前回の対戦からそう離れてはいない。湘南がユアスタに臨んだのは中断明けの7月、リーグ再開初戦のことだった。仙台、湘南ともにチャンスをつくり、ともに守り抜いた。この日のスコアレスドローは、湘南にとってはリーグ戦今季初となる無失点ゲームでもあった。
仙台はその後、中断期間を経て後半戦3連勝と波に乗った。だがここ3試合は1敗2分と勝ち切れていない。シュート、クロスともに数字はリーグでも指折りながら、ゴールに結びついていないのが悩ましいところか。優勝争いを演じた昨季と失点数はさして変わらないものの中位に甘んじているのは、得点に起因しているのだろう。反面、ベースとなる粘り強い守備は体現されており、C大阪をホームに迎えた前節も、失点の少なさで1、2を争う堅守同士、息詰まる攻防を演じた。結果こそ1−1のドローに終わったものの、ゴールを決めた梁勇基然りアシストしたウイルソン然り、怪我で離脱していた選手の復帰と活躍は今後を踏まえたうえでも心強い。
一方、湘南は前節、日立台に臨んだ。先制されながらも前半のうちに追いつき、1−1で折り返したまではよかったが、後半立て続けに失点し、2−5で敗れた。5失点は今季初、また16分間で4失点と、これほど立て続けにゴールを奪われたのも初めてのことだった。
クロスを機に繰り返し得点を与えた事実とは向き合わねばなるまい。ただもうすこしひも解くと、ピンチの多くは自分たちがチャンスをつくった直後の相手のカウンターと隣合わせだった。この現象について、曹貴裁監督が指摘したのは選手たちの心情である。
「早く点を取ってリードしたいという気持ちが強く、前がかりになりすぎている。行くこと自体は悪くないが、状況判断をしっかりして、落とし穴を自分たちで埋めないと」
湘南の現在地を思えば、勝ちに急いでしまうのは無理からぬことだろう。しかし、「慌てるのは本来の自分たちではないということ」と曹監督が語ったように、本来が発揮されなければ最大値も求められない。リズムに乗って攻めているときほど背後の落とし穴を気に留めておかなければならない。前半戦には露見し得なかったこの課題は、試合を重ねるごとに高められているボールポゼッションとボールを速く動かせていることの裏返しでもある。また柏戦では5試合ぶりに複数得点も挙げた。難しい所作ではあるが、リスクマネジメントを徹底し、且つ攻撃的な特長を十全に発揮したい。とくに今節は両サイドからのクロスを武器とする仙台との対戦だけに、中2日という短い時間のなかでも前節からの修正が求められる。「柏戦はやるべきタスクをそれぞれが疎かにしたことで立て続けに失点した。気持ちを切り替えるというより、自分たちがやってきたことをあらためて見つめ直すことが大事」と指揮官は語る。
「来季もJ1でプレーしよう」そう気持ちをひとつに戦う湘南にとって、仙台の着実な足跡は目標となる。ともにJ1昇格を果たしてリーグ戦に臨んだ2010年、仙台は14位でJ1に踏みとどまり、4位にジャンプアップした翌年を経て、昨季は優勝争いを演じACLの出場権も手にした。そんな彼らを目標に、J1での成長を期するには勝点が欠かせない。「GET3」、目の前の勝点3を掴むことが湘南のこの先へと繋がっていく。
以上
2013.08.30 Reported by 隈元大吾
J’s GOALニュース
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