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[ 2006 ゆく年くる年:横浜FC ]
【2006 Memorial Scene】
何と言っても J2優勝、そしてJ1昇格!…そして、城彰二選手の引退と、チーム創設以来一番と言ってよいほど、周囲からの注目が集まった1年だった。開幕戦での衝撃の監督解任から9ヶ月。チームはそれまでの力をベースに、長かったリーグを最後まで戦い抜き、全員でJ1への切符を手にした。

【横浜FC Playback 2006】
「皆さん、J2優勝そしてJ1昇格おめでとうございます!」
ファンクラブの会員向けに行われた毎年12月恒例の「イヤーエンドパーティー」での奥寺康彦ゼネラルマネージャーのこの一言がとても印象的だった。市民クラブとして立ち上がってから8年。紆余曲折を経て、下位での低迷も経験しながらようやくここまで辿り着くには、クラブ会員はなくてはならない存在だった。彼らがなければこのチームは存在しない。
選手もその想いは常に心に置き戦っていた。引退した城も「サポーターなしではこの優勝、昇格はなかった」と、ことあるごとに話していた。横浜FCにとって、クラブ会員、サポーターというものは、他のチームでのそれとはまたひと味もふた味も違う大きな意味を持っている。
開幕戦での衝撃の監督解任で、チームは高木琢也コーチ(当時)を監督に昇格させ今シーズンを戦うことを決めた。その衝撃は、選手たちにも危機感と責任感を強く与えることとなり、そこから15試合負けなしの記録をつくる。それまで勝利する試合をそれほど多く見ていない横浜FCの一部の担当記者たちからは「もう少し夢を見ていたい」という声が出るほどの、勢いのある戦いぶりだった。その中で、ある選手は「これも昨年、足達さんが作ってくれたベースがあるからこそ」と話してくれた。足達勇輔前監督の下で磨かれた選手たちが、今年さらにたくましく頼もしい活躍を見せ、それがチームにとって昇格・優勝の大きな原動力になっていたことは間違いない。
「今まで横浜FCに関わってくれた人、全員があってこそのこの優勝、そしてJ1昇格」(城)
そんな人たち全ての想いを乗せ、J1という大海原に船出する横浜FC。舞台が変わっても、「横浜FCらしさ」を貫いてほしい。

Text by 浅野有香

2006年12月31日(日)

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