借りは返した。11節の雪辱を徳島はホームでしっかり果たしたと言えよう。しかもスコアは、動き方までその時と全く真逆の4-1─。大敗の悔しさは大勝で返す。まさにそのような徳島の爆発ぶりだったと言っていいのではないだろうか。
ただ、前記した通りスコアの動き方が11節の真逆であったということは、徳島が先手を取られてしまったということだ。開始早々の6分、今節スクランブル的にセンターバックへ入った青山隼が群馬MF・小林竜樹に背後を取られてしまい、いきなりゴールを許してしまったのである。決して集中が浅かったわけではないはずだが、それでもその小林へ通されたスルーパスも含め、チームは立ち上がりにややピリッとしないところを見せてしまったと言わざるを得ないだろう。
しかしながら徳島は、食らったその先制パンチで逆に目を覚ましたように、その後一気にゲームの主導権を握って攻勢を強めていく。高い位置取りをする群馬の最終ラインの裏を突くような形から、8分、9分と続けて決定機を作り出せば、22分、25分にもビッグチャンスを掴み、一歩一歩得点に近付いている雰囲気を漂わせた。
そしてついに39分、徳島は試合を振り出しに戻す。前へ早いスムーズなボールの繋ぎで左サイドのアレックスへ展開し、そのアレックスがペナルティエリア内へ短いスルーパスを送ると、そこへ走り込んだ大崎淳矢が倒されPK獲得。それを津田知宏がエースらしくきっちり決めて同点に追い付いたのである。
さらに折り返した後半も徳島の攻めは止まらない。54分、スピードある左サイドの仕掛けから得たFKで柴崎晃誠が逆転となる2点目を奪えば、83分には途中投入されたドウグラスが自らもらったPKを冷静に沈め3点目を挙げた。そうしてこの勝負を決定付ける4点目は再びドウグラス。3点目から僅か2分後、好調を維持するこのブラジル人ストライカーが、藤原広太朗、宮崎光平と繋いだボールをバイタルエリアで受けて素早く右足を振り抜き、またもネットを揺らしてみせた。
このようなゴールラッシュによって勝利を飾ったことを思えば、もちろん攻撃の爆発がそれを引き寄せたのは間違いないであろう。とは言え同時に、この勝点3が粘り強い守備による成果でもあったことを見逃さず付け加えておきたい。全体が少し下がり気味になって群馬の反撃を受けた60分過ぎには、青山がゴールラインぎりぎりのところでボールをかき出す殊勲のクリアを見せたし、70分過ぎに訪れた危険な場面では宮崎が体を張ったシュートブロック。小林伸二監督も「2-1になった後に左サイドから右へ振られた時にうちのマークがいないシーンがありました。あの辺の厳しいところをみんなで辛抱して跳ね返したというのがその後の追加点に繋がったのではないでしょうか」と試合後会見で振り返っていたが、その言葉通り全員の粘りと集中をもった守りがこの勝利を手繰り寄せたもうひとつの大きな要因であったことに疑いの余地はないはずだ。
さてこれで徳島は今季初の4連勝。加えて、チームにとっては今季初めての逆転勝ちとなった。組織として遂げている進化はもう本物と評価していいだろう。それだけに次節の千葉との決戦が今から楽しみだ。徳島にとっては今季の命運が懸かる戦いと言っても過言でないだけに、選手たちにはそこでもぜひ爆発と粘りと集中を披露してもらいたいものである。
最後にはなってしまったが敗れた群馬について述べると、ゲームの入りは理想的なものであったと言える。縦パスの意識を高く感じさせ、それを結実させて先制点も奪った。にもかかわらず、チームは勢いを強めることが出来なかった。その原因はおそらく組織としての意識共有を図り切れていないというところだろう。実際、青木孝太も「その後(先制後)、前にプレッシャーをかけに行くのか、それともロングボールに対応するためにラインを少し下げるのかが曖昧だったと思います」とコメントし、自らの戦いを悔いていた。
が、連続無得点の状況を今節でまず脱したことは事実だ。それをプラスに捉えてチームの改善に全力を尽くし、次節こそ何としてもトンネル脱出を果たさなくては。
以上
2013.07.21 Reported by 松下英樹













