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横浜FMが最高のシチュエーションで、ホーム最終戦を迎える。今節勝てば文句なしの優勝。引き分けた場合でも、2位・浦和と3位・広島がそろって引き分け以下の結果なら、9年ぶりの戴冠が決まる。前売り券販売はすでに5万枚を超え、当日は6万人の来場者がある見込み。舞台は整った。あとは演者であるトリコロールの戦士たちが、ファン・サポーターの至極強烈な後押しを受け、「とりあえずどんな形でもいから勝つ」(榎本哲也)だけだ。
◆横浜FM 優勝が決まるケース
ただし、対戦相手が難敵・新潟であることを忘れてはいけない。今シーズンのリーグ戦、開幕から6連勝と突っ走った横浜FMを1−0で破り、最初にストップしたのが新潟だった。その再現を期待して現在、新潟のホームページのトップには『止めよう、再び』というキャッチコピーが踊る。新潟の選手もそれを意識。3連勝を飾った前節・仙台戦(1−0)後のミックスゾーンで東口順昭は、「次も絶対に勝って、F・マリノスに優勝を決めさせないようにしたい」と早くも次節を見据えていた。ちなみにリーグ戦での両雄の通算対戦成績は8勝3分8敗。全くの互角である。
前回の対戦を振り返ると、ホーム初勝利を渇望していた新潟の勢い、躍動感の前に、横浜FMが沈黙した記憶が残っている。特に印象深かったのが、新潟の前線からの凄まじいプレス。
「相手がハードワークをしてきて、僕たちがやろうとしていたことを逆にやられた。それぐらい相手は必死になって戦ってきた。非常に難しいゲームだったとは思います」と中澤佑二も脱帽するほどだった。選手でインパクトを放ったのは、現在21ゴールで得点ランク2位の川又堅碁。35分から途中出場すると、中澤、栗原勇蔵という歴戦の強者に対して臆することなく、ガツガツと猛チャージ。攻撃では高い身体能力を生かしたボールキープで、2列目の攻撃参加を誘発。78分の決勝点も彼のボール奪取が起点になり、スルーパスを通して岡本英也のゴールをアシストした。「思ったよりもパワーがあった」と栗原を唸らせただけに、その後の活躍もうなずける。横浜FMにとって、今回の最警戒プレーヤーであるに違いない。
横浜FMのキーワードは「平常心」になるだろう。前回04年の優勝経験者ドゥトラは、「タイトルがかかった試合では慌てないことが重要。絶対に勝たなければいけない試合だということはわかっていながらも、落ち着いたゲーム運びをしなければいけない」と静かに語る。確かに9年前、浦和と争ったサントリーチャンピオンシップの大舞台でも、見栄え良いサッカーをしようなどと考えず、普段どおりのカウンターサッカーを貫いた。そして第2戦、敵地で敗れて1勝1敗になり、PK戦に突入しても動揺せずに制し、リーグ戦2連覇を樹立したのである。
その精神を受け継ぐ榎本は、「今まで以上のパフォーマンスを出そうと思うと逆に出ない。“普通に戦う”だけ」と平然と言った。プレッシャーがかかる大一番で、それは容易ではないはず。しかし実践できた時、トリコロールに染まった日産スタジアムが歓喜で震えるに違いない。
以上
2013.11.29 Reported by 小林智明(インサイド)















