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【J2:第2節 京都 vs 東京V】レポート:面白く、これからにも期待が持てる京都の戦いぶりだったが、東京Vからゴールを奪えずスコアレスドロー(13.03.11)

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西京極開幕戦は終始、京都が攻め立てたが東京Vのゴールをこじ開けることができずスコアレスドローに終わった。

京都の先発は、出場停止のバヤリッツァのポジションに酒井隆介が入り、前節は三平和司、駒井善成が先発していたところに中村祐哉、横谷繁が名を連ねた。東京Vも中盤に安田晃大が先発で、中盤右に入る。
試合開始早々に、京都は左サイドのタッチライン際の球際の戦いで、DF酒井が「遅延行為」で警告を取られる不穏な立ち上がりとなったが、6分、セットプレーから横谷のヘディングシュートがバーかすめ、京都が勢いをつけ始める。8分には右サイドでのパス交換からこぼれたボールが中央に入ると工藤浩平がシュート。さらには相手のゴールキックを収めた安藤淳が縦に走る中村へ送りフィニッシュに持ち込むなど東京Vを攻め立てる。
東京Vも15分に速攻から安田が中で合わせるなど、前線の高原直泰が競り勝つとそこから攻撃に入っていける様な状況を作る。一言で書けば「互いに縦に速いサッカーだった」としてもいい様な内容。
その後も京都は、25分に左からマイナスに入ってきたボールを安藤、34分にCKの跳ね返りを福村貴幸がロングシュートと、前半だけで11本のシュートを放った。

後半、京都は足を痛めた山瀬功治に代えて駒井を入れる。東京Vは左サイドだった鈴木惇をボランチに置き、重心を後ろにかける形になる。
後半7分には京都・中村が負傷交代、久保裕也が入ると、果敢に仕掛けた。ボールを持ち込み、相手エリア内で真っ向勝負に出る。後半22分にはボールを奪った安藤からのアーリークロスに飛び出し決定機を迎えるが、惜しくもポスト横。
同32分には横谷が倒され、そのこぼれを工藤が拾い宮吉拓実へ送りフィニッシュまで持ち込むも、東京Vのブロック。同じく35分には原一樹を投入し、その原から久保へと渡り、久保がシュートを放つもGK正面。
京都が東京Vを攻め立てるも結局は無得点で引分け、勝点1を分け合う結果となった。

東京Vの間瀬秀一コーチは、球際の戦いや走力などを挙げ、サッカー選手に必要なことが、選手には感じられたはずだ、として「次の岡山戦、そしてこれからのリーグにつながっていくはずだ」と今節を締めくくった。
今節のシュート数は京都15に対し東京Vは1。特に後半は、東京Vはサイドで落ち着かせて京都のプレスをかいくぐろうとした。だがその次、サイドからどう攻めるという点でぼやけてしまった感はある。ただ、シュート数で言えば、京都は前半11本に対し、後半は4本だった。これをどう捉えるかだろう。後半に攻める力が弱くなった訳ではない。久保の決定機はこの試合通して最もゴールに近いものであり、相手ボールを奪って攻撃に移る感じも後半の方が多かった。何より、東京Vがエリア内で人数をかけて守る回数が後半の方が多かった。この辺が、大木監督が口にしていた「数字だけを見るのは危険」ということなのだろう。

京都については、正直に言えばこちらの想像を超えるものだったので批判はもちろん評価も出来ない。特に前半はボールに対し三人くらいが動いて、パスを交換するので目が追いつかない状況もあった。それほどすごかった。
攻めるのに、「あの手」の一手段しかないと、攻撃のリズムはドッカン、ボッカンくらいのスピード感になる。それが「あの手」と「この手」が出てくるとポン、ポンと繋がっていく感じになり、「あの手」「この手」がつながっていくとポンポン、というリズムが出てくる。
それが、前半の京都は「あの手」「この手」が連なり、さらに「その手」まで出てくるので攻撃が「ポポポン」という感じになり、観ている方はついつい引き込まれることになる。後半は後半で、奪ってからの攻撃ということでボール奪取の逞しさがあった。

それでも点が奪えなかった。大木監督は会見で、ボールを追い越す動きやサポートを増やすことなど、さらなる攻撃の磨き上げについて言及した。老婆心だと重々承知ではあるが言わせてもらうと、攻撃はあくまで「手段」で、「目的」はゴールである。「手段」を磨き上げて「目的」への意識が薄くなっては意味がない。極端な例えなら、ミドル一発でゴールが奪えるなら攻撃などどうでもいい、というのも理屈としては成り立つということだ。では攻撃の磨き上げは無くてもいいのか、というとそうではない。その辺りのバランスも含め、次節、京都のゴールに大きな期待を寄せたい。

最後に、後半の立ち上がり1分の東京VのFKで、安藤淳が大声を張り上げていた。その内容まで聞き取れなかったが、サポーターも声を出す中、記者席まで聞こえたというのは、名古屋の闘莉王以外で、こちらの記憶にない。こういうシーンで彼らがどういう気持ちで戦っているかが強く読み取れる。素晴らしい以上の気持ちにさせてくれるプレーだったことを付記しておきたい。

以上

2013.03.11 Reported by 武田賢宗
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