●奥野僚右監督(山形):
「今日のホームゲームを勝利で終えることができて、とにかく本当にうれしいです。これもひとえにサポーターのみなさんはじめ、チームスタッフ、チームのフロントみんなが、現場が力を発揮できるように応援してくれました。そういうところに、ひとつ今日勝つことで応えられたのではないかなと思います。素直にもう、とにかくうれしいですね。それと同時に、今日ピッチに立ってくれた選手たちも最後まで闘志をみなぎらせて、攻めの姿勢を崩さなかった。攻撃でも守備でも攻める姿勢、そういうものを表現してくれたんじゃないかなと思います。前半早い段階でゴールを奪うことができて、そこには前での崩しの部分と連動で相手から1点を取ったわけです。その後、『もう1点』というところで少し様子を見るシーンはありましたが、また後半に入ってもう1点追加点を取るんだという姿勢を選手たちは表現してくれたんじゃないかなと思います。交代で入った選手たちも、自分がすべき仕事というものに対して非常に責任を持って力を発揮してくれたんじゃないかと思います。本当に、この1試合というものが次へつながるように、そしてこれからも、今まで培ってきたものが次へとつながるように、この勝利を元に、また次の試合に向けて、勝利をめざして取り組んでいきたいなと思います。
こういう今日の1試合で、僕はベンチにいるわけですけれども、これほど感情が高ぶったり、揺さぶられる。サッカーってやっぱり素晴らしいスポーツだなと改めて認識しましたし、情熱を燃やせば燃やすだけ、何か感じるものや得るものが大きいんだなということを今日は実感しました。ありがとうございます」
Q:今回、中島選手がサイドに下がった意図と、実際やってみてどうだったのかという手ごたえの部分をお願いします。
「これも今週に入ってから、どういう機能が生まれるか、自分たちにどういうパワーを増やすことができるかというところで、当然、意欲ないしコンディションを見極める作業をしてきました。そういったなかで、相手の布陣も考えつつ考えたところ、中島選手がハーフのミッドフィールダーに入ることによって効果が発揮できるんじゃないかという判断で、彼を送り出しました。彼の持ち味は、本当に献身的な部分、プラスアルファー突破力、そして決定力だと思うんですね。そういうものを表現してほしいという希望がありましたけれども、そういう部分が遺憾なく、今日は発揮されたんじゃないかなという印象です。また、もともとそんなに守備が得意な選手ではありませんけれども、献身的な守備、自分を犠牲にする守備というものも精一杯やってくれて、チームに安定感をもたらしたという認識でおります」
Q:今日は前線から山崎選手、中島選手の運動量、追いかける姿勢が強く印象に残りましたが、そのへんは意図されて送り出したのですか?
「一番最初に話しましたように、攻守において攻める姿勢というもので、北九州さんのプレースタイルというのは、ビルドアップでつなぎながら丁寧に崩しをされてこられると。そういう崩しをさせないためには、全員が連動したプレッシングが必要なんじゃないかなと。そういうものを表現できるように選手にはたらきかけたわけですけれども、選手たちがそういうところ、スイッチを入れるところが非常にいい形でできたんじゃないかなと思います」
Q:今日は試合に臨まれる前に、チーム状態も考えて、選手たちにどんな言葉をかけて送り出したのでしょうか?
「ロッカールームですか? ミーティングですか? ……あまり記憶が定かじゃないんですけどね。3点ほど言ったんですね。いつも思いつきで、結局、ロッカーから送り出すときに、どういう送り出し方をしようかというのは、練りに練って最後に決めるわけなんですけれども、そういう作業をしてて……選手に聞いてみてください(笑)」
Q:今日は前節と違い、積極的で勇敢なプレーが随所で見られましたが、選手のメンタルを切り換えるうえで、何か言葉とかあったのでしょうか?
「何を目的にして、何を大事にするのかというところですね。それと、チームとして戦っていくうえで、どういうことが必要か。ちょっと内緒話になってしまうわけですけれども、選手は今日見ていただいたような姿勢をグループでつくり出してくれたと。あくまでそういう部分では、僕からは促す立場でしかないんですけれども、彼らがそういうものをつくり出してくれたというふうに自分は認識しています。ですから、監督である僕がどうこう細工をしたという部分もなく、感じるもの、思うところを選手たち自身が工夫して表現してくれたんじゃないかなと思っています」
Q:勝てなかった2ヵ月間、監督がどんな思いで指導されていたのかと、残り3試合に向けた強い決意をお願いします。
「7試合勝利がなかったわけですけれども、やはり勝利がないと、少しずつ自信というものが失われてくるように感じます。でも自信というものは、どういう結果であれ、深まっていくのが自信であって、当然ですけれども、トレーニングすればするほど選手たちというのは上達しますし、連動・連携・連結、そういうものは必ずよくなっていくんだと、そういう気持ちを前面に表現していかなきゃいけない。練習すればするほど、試合をすればするほど、自信なんて絶対に失うものではないので、そこは自分たちが乗り越えていくべき、乗り越えられる自分たちの課題であって、勝利に対する欲望、欲求に対して、どうやったら勝ちにつなげるかと。今までと同じような気持ちで入ったところでは、自ら勝ち星を逃がしてしまうんじゃないかと。ですから、いつも変わらず、ひとつひとつの積み重ねを大事に、毎日を精一杯やっていくという作業を選手たちにずっと求めてきました。ですから、この1勝によって何かがガラッと180度変わる……こともあるでしょうし、また、ひとつずつの歩みであることには違いありませんけれども、必ずやこういった経験というものが次へつながっていくし、自分たちの向上につながっていくんだというふうに思っています。残り3試合ということで、この3試合というよりも次の一戦に向けて、今日のような姿勢を、今日以上の姿勢を選手たちに求めていきたいなと。そのために、自分たちができること、スタッフもそうですけれども最大限努力して、最高の仕事をして、また選手をピッチに送り出してあげたいなと。その継続を、残り3試合、また続けていきたいなと思います」
以上













