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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 清水 vs 鹿島】清水側レポート:自分たちの力は出し切れたが、あと一歩が届かなかった清水。無念の涙を流しながらも、誇りを持って次への決意を(12.11.04)

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先発の平均年齢23.00歳で、MFとFWは全員23歳以下。ベンチメンバーを含めた18人でも平均23.11歳という、おそらくヤマザキナビスコカップ史上もっとも若いチームで、絶好のサッカー日和となった満員の国立競技場に臨んだ清水エスパルス。
まず注目されたのは、こうした大舞台が初めての選手が多い中で、緊張感によって硬くなることなく、自分たちの力を発揮できるかという部分だった。その意味では、立ち上がりから予想以上に冷静かつ堂々としたプレーを見せてくれたのは、選手たちには失礼だが、ある意味うれしい驚きだった。

鹿島は予想通り球際で非常に厳しい対応を見せてきたが、清水イレブンはそれにまったくひるむことなく落ち着いてボールをキープし、パスをつないで、自分たちのやるべきサッカーを展開していく。同時に、守備への切り換えも非常に速く、ボールを奪われた後、すぐにプレッシャーをかけて鹿島の組み立てを許さない。とくに中盤の八反田康平、河井陽介、村松大輔の3人が見せた頑張りは目を見張るものがあった。
そうしてボールを支配する中で、焦って攻め急ぐこともなく、前が詰まったら戻してやり直すという冷静さも見える。最近の試合の中でも、もっとも清水らしいサッカーをピッチ上で堂々と表現することができていた。
ただ、鹿島の出方にも予想外の部分があった。清水のDFラインに対して前線からプレッシャーをかけてくるのではなく、ボールを失ったらすぐにリトリートして自陣内で守備の態勢を整えるという戦い方。メンバー的にも、ボランチには守備に強い元清水の本田拓也を起用し、左サイドバックには本来センターバックの昌子源を抜擢。大前元紀を警戒し、その突破を封じるという狙いは明らかだった。そして、ボールを奪った後はすぐに裏を狙うパスを送り、清水DF陣の意識を後方に引っ張る。
もちろん、自分たちがポゼッションしながら戦うこともできるチームだが、決勝の舞台でこのように戦い方を使い分けられるのは、清水にはない鹿島の強みと言える。

それでも清水は、けっして攻めあぐねたわけではなく、14分に吉田豊の右クロスのこぼれ球から高木俊幸がボレーシュートを放つという決定機を先に作る。ここはGK曽ヶ端準の好セーブに阻まれたが、41分には高木、大前、河井のコンビネーションで左サイドをきれいに突破するなど、良い形も何度か作った。このシーンのように、鹿島のゴール前の高さを避けて低く速いクロスを狙う場面が何度かあったが、それがことごとく味方に合わなかったのが、前半で唯一悔やまれる部分。「前半の押し込んでいる時間帯に1点でも入っていれば、流れは変わったと思う」(河井)という部分が、最終的な試合結果にも大きく影響した。
ただ、見ている側にも45分が非常に短く感じられ、密度の高さと緊迫感に満ちた非常に見応えのある前半戦だったことは間違いない。

そして後半は、鹿島がハーフタイムで興梠慎三に代えてドゥトラを投入し、開始早々にそのドゥトラが裏に飛び出してチャンスを作るなど、一気に攻撃のスイッチを入れてきた。それによって序盤は清水が少しバタバタする面があり、後半11分にもカウンターでドゥトラに飛び出されてピンチになるが、ここはGK林彰洋がビッグセーブ。すると、13分に吉田の右クロスから高木がボレーシュートを放ったあたりから徐々に落ち着いて流れを取り戻し、再び清水がポゼッションで上回る展開に。
しかし、鹿島にはカウンターという武器もある。後半26分の清水の左CKを跳ね返した鹿島が一気のカウンターでゴール前に攻め込み、ゴール前に飛び出した柴崎岳を李記帝が倒してしまいPKの判定。これを柴崎に決められ、先制点を奪われてしまった(後半28分)。
だが、その1分後には右CKの場面で青木剛のファウルがあって、逆に清水がPKを獲得。強いプレッシャーがかかる中で、これを大前が心憎いほど冷静に決めて同点。再び試合は振り出しに戻った。

その後も非常に緊迫感のある攻防が続いたが、お互いに得点はなく、勝負は延長戦に突入。だが、延長前半3分、一瞬のスキをつかれて柴崎に2点目を決められ、再びビハインド。清水は後半のアディショナルタイムに石毛秀樹、延長前半6分に瀬沼優司とフレッシュな力を投入して攻めに出るが、リードして守りに入ったときの鹿島のゴール前は非常に堅固。クロスボールはことごとく跳ね返され、ドリブル突破を図っても1対1の対応が粘り強く、なかなか付け入る隙を見出すことができないまま時間だけが過ぎていった。
そして延長後半も攻めきれないまま無念のタイムアップ。「今度こそ」という予感は十分に感じさせてくれた若きオレンジ戦士たちだったが、今回は鹿島の経験と勝負強さに阻まれ、涙の準優勝に終わった。

だが、これまでの試合の中でも最高のパフォーマンスを見せた八反田が「こういう大舞台で自分のプレーを出せたことはすごく自信にもつながる」と語ったように、自分たちの力を出し切ることはできた。いくつかあった惜しい場面の中で、鹿島より先にチャンスを生かすことができれば、逆の結果になっていた可能性も高い。勝敗を分けた差は本当にわずかだった。
だからこそ、「(今季のうちに)何かひとつでもタイトルを獲りたい、何か残したいという気持ちがより強くなった」(高木)というのはチームの全員が強く感じているところ。まだまだ大きな可能性を秘めた若いチームにとっては、次につながる誇り高き準優勝だった。

以上

2012.11.04 Reported by 前島芳雄
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