山陰地方にある鳥取と、山陽地方にある岡山の対戦として、鳥取がJ2に昇格した2011年から始まった「陰陽(いんよう)ダービー」。南北に県境を接する両県のクラブの激突は、陰陽ダービーと名付けられてからは今回が5回目。過去の戦績は岡山の3勝1分で、鳥取は初勝利を目指してホームで迎え撃つことになる。
鳥取は今季、開幕3試合を2勝1分という好スタートを切って注目を集めたが、その後は失速し、4節以降は10試合未勝利。この間、千葉(4節・△1―1)やG大阪(11節・△1―1)とアウェイで引き分けるなど、力関係を考えれば悪くない結果も残してはいるものの、久しく勝利がないために、開幕当初の勢いを取り戻すまでには至っていない。
それでも富山とアウェイで対戦した前節は、0―1で迎えた試合終了直前の同点ゴールで追い付き、引き分けに持ち込んで前々節に続く連敗を免れた。「アウェイで勝点を取って帰ってきたことをプラスに捉えて、連敗しなかったことをホームゲームにつなげたい」とGK杉本拓也が語った通り、まだ中位から上を目指せる位置につけていることもあり、このまま下位に定着するのを避けるためにも、今回の陰陽ダービーは今まで以上に負けられない、重要な一戦と言える。
一方の岡山は、12節で栃木にアウェイで敗れて今季初黒星を喫したものの、続く前節はホームで山形を下し、影響を感じさせなかった。その前節では、チーム得点王の荒田智之に代わって先発した押谷祐樹が、今季初ゴールとなる先制点を決めるなど、ポジション争いの活性化という好材料も得ている。ほかにも田所諒が2得点1アシストを記録するなど、活躍してほしい選手が期待に応えて着実に勝点を伸ばしていく構図は、J1昇格を狙うシーズンの序盤としては申し分のないものだ。
勝敗を占うポイントの一つは、この岡山の攻撃を、鳥取がいかに封じるかだろう。鳥取の今季の2勝はいずれも逆転勝ちだが、その後に未勝利が続いている現状を考えれば、先制されると苦しい状況に追い込まれるのは間違いない。岡山は、4分に先制点を奪った前節のような展開に持ち込むのが理想的で、試合への入り方が悪いことが多い鳥取としては、前半の立ち上がりは注意深く試合を進める必要がある。
一方で岡山は、ここ数試合の失点の多さが気になるところ。0―3から残り6分間で3得点を挙げて引き分けた11節の神戸戦、4―3で競り勝った前節の山形戦とも、攻撃陣の爆発で覆い隠されたものの、点の取り合いは本来目指している形ではない。逆に、チーム最多タイの3得点を挙げている久保裕一が徹底マークを受けることが予想される鳥取は、周囲のサポートや連係を交えつつゴールに迫る回数を増やせれば、守備負担の軽減にもつながる。
また、5月10日夜の時点で、試合当日の天候は晴れ、最高気温が27度と予想されている。13時キックオフのデーゲームで、かなりの暑さになることが考えられるだけに、ミスなどによるスタミナの浪費は、どちらにとっても致命傷となりかねない。先発する選手がどれだけ運動量を維持できるかに加え、交代で入る選手の働きも試合の流れを左右すると考えられる。
鳥取は小村徳男監督が「今はどんな形でも結果が欲しい」と語った通り、下位脱出に向けて、とにかく勝点3が求められる状況だが、ここで敗れれば勢いが衰えかねない岡山も譲るわけにはいかない。アウェイ側ゴール裏チケットがすでに完売するなど、岡山からも多くのファン・サポーターが詰めかけることが予想される一戦は、5位の岡山、19位の鳥取という順位を感じさせない、ダービーマッチにふさわしい熱を帯びた90分間となりそうだ。
以上
2013.05.11 Reported by 石倉利英
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