柏はこのセントラルコースト戦を終えると、5月6日に横浜FMとの対戦を控えている。Jリーグの日程と、すでにグループステージ1位通過を決めたAFCチャンピオンズリーグでの状況を加味し、ネルシーニョ監督がどのようなメンバーを組むのか、それこそがこの試合の大きなポイントになるのかもしれない。主力を温存し、横浜FM戦に備えるのか。あるいは大宮戦の課題を修正するためにベストの布陣を組み、白星を飾ることで悪い流れを断ち切るのか。その2つの選択肢がある。
いかなる試合でも勝利を追い求めるネルシーニョ監督が、すでに首位通過を決めているからとはいえ、“消化試合”と位置付けてセントラルコースト戦に臨むとは思えない。ただ、怪我を抱えている選手、コンディションが良くない選手、パフォーマンスが低下している選手に変え、モチベーションの高い新しい選手を入れることでチームに息吹を与え、活力を生み出そうとすることはあり得るだろう。
対するセントラルコーストは、貴州との2位争いの真っ只中にあり、もしセントラルコーストが敗れて、他会場の貴州が勝利するとグループステージ敗退となってしまう。前回の対戦時には、オーストラリアAリーグ得点王のFWダニエル マクブリーンをはじめ主力選手数名を来日させず、さらに中盤の司令塔MFマイケル マクグリンチーをスタメンから外すなど、優勝争いが佳境にあったリーグ戦に重きを置く姿勢を見せたが、現在はリーグ戦の全日程が終了、これでACLのグループステージ突破に全力を注げるため、3月に戦った時のセントラルコーストとは全く異なるチームだと考えた方がよさそうだ。
柏のメンバー構成が不透明だが、仮にどのようなメンバーになるにしても、柏としては「無失点にこだわる」と「攻め急がない」という2つのテーマを掲げたい。リーグ戦では17失点でリーグワースト、とにかくこの失点の多さを何とかしなければ、リーグの巻き返しもACLの覇権も見えてこない。マクブリーンとマクグリンチーを中心にした流れの中からの迫力ある攻めを展開し、また日立台での対戦でパトリック ズワンズワイクに先制を許したようにセットプレーに強さを発揮するセントラルコーストは、守備の立て直しを図る上では願ってもない相手だ。
もう1つの「攻め急がない」だが、これは前線と中盤の選手が攻め急ぐことによって全体のバランスを失い、裏一辺倒になって中盤にスペースを作ってしまう。それに攻め急ぎが生む拙攻続きではボールロストの回数が増え相手の逆襲を浴びる。したがって失点の確率は高まる。「良い守備から良い攻撃につなげる」とはよく言うが、逆もまた真理。「良い攻撃が良い守備につながる」。たとえ得点に至らなかったとしても、シュートなど良い形で攻撃を終えれば、不用意な逆襲は食らわなくて済む。失点の多さは守備陣の問題だけではなく、チーム全体で改善していかねばならない。
すでに首位通過を決め、大勢に影響は出ないからこそ、今後につながるような戦いができるまたとないチャンスだ。このセントラルコースト戦で、かつての粘り強い守備と落ち着き払った攻撃、その柏らしい老獪な姿を取り戻す。もちろん勝利を目指しつつだ。このグループリーグ第6戦、決して“消化試合”とは呼ばせない。
以上
2013.04.29 Reported by 鈴木潤
J’s GOALニュース
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