岡山が優位にゲームを進めた印象だが、「相手のゴール付近まで行けても、シュート本数が多くなかった」と岡山のFW押谷祐樹が言うとおり、公式記録によるシュート数は岡山、北九州ともに9本ずつ。コーナーキック、フリーキックの数は北九州が2本多く、チャンスはほぼ同等にあった。ともに好機を作りながらも決められなかったストレスを抱えながら、それでも次節に繋がる攻撃の形の片鱗も見せて、ゲームは0−0で終わった。
スターティングメンバーは、岡山が開幕戦から1枚だけ変えて、シャドーにMF石原崇兆を起用。北九州は、GKをはじめ大幅に7枚を入れ替えて臨んだ。2トップは、開幕戦でゴールを決めたルーキーのFW柿本健太と、U—22韓国代表経験のあるキム ドンフィの新加入コンビ。左SHに、MF小手川宏基。これまで切り札として投入されることの多かった岡山・石原がスタメンであったのに対し、北九州のMF渡大生は切り札としてベンチに控えた。また北九州は最終ラインにDF宮本亨、DF冨士祐樹を入れ、開幕戦2失点からの巻き返しを図った。
前半、岡山はポゼッションしながら主導権を握った。積極的に仕掛ける石原とトップ気味にポジションをとる押谷の連係がよく、岡山の両ワイド・田所諒、澤口雅彦もサイドのポイントとしての役割を果たした。ボランチ・仙石廉がサイドを変えるパスを送り、FW荒田智之はアーリークロスに反応。また北九州のカウンターにもDF竹田忠嗣がうまく対応した。そして前半44分には、右の高い位置にいた仙石から、PA付近にいた味方2人をスルーしたパスがボランチ・千明聖典に届く。千明自身が打った瞬間、「捉えた」と思ったミドルシュートは、わずかにバー右にそれてしまったが、岡山のボランチのアイデアと息の合ったところを確認できた展開だった。
岡山がフィニッシュに至ることが出来なかった理由としてはもちろん、北九州のセンターバックを中心とした集中した守備があった。「GKの武田博行が安定して落ち着いてプレーしてくれたこと、DFラインの宮本と冨士が経験を生かしてプレーしたことで、ゲームに落ち着きが出たんじゃないかと思う」と北九州・柱谷幸一監督。
後半に入ると両チームともに攻撃のギアを一段階上げ、岡山は竹田から前線スペースを狙ったボールや押谷のキープと石原のオーバーラップでチャンスを作る。対する北九州は後半15分頃から、キム ドンフィの飛び出し、柿本のシュートからリズムを作り始め、狙う攻撃の形を実践。さらに右SH内藤洋平のスピーディな動き出しからのシュート、右SB松本陽介と重ねてゴールに迫る。しかしそこに立ちはだかったのは、岡山のGK中林洋次だった。
ともに我慢の時間を過ごして無失点で凌いだゲームとなったが、開幕戦未勝利の岡山と北九州は、リスクをかけた攻撃を仕掛け、勝点3を求めた。長期的視野でチームを育て、目先のことに一喜一憂しないスタンスは、どちらの監督も同じだが、勝点3への思いは、「サプライズを起こす」北九州よりも、「高い頂を目指す」岡山の方が強くならざるを得ない状況にある。先週、石原は勝利にこだわりながら、「その中でも自分たちのサッカーをしなきゃいけない」と話していた。自分たちのサッカーをしながら、「今年の岡山の攻撃の形」の萌芽も認められた試合を経て、次は勝利しかない。
以上
2013.03.11 Reported by 尾原千明
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