバーの11人だけでなく、控えのメンバーにも大車輪の活躍を期待したいゲームだ。チームの完成度、総合力が試される一戦となる。
そして、この『山雅週間』3連戦のトリを飾る対戦チームは、水戸ホーリーホックだ。“闘将”柱谷哲二監督が率いて2年目となる今シーズンは、ここまで15勝9引き分け14敗(勝点54)で13位。辛口の反町康治監督も「市川(大祐)などの代表経験を持つベテランと若手選手とを柱谷監督が融合して、どこからでも得点のとれるチームになっている」と分析。また、「徳さん(鈴木徳彦強化部長)も入ったし、ライセンスさえとれれば来年、再来年にJ1に昇格してもおかしくない」とクラブにも賞賛を惜しまない。本拠地であるケーズデンキスタジアム水戸の収容人数の問題などでJ1クラブライセンスが交付されず、来季もJ2での戦いとなるが、直近5試合を2勝2引き分け1敗と結果を出しており、心は折れていない様子がうかがえる。前節・草津戦はスコアレスドローに終わったものの、『北関東ダービー』王者を奪還。柱谷監督も「北関東ダービー王者を奪還すると明言していたので、実現できたことは良かった。また次へ向かいたい」と述べるなど、今節は北関東を制した覇者としてのプライドに賭けて、アルウィンに乗り込んでくることは間違いない。特記事項としては、やはりチームを引っ張るベテラン鈴木隆行の欠場だろう。日本代表での活躍は松本のファン・サポーターの脳裏にも焼き付いているだけにその雄姿が見られないのは残念なところだが、三島康平、岡本達也、星原健太ら若手アタッカーがその穴を埋めることになりそうだ。
前期対戦時(第5節)は0-0のドローだっただけに何としても勝負を決したい。『TOP OF 北アルプス』王者vs『北関東ダービー』覇者。勝つのは、どっちだ。
以上
2012.10.20 Reported by 多岐太宿
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