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[ 2006 ゆく年くる年:横浜F・マリノス ]
【2006 Memorial Scene】水沼監督のチーム再生
8月24日、岡田前監督の辞任を受けてコーチから昇格。OBとして低迷するチームを蘇らせたいと、時には選手個々と向き合い、気持ちを前面に出して率いた。その成果がついに現れたのが最終節、そして天皇杯の健闘だった。
中でも印象的だった試合は、最終節をいい形で勝った直後の天皇杯5回戦・大分戦。2週間前のリーグ戦(第33節)で大分に敗れていたが、この日は最後まで勝利への意欲が失われなかった。PK戦はGK榎本哲がスーパーセーブ。勝利の瞬間、彼の元に全員が駆け寄った歓喜の抱擁は感動的だった。
【横浜F・マリノス Playback 2006】
天皇杯はベスト8と健闘、ようやく一体感を取り戻した横浜FMだが、今シーズンはチーム、サポーターともに辛く長い1年だった。昨季は無冠、AFCチャンピオンズリーグも敗退と、悔しさを晴らすべく臨んだ4年目の岡田体制。開幕4連勝も、5節で浦和に完敗(1-3)するとズルズル上位から後退。セットプレー・終了間際の失点、決定力不足…。そしてマルケス、マグロン、ドゥトラが相次いでリタイア。ケガ人の続出もチームの躍動感を奪う。
それでも、若い力の台頭が苦しいチームに活力を吹き込む。2年目・狩野健太、新人ハーフナー・マイク。夏場には、山瀬功治、坂田大輔も長期の負傷から復帰した。
8月には岡田監督の辞任を受け、後任に水沼貴史コーチが昇格。誰よりトリコロールを愛するOBとして「とにかくF・マリノスを蘇らせたい」。その信念を大きな炎と燃え上がらせるには時間も必要だ。11月から挑んだ4バックは、アグレッシブに変わるための方策に過ぎない。リーグ戦最終節・千葉戦で見せた連動性、全員で戦う姿勢。この感触を忘れず、再生に挑んでいく来季は大いに期待していいだろう。
以上
Text by 近藤泰秀(インサイド)2006年12月31日(日)













