キリンチャレンジカップ2004
7月30日（金）　16：30キックオフ/国立　
なでしこジャパン（日本女子代表） vs カナダ女子代表
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昨年アメリカで行われた女子ワールドカップ。日本はグループリーグ敗退となり悔し涙を流した。グループリーグ最終戦の3戦目、引き分け以上で日本は決勝トーナメント進出を決めるという状況であったものの3-1で破れ、翌日の早朝にアメリカから飛び立ち帰国することとなった。帰国前の空港で監督がポツリと「悔しいね」とつぶやいたことが思い出される。

2003年9月27日、「これが現在の力。こういう経験となって成長していく」と上田監督は悔しい思いを押し殺し試合後の会見に臨んだ。「アテネに向けて、女子サッカー全体の為にも…」と目を真っ赤にしながら話した選手たち。その忘れられない悔し涙を流した、その対戦相手が今回の壮行試合の相手でもあるカナダだった。

対戦相手のカナダは「仮想スウェーデン」とも考えられ、ロングボールを多用する縦への早い攻撃、DFに弱さがあるところ、フィジカルの強さなど、スウェーデンと似たところが多いチームというポイントから、初戦にむけてのシミュレーションが行われる。引き分けの場合にはPK戦も採用され、アテネ本番でプレッシャーの中でPK戦を戦うことになった場合のためにも、この試合では引き分けの場合にPK戦も行われることとなった。

日本代表の「なでしこジャパン」のメンバーはスウェーデン戦に万全を期すためにコンディション面を考えて、澤選手、山本選手、そして前日練習で右足首を痛めた矢野選手の欠場が予想される。GK山郷選手、DF川上選手、磯崎選手、下小鶴選手、山岸選手、MFに酒井選手、宮本選手、小林選手、トップ下に安藤選手、FWに荒川選手、大谷選手のツートップというスターティングメンバーとなりそうだ。

「トップからの守備で、いい守備をして、ボールをもらってからシンプルに攻めて点を取りたい。高さはそんなに気にならない。直接あたると負けると思うけど、いいところに入っていければ大丈夫なので、そこをついていきたい。まずはカナダ戦を勝って11日のスウェーデン戦にベストで臨めるようにチームとして戦いたいと思います」とFWの大谷選手は話す。

上田監督は「W杯で負けているから…その負けた相手に対し、自分たちがどれくらいやれるのか見たい。もしかしたら逆転しているのか。見たいと思っています。」と話した。悔しさと経験が見事に身を結び、アテネオリンピック進出を決めた女子日本代表。あの悔し涙を流した日からおよそ10ヶ月、磯崎選手は「あれから自分たちがどれだけ変わったか、楽しみです」と話した。アテネ行きを目前に自分たちがどれだけ成長したのか、確固たる自信に結び付けられる試合にしたい。

アテネオリンピック壮行試合となるこのカナダ戦。初戦のスウェーデン戦に勝てるという自信をつけてアテネへと旅立ちたい。アテネオリンピック壮行試合、カナダ戦は午後4時30分、あの北朝鮮を破った国立競技場でキックオフされる。彼女たちがアテネのピッチで目を閉じたとき、思い出せるほどの大きな声援を送りたい。

以上

2004.07.29 Reported by 日々野真理