●手倉森誠監督(仙台):
「去年のリーグ戦でも最初に対戦した時のようなシチュエーション。勝ってない、低迷するチーム相手に蘇らせてはいけない、という話をして挑みました。勢いを持って入れるのは、もちろん我々の方だと。ただ、ここからだという川崎の思いを考えれば立ち上がりから来るだろうというところは(予想できた)。ゲームの入り方のコントロールというところで、自分たちが気をつけていた部分だし、90分を通して彼らに勢いを与えるのはカウンターをさせるところだと。そこは十分に警戒しなければならないという話をして入りました。
立ち上がりに勢いのある攻撃をしのいで、1点を取られたのはまさにそのカウンターからでした。2点目はPK。3点目はまたカウンターというところで、1点ビハインドで、2点目を取られたところからチームはコレクティブさを失って、一人一人が頑張るようになったところで、バランスを欠いてしまっての3失点。前半で3点取られたのは初めてですが、その中でも最後の45分は、川崎が3点取れたわけで、自分たちが取れないこともないだろうと送り出しました。後半は勝ちに行けと。結果、追いつくことはできませんでしたが、その状況の中でもまた後半45分間、結束して戦ってみせたのが次のゲームにつながればいいと思いますし、今日招いた敗戦は我々が自ら招いたものだと、いうところを良い教訓にして、コレクティブさを失えば我々もこういうゲームをするんだというところが今日教えられたところだと思います。次から次へと試合が来るので、ここで切り替えてACLで向こうで今日までの鬱憤を晴らしたいと思います」
Q:ミスで失点してもったいなかったですが、前半悪かったのは?
「勢いを持ってゲームに入れたんですが、それをしのいだ後にフロンターレは一気にブロックを組みましたね。その中で自分たちは持たされた状況で、その中で自分たちは今度持たされた状況。その中で自分たちは仕掛けてシュートで終わらなければならない。スカウティングの中でフロンターレはクロスに弱いということは我々も詰めていました。だけど、入れられる時に入れない、ボックスの中に動かさずに戻し気味の横パスのボールをかっさらわれて、失点を食らったので、そういうところで、相手が構えた時の大胆さがもったいなかったかなと。結局後半はボックスに入ること、ゴール前に行くこと、ラストパス、シュートを打つこと。考えたら、2点取れた。そういう意味でフロンターレが守備に切り替わった瞬間に自分たちが大事にやろうとしすぎた。プラス、ミス。精度を欠いたプレーが出てしまった。ミスは突かれれば失点になるし、逆に自分たちは彼らのミスを突けなかったというところの前半がね、やっぱりもったいなかったかなと」
Q:フロンターレはクロスに弱いとのことですが、前半はの場面はなくて後半に出ていました。何かハーフタイムに指示はあったんですか。
「ハーフタイムに指示しました。もっとシンプルにやれと。前半に我々がボールに行っている時だって、絶対相手は嫌がっていないし怖がっていない。そこには繋がさせられた部分。我々にとって。フロンターレはまず入れさせない守備をやってきたのかなと思います。それに対して、入れずに戻したボール。横にやり直そうとしたボールを取られて一気にカウンターという形だった。
わかっていながら繋がなければという意識を高めすぎて招いたものだと思うので、繋ぎ通して勝てるサッカーってバルセロナしかないので。やっぱりゴールに向かわなければならないと感じました」
Q:赤嶺選手が復帰しましたが、彼の評価は。また次の試合でスタメンで行けそうなのか、教えてください。
「次の試合、赤嶺スタメンにしますということをこの場で言ってたら、対戦相手もすかさずスカウティングしますから。ただ、今日の後半の出来を見れば、十分状態は戻ってきているなと。若干プレッシャーを掛けられた時のアバウトなボールをしっかり懐に収めて自分たちの押し上げの時間を作ってくれる当たりは彼本来の力を出してくれたと思います。クロスなども飛び込んで、ゴールしそうなシーンもありましたが、このまま状態を、ACLでも使ってみてどうなるか、というところを見て行きたいと思います」
Q:川崎が今までの試合よりもプレッシャーをかけ、シンプルにスペースを使っていました。それは想定していたことだと思いますが予想以上のものでしたか?
「いやー、想定内でした。自分たちがそこのところをわかっていながら、実際に相手のユニット内で動かそうとした部分を我々からミスしたところがありましたからね。ちょっとしたズレで。川崎はプレッシャーをかけてくる時に2トップとサイドハーフの4人が第一ディフェンダーとして我々の最終ラインにかかってきますから。我々のFWのアクションに対しては、最終ラインは裏を取られないとするのが彼らのオーガナイズ。となれば、中列の所のスペースでいかに収められるのかというところと、そこでうまく人を絡められるかというところで、ラストパスを出せるゲームプランだったんですが、そこのゲームの作りの所のミスでしたね。結局それで作っている間に4人でプレッシャーをかけてきて、背中を取られたFWが戻ってくるところを取られているという状況でした。そういう意味で戻りきる前にやり切るというのをできなかったのが我々の反省です」
Q:失点を重ね、オーガナイズが崩れたとのことですが、そこでピッチ上の選手たちで解決してほしいという思いは?
「まあでも、確かにみんながつなごうと判断した先のミスでしたから。そこはみんながトレーニングで高めればいいと思います。でも、大事にサッカーするのと、大胆にサッカーするのとでは違いますよね。ハーフタイムに言ったのは、ここは敵地だという話をしました。自分たちがボールを握って握り通して点が取れるような甘い場所ではないという話はしました。やっぱり隙を突くような、覚悟で挑まなけれならないし、逆に自分たちからボールを持って隙を与えるようなことを作ってはダメだというところでした。その辺の、自分たちがピッチに立った時のシチュエーションというのを、もう少し考えてやらなければならない。逆に、我々が良いプレーできなくても、相手にも良いプレーさせないくらいのしたたかさでアウェイは戦わなければならない、ということを、去年も一昨年もやれたわけです。2連勝したことで我々の強さを示そうと言ってますが、巧さを示そうと、強さを示そうとではまた違うんだということをチームとして理解させたいですね。
初勝利をプレゼントするベガルタ仙台でした」
以上













