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【J1:第29節 C大阪 vs F東京】レポート:一進一退の「ハイテンポ」な攻防は、1-1のドロー。C大阪、F東京ともに、収穫と課題が見えた試合(12.10.21)

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「非常にフィジカル的にタフな、激しいゲームだった」とC大阪のレヴィークルピ監督が振り返れば、「本当にお互い、特長を出し合った試合だった。90分間ハイテンポな展開を見せ続けた」とF東京のランコポポヴィッチ監督が述べた、J1第29節、C大阪対F東京の一戦。結果は1-1のドローに終わり、互いに勝点1を分け合った。これで連勝が3で止まったC大阪は勝点39となり、16位(G大阪)との差が7と縮まったものの、川崎Fを得失点差で上回り、11位に浮上。最低限のノルマであるJ1残留にも、これでまた一歩近づいた。一方のF東京は、前節に喫した大敗からの嫌な流れを、敵地での引き分けという形でストップ。10位をキープした。

この試合では、どちらも前節からメンバーを変更。C大阪は、ブラジルへの帰国が発表されたケンペスに代わり、1トップの位置に19歳の杉本健勇が入り、今季初先発。また、中盤にはヘベルチ、枝村匠馬の今夏加入組が並び、山口螢がシンプリシオとボランチを構成。扇原貴宏はベンチからのスタートとなった。対するF東京は、ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦で退場処分を受けた森重真人が出場停止。日本代表の欧州遠征から帰国したばかりの高橋秀人が徳永悠平とセンターバックでコンビを組み、左サイドバックには第22節・大宮戦以来の先発となる中村北斗、中盤の一角には田邉草民が、それぞれ起用された。

そのなかで、前半から、桜色のイレブンと青赤軍団は、一進一退の攻防を展開。C大阪がヘベルチらが中央からワンツーなどで細かくつないでチャンスを作れば、F東京はルーカスや石川直宏らのサイドへの飛び出しから好クロスを上げてゴール前に迫っていくなど、ともに好機を作り合う。ただ、C大阪の韓国代表GKキム ジンヒョン、F東京の日本代表GK権田修一が、それぞれ好守を披露。また、双方決め手を欠いたことで、前半はスコアレスで折り返す。

「予想通り難しく厳しいゲームだが、ゲームをコントロールできている」(C大阪・レヴィークルピ監督)、「前半は悪くない。責任とディシプリンがしっかりとしている」(F東京・ランコポポヴィッチ監督)と、互いに手応えをつかんだなかで迎えた後半、先に均衡を破ったのは、ホームのC大阪だった。50分、山口のクロスフィードを受けた左サイドの丸橋祐介が、ペナルティーエリア手前で仕掛ける。「縦を切られていたし、中に入ったら結構フリーな状態だった」ことで、クロスではなく、利き足ではない、右足からのシュートを選択。「『打ったれ!』と思って打った」一撃は、権田の手の届かない絶妙なコースに決まり、チームにリーグ戦5試合ぶりとなる先制点を、クラブ生え抜きの14番がもたらした。

さらに、そのすぐ後、C大阪にビッグチャンスが訪れる。相手のフィードを藤本康太がヘッドでクリア。これがそのまま前線へのパスになると、杉本がうまくポストとなって柿谷曜一朗へつなぐ。ここで抜け出した柿谷が、権田との1対1のシーンを作ったが、柿谷のシュートはわずかに右へ外れ、サポーターの歓声が、一瞬にしてため息に変わった。それでも、追加点を決められず座り込む柿谷をシンプリシオがすぐに起こすなど、素早く気持ちを切り替えたC大阪は、その後も攻勢を継続。完全に主導権をつかんだかに見えた。

しかし、ここでF東京のランコポポヴィッチ監督が動いた。60分に田邊に代えてチャン ヒョンスを入れ、ディフェンスラインを3枚にして攻撃の枚数を増やすと、63分にはヴチチェヴィッチを送り込み、前線を活性化。この交代策が実ったのは、74分だった。自陣左ペナルティーエリア付近で相手ボールをヴチチェヴィッチがカットすると、カウンターを発動。そして、長谷川アーリアジャスールの右サイド深くからの折り返しに、ゴール前に現れたのが、先ほど自陣にいたはずのヴチチェヴィッチ。右足ダイレクトで合わせたボールは、C大阪DF茂庭照幸がブラインドとなって反応が一瞬遅れたキム ジンヒョンの手をすり抜けるようにしてゴール。これで試合は振り出しに戻った。

1-1となってから、F東京がすぐに3枚目の交代カードとしてエジミウソンを加えれば、C大阪は終盤の85分に扇原、吉野峻光、高橋大輔を同時投入。どちらも最後まで勝点3を狙いに行ったが、結局、決勝点は生まれず。アディショナルタイムに長谷川が2枚目の警告を受けて退場となった以外、試合に変化はないまま終了した。

「あの(失点)場面だけ、ちょっとマークがずれてやられてしまった。チャンスの数はこっちのほうが多かったので、そこを決めるということが課題」(C大阪・DF藤本)、「同点だけでなく、逆転するチャンスもあっただけに、そういう結果につなげられず残念な部分もある」(F東京・MFヴチチェヴィッチ)と、ともに悔しさ残る引き分けではあった。だが、「C大阪らしいサッカーもできていたし、守備もしっかり守れていた」(C大阪・DF丸橋)、「先制されながらも追い付いて、1-1とした後も、勝利を目指して戦えたということは、評価できる」(F東京・ランコポポヴィッチ監督)と、両者、ラスト5試合に向けての収穫を得られたことも確か。激闘の結末は痛み分けだったが、サッカーの醍醐味が詰まった90分間は、両サポーターの応援合戦とともに、見応えのある試合だったことは、ここではっきりと記しておきたい。

以上

2012.10.21 Reported by 前田敏勝
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