愛媛と長崎の初対戦は、意外な幕開けだった。まず開始2分、左サイドでボールを奪った長崎は細かくパスをつなぎ小笠原侑生のアシストで山田晃平がJ初ゴール。あっという間に先制すると、4分後には右サイドで奪い、再び小笠原のアシストで今度は佐藤洸一が追加点を奪う。試合後に「前半の6分でゲームが終わってしまったというのが今の実感」と石丸清隆監督は悔やんだが、長崎の勢いに愛媛は飲まれてしまった。
この2得点には勢いを感じたが、同時に長崎の狙いもしっかりと表れていた。先制点の場面では長崎の選手達が高い位置でプレッシャーをかけてボールを奪取。2点目は愛媛の連携ミスを突いたものだが、いずれもそこから素早く前にボールを運びゴールネットを揺らした。
逆に愛媛としては前節の徳島戦同様、ミスが失点につながってしまった。高木琢也監督は「1対1で負けない状況(を作り)、負けてもグループでリカバーするという守備力の部分で相手を上回れた」と試合を振り返ったが、愛媛はカバーすべき場面でも後手を踏んで失点を防ぐことはできなかった。やるべき最低限のことをやりきった長崎と、やりきれなかった愛媛。それが90分を通じての2−0というスコアにも表れた格好だ。
それでも愛媛にとっては2失点をした時間が前半のわずか6分ということで、取り返す時間は十分に残されていた。特に後半は守備を固める長崎に対して猛攻をしかける。後半14分には右サイドから左サイドに大きく展開し、オーバーラップした浦田延尚がシュートを放ったもののバーに阻まれる。続く19分には石井謙伍のクロスに加藤大が飛び込んだが、今度は長崎のGK金山隼樹がファインセーブ。さらにその3分後には、GK金山のミスキックを重松健太郎が拾ったがシュートは打てず、クロスにも詰め切れない拙攻を繰り返してしまった。
その結果、長崎が愛媛を振り切った形だが公式記録上は長崎のシュートは2本で愛媛が9本。決定的な場面の数では両者に変わりはなかったが、勝敗はチャンスを逃さず先手を取った長崎に軍配が上がった。確かにその数字の通り、長崎としては2点取った後は守勢に回ってしまったが、ゼロで乗り切ったことは大きい。「もっともっと次の試合はチャレンジするプレーを選手達にはやってほしい」と高木監督は選手達に更なる成長を求めたが、今は成長するために最も必要な結果を得ていることが何よりも大きい。勝点を重ねながら自信を深める長崎は、次の対戦相手となる北九州(5/3@長崎県立)にとってはもちろんのこと、今後どのチームにとっても嫌な相手になり続けそうだ。
対する愛媛は初対戦チームに初めて敗れ、これで今季2度目の2連敗。同じ失敗を繰り返して敗れてしまっただけに、そこは各選手達が猛省すべきだろう。今のままでは中3日で迎えるアウェイ千葉戦(5/3@フクアリ)で、1分5敗と未勝利の強敵に立ち向かうことは難しい。限られた時間ではあるがコンディションを整えて、この試合でチャンスを得られなかった選手達も含めてもう一度チームのベースとなる運動量を取り戻し、そして戦う気持ちを奮い立たせることができるか。スローガンとして掲げる「一丸」になって戦い抜かねば、愛媛にとってGWの連戦は厳しいものになるだろう。
以上
2013.04.30 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
一覧へ- 終盤戦特集2025
- アウォーズ2025
- 明治安田J1昇格プレーオフ2025
- 明治安田J2昇格プレーオフ2025
- J3・JFL入れ替え戦
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- 明治安田Jリーグ百年構想リーグ
- 2025 月間表彰
- 2025 移籍情報
- 2025 大会概要
- J.LEAGUE FANTASY CARD
- 2025 Jリーグインターナショナルユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE













