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【AFCチャンピオンズリーグ2013 広島 vs 北京】プレビュー:若者たちよ、ホームで躍動せよ。予選リーグ突破を懸ける北京国安に、広島のプライドを見せつけろ(13.04.30)

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広島にとって、明日は2013年最後のACLでの闘いとなる。もちろん、勝利で飾りたい。ホームでのACLはまだ、勝点ゼロ。「サポーターに勝点3を」という意識は、森保一監督も選手たちも強い。
ただ、一方でこのACLは、広島にとって若い選手たちの大きな経験の場である。ブニョドコル戦では川辺駿や野津田岳人、井波靖奈やパク ヒョンジンなど、若い選手たちが躍動し、アウェイで貴重な勝点1をあげた。しかも、守備的に戦ったわけではなく、広島らしいコンビネーションを見せ、攻撃的なスタイルを貫いての勝点奪取。決定機の数もシュートの本数も上回っての引き分けは、「勝利のチャンスもあった」と選手も監督も大きな手応えを感じた。「あとは結果だけ」という岡本知剛の言葉には、実感を伴う。

最終節の相手となる北京国安は、引き分け以上なら浦項対ブニョドコルの結果如何に関係なく、決勝トーナメント進出が確定する。彼らにとってはアウェイということもあり、必要以上にリスクを背負ってはこないだろう。それでも、元エクアドル代表FWのゲロンやイングランドやスペインリーグでの活躍経験を持つFWカヌーテらを中心とした攻撃陣は、能力も実績も十分。スピードに満ちた突破型のゲロンと柔らかなボールタッチから攻撃を構築できるカヌーテは、コンビネーションも悪くない。強烈なフィジカル・コンタクトを活かした守備から、個人能力の高い選手たちを活かした速攻で、十分に得点できる可能性は持っている。前節はホームで浦項に2-0と快勝しているが、その時の先制点もゲロンがゲット。第2節の広島戦でも何度も決定的なチャンスをつくった二人のタレントには、注意を払いすぎることはない。個々の能力の総和でいえば、アジアの中でも高いレベルにある。

ただ、広島も第2節当時のチーム状態ではない。若手中心とはいえ、浦項、そしてブニョドコルと難しいアウェイで勝点1をあげるという「成果」を残したことは、選手たちに有形・無形の成果を残した。特にブニョドコル戦で共に初先発を果たした右サイドの井波やシャドーを務める川辺は、共に「やれるという自信が芽生えた」と力強く語る。おそらく、森保監督の「ぶれない意思」を考えても、明日も若い選手たちが多くのチャンスを得ることになるだろう。今までならば、公式戦出場という重圧に押しつぶされたかもしれない。しかし、ウズベキスタンから凱旋した後の彼らは、まさに刮目すべき存在。練習でベテラン組を圧倒するシーンも少なくなく、森保監督も「力のある相手との闘いで、若い選手が大きな自信を得たことは間違いない。それが、チーム全体のエネルギーと化している」と目を細めている。今や若手の出場は不安材料ではなく、未来への希望だ。

一つ不安があるとすれば、ここまで広島のゴールマウスを守り続けてきた西川周作の容態だろう。名古屋戦で小川佳純との激突の後で脳しんとうを起こし、「その後は記憶にない。気がついたらロッカーの中だった」という状況だった。その後の検査では異常はなく、今日も練習場に彼の姿はあった。ただ、頭を襲ったアクシデントの影響を考慮すれば、明日の試合を欠場する可能性が高いだろう。

絶対的な守護神であり、今季はいつもにもまして神懸かり的なセーブを連発している西川の欠場は痛いが、それでも広島には増田卓也という若き大器がいる。昨年のヤマザキナビスコカップ・鳥栖戦では随所にいいプレーを披露してホームEスタでの勝利に貢献し、FIFAクラブワールドカップでのアルアハリ戦でも西川負傷の後を守って経験を積んだ。今季の公式戦ではここまでまだ出場はないものの、シュートストップのセンスも含め、スケールの大きさには可能性を秘めている背番号13は、「いつでも準備はできている」と自信を隠さない。

ここまでのACLにおけるホームでの2試合は、いずれも1点もとれずに相手の後塵を拝した。だが、苛烈極まるアウェイの2試合を通じ、広島の若者たちは大きな成長を見せている。その実際を、今度はホームスタジアムのサポーターの前で証明したい。岡本知剛は「勝点3しかいらない。勝つしかない」と語った。その想いをすべての選手が胸に秘め、エディオンスタジアム広島のピッチに立つ。

以上

2013.04.29 Reported by 中野和也
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