[ 2006 ゆく年くる年：コンサドーレ札幌 ]
【2006 Memorial Scene】
柳下監督、天皇杯上位進出を置き土産に退任。
３年間チームを指揮してきた柳下監督が契約満了に伴い退任する。ラストゲームとなった天皇杯準決勝終了後にはスタンドのサポーターから「ヤンツー（柳下監督の愛称）　サッポロ！」の大コールが。J1昇格は達成できなかったが、攻撃的サッカーを貫いた姿勢はサポーターの心を掴んだ。J1勢を立て続けに撃破する快進撃を見せた天皇杯での４強入りを置き土産に、札幌を去る。

【コンサドーレ札幌 Playback 2006】
J1昇格を目標に掲げながらも最終順位は６位。リーグ戦は不本意な成績となってしまった。調子をつかみかけては手放す、その繰り返しだった。しかし、04年に若手育成路線へ転換してから３シーズン目となった今季、チーム力は着実に高まっていた。決定力を欠いたため勝点は稼げなかったが、中盤でしっかりとパスが回るようになり、サッカーの質は高まっている。目先の結果に執着せず、長期的視野でチーム作りを行ってきた成果は十分に実となった。天皇杯ではJ1勢を立て続けに撃破してベスト４に進出。これまで積み上げてきたものは決して間違いではなかったことを証明した。
就任から３シーズン指揮をとってきた柳下監督は今季で退任する。J1昇格こそ達成できなかったが、若手を積極起用し、チームに攻撃的なサッカースタイルを植えつけた手腕は十分に評価できる。04年から作り上げてきたスタイルを継承し、試合内容でサポーターを楽しませるような、そんな戦いを来季に期待したい。

Text by 斉藤宏則

2006年12月31日（日）