【J2日記】福岡:アウェイに行こう〜長崎編(前編)はこちら
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長崎県立総合運動公園陸上競技場へのアクセスの起点は諫早駅。試合当日は一般駐車場が解放されていないため、ここからはタクシー(1000円程度)、シャトルバス(往復400円)を利用してスタジアムへと移動する。天気が良ければ駅からのんびりと歩く手もある。私が選んだのは、徒歩でスタジアムに行くコース。20分程歩いて、じんわりと汗をかいてきた頃に、長崎県立総合運動公園陸上競技場が見えてくる。2層式のスタンドを持つスタジアムは見事な佇まい。独特な威圧感さえも漂わす。
スタジアム周りにはズラリと屋台が並ぶ。カレー、焼き鳥、から揚げ、たこ焼きなどの定番メニューから、長崎らしさを感じさせるものまで、実に様々。どれもこれもおいしそうで、ついつい財布の紐が緩む。必ず味わいたいのは噂の「ハトシ」。食パンの間にエビなどのすり身を挟んで揚げたもので、揚げたパンの香ばしさと、その中から現れるエビの身が絶妙にマッチしている。そして「浦上そぼろ焼きうどん」。浦上そぼろとは、ひき肉のそぼろではなく、豚肉とゴボウ・モヤシ等の野菜を炒めたもののこと。きんぴらごぼうのような甘辛い味付けの浦上そぼろと、パスタのような食感の五島うどんが織りなす味は、我々が知っている焼きうどんとは違った味わいが楽しめる。ホルモン好きには、「諫早ホルモン」がお勧めだ。煮込みは濃厚な味わい。串焼きは塩味のあっさりした風味。パリパリ麺の上にホルモンの煮込みをかけた諫早ホル麺も捨てがたい。
スタジアム周りをひと通り楽しんだら、いよいよ試合。長崎サポーターも、福岡サポーターも特別な気持ちでこの試合を迎える。長崎は2004年のクラブ創設以来、福岡から多くの選手を受け入れ、Jリーグを目指してきた。様々な障害にぶつかり、そのひとつひとつを乗り越えてJリーグに辿り着くまでの歴史をともに歩いたのが長崎サポーターなら、福岡サポーターは、かつて福岡のエンブレムを付けて戦った男たちが、再びJリーグの舞台を目指して一から戦う姿を見守り続けてきたからだ。
そして、福岡と長崎の戦いを語る時に、絶対に欠かせない選手がいる。その名は有光亮太。昨年11月、Jリーグ参入が承認されたことを受けての記者会見で彼は次のように語ったが、有光が長崎にとってどんな選手であるのかを理解するには、その言葉を聞くだけで十分だ。
「自分が長崎にいる限り、自分は長崎人だと思っているし、みんなに支えてもらっているというのも実感している。これまでを振り返ると、途中からはもう意地だったし、Jリーグに上がるまでに長崎から去るというのは自分にとっては敗北に近かった。これでやっと胸を張れる」
また、高校を卒業後、単身イタリアに渡り、帰国後はサッカーから離れていた有光が、再びアビスパでサッカーを始め、ポジションを勝ち取り、2004年の昇格絶望的と言われた状況からチームをJ1・J2入れ替え戦出場に導く活躍を見せるまでの過程を見て来た福岡サポーターにとっては、彼はアビスパ史上に残る特別な選手の1人。長崎が制作した試合の告知ポスターには、有光の写真とともに「この日が来るのを待っていた」というキャッチコピーが書かれていたが、有光はもちろん、長崎サポーターも、福岡サポーターも、長崎の選手として福岡と戦う彼の姿を見たいという気持ちは強かったはずだ。
獲物を捉えるような鋭い視線は強い意志を表す。言い訳をせず、弱気な言葉をはかず、どんな状況に置かれても決して逃げず、そして自分の力で道を切り開く。ちょい悪に見える風貌と(失礼)、ぶっきらぼうなもの言いは、ふてぶてしさを感じさせるが、実は心優しく、仲間とチームを愛し、チームのために戦い、そしていつも真摯にサッカーと向かい合う。そんな彼を知る両チームのサポーターが、彼に特別な想いを寄せるのは当然のことだ。残念ながら、この日は試合に有光は出場しなかったが、試合前に、福岡サポーターのチャントに応えてアウェイ側ゴール裏へ挨拶に来てくれたシーンは感慨深いものだった。
さて、試合はスコアレスドロー。決着は次の戦いへと持ち越した。次の戦いの舞台は、8月18日(日)のレベルファイブスタジアム(18:00キックオフ)。それこそ、長崎の選手として戦う有光にとっては最高の舞台。そして、迎え撃つ福岡サポーターにとっても、乗り込んで来る長崎サポーターにとっても最高のシチュエーション。そこでの試合が最高の試合になることを今から期待している。
以上
2013.07.22 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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噂の「ハトシ」。揚げたパンの香ばしさと、挟まれたエビの味が絶妙のマッチする
「浦上そぼろ焼きうどん」は長崎「五島うどん」のパスタのような食感がいい
「諫早ホルモンの串焼き」。あっさりした塩味が美味
こちらは「諫早ホルモンの煮込み」。じっくり煮込んだ濃厚な味が決め手だ
厳かなたたずまいと、独特な威圧感を放つ長崎県立総合運動公園陸上競技場
選手の登場を待つアウェイ側ゴール裏。特別な想いで試合を迎える
さあ、戦いが始まる。胸にある想いはひとつ。チームとともに戦い、チームとともに勝利を得る













