このカード、過去5回の対戦で浦和が5連敗中と、FC東京との相性の悪さが際立っていたが、そういうデータが残るためか、浦和の立ち上がりは慎重だった。
この日の浦和の布陣は、エメルソン、田中達に山瀬が絡む攻撃陣と、守備に比重を置く守備陣とが完全に分断。できるだけ失点を抑えようとした慎重な立ち上がりを見せる。
ところが浦和に不運が訪れる。25分にゼリッチが接触プレーで痛み治療を受けるが、2分後にプレーの続行が難しいとトレーナーから「×」サイン。急遽室井が出場することになる。これにともない、阿部のマンマークについていたニキフォロフがセンターバックに移動し、室井がニキフォロフの役割を果たすことに。
この交代で、役割分担がまだしっかりと明確化されていない時間帯に試合は動く。交代直後の28分に加地が右サイドを駆け上がり、この対応にニキフォロフが引っ張られる。加地が粘って中央にクロスを入れると中央に走りこんだ戸田がフリーになっていた。
このボールを戸田が頭で合わせてFC東京がアウエイで先制する。
浦和はその後も固い守備でまずは失点を抑え、その一方でエメルソン、田中のスピードを最大限に生かしたカウンターで反撃を試みるがゴールを陥れるまでは行かなかった。
0-1とFC東京リードで折り返した後半は、浦和の攻撃的な姿勢が前面に出るものだった。前からチェックに行く積極性でFC東京にプレスを与え続け、ペースを握る。
浦和の同点ゴールは64分。ニキフォロフからのパスを受けたエメルソンが、そのままゴールへとトップスピードのドリブルで持ち込むと、GKとの1対1で鋭くニアサイドを抜くシュートを放つ。個人の持つ能力を最大限に生かしたすばらしいシュートだった。
相性の悪さを払拭すべく浦和は攻撃の手を緩めないが、土肥のファインセーブもあってゴールをFC東京ゴールを陥れることができない。
そうした試合展開の中、終了間際の86分に戸田がこの日2ゴール目となるゴールをねじ込む。時間的に見てこれを挽回するのは難しいかと思われたが、3分後の89分に浦和はセットプレーの折り返しを千島が押し込んで土壇場で同点に追いつく。
その千島は「プロに入って初ゴールでしたが、チームが勝てなかったので勝ちたかった。勝たないと次に進めないので、勝ちたいです。入ってるかとも思ったが、自分が触って押し込みました。後半に出てくる回数が増えていたけどアシストまでで得点が無かったのでよかったです」と試合後に述べている。
その一方で原監督は「セットプレーのところで新しい選手が入ってきて浦和は高さがあって心配していたけど、最後の最後にそれが出てしまった」と悔やむ失点でもあった。
いずれにしても準々決勝第一戦は引き分け。味の素スタジアムで開催される第二戦の勝敗がそのまま準決勝へのキップにつながるため、第二戦では勝ち上がりを目指した激しい戦いが期待できそうだ。
2003.8.14 Reported by 江藤高志
以上
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