2003Jユースカップ準決勝
長居第二陸上競技場
セレッソ大阪U-18(11:00KICKOFF)サンフレッチェ広島FCユース
サンフレッチェ広島ユース(以下、広島)は強い。昨年優勝のガンバも強かったが、攻守の安定感という点から上回るかもしれない。森山監督はチームに確固たる自信が宿ったのは夏のクラブユース選手権、そのガンバ大阪との試合だったと振り返る。そこからは「誰も止められない感じ」(森山監督)になっていった。あくまで「どれだけいい選手になってもらうかが大事」としながらも、「しかし、そんな中でも、『絶対勝つんだ』という強いモノを持たねばならない」として指導に当たっているという。その指導の成果は各所に垣間見ることができる。従来の広島、例えば森崎兄弟のいた頃の広島も非常に豊富なタレントを擁したチームであったが、「勝負」ということになると、今一つ何かが欠けていた。それが森山監督の言う「強いモノ」だったのだろう。今、選手達の多くはそれを体得しつつある。他方、去年の決勝は「やる前からビビってた」と言いつつ、今年は「自信がある」と断言する監督もいる。恐らく「強いモノ」を獲得したのは選手だけではない。
この広島に対して、自らのホームスタジアムで「迎撃戦」を展開することになったのがセレッソ大阪U−18(以下、セレッソ)だ。戦力面で広島に見劣りする点があるのは否めないが、「地の利」と「人の和」で対抗して「天の時」を待ちたい。その「地の利」と「人の和」という意味で一抹の不安があるのがトップの天皇杯における躍進で気もそぞろなサポーター。知り合いのセレッソサポーターには「ユース? いや、それどころじゃないんだよ」と一蹴されてしまった。しかし、せっかく自分たちのU−18チームが掴み取った初めての「四強」である。是非、来場してチームへ声援を送ってもらい、トップの前祝いとなれる勝利へ向けて、サポートをお願いしたいところだ。
具体的に試合について展望してみると、やはりJユース最強にして最悪(対戦相手にとって)を誇る広島の攻撃陣にセレッソの守備陣がどのくらい対抗できるかが鍵だろう。今年の広島ユースは同年代相手の公式戦では無得点試合が1試合『しか』ないという冗談のようなデータを残しており、このタフな攻めを耐え忍ぶのは容易なことではない。
セレッソはU−18代表候補のGK稲田、元U−17代表のCB小野原を中心に「人の和」を保ったゾーンディフェンスを敷いて、広島の誇り高きアタッカー陣に抵抗を示したい。広島の前田俊介、西山貴永という左右のアタッカーは前を向いたら必ず仕事をする選手。ここまで「得点の神様」に見放されているものの、CFの田村祐基も強烈な突進力とシュートを持った選手だ。二列目から飛び出してくる田(くわた)慎一朗も要注意。だからこそ、彼らへのパス供給源も断ちたい。特に気をつけたいのがWボランチの2人。夏の大会では前田俊介を欠いていたため、アタッカーとしてプレーしてMVPにも輝いた田坂祐介は、本来は攻撃的な選手。しかし、現在のシステムでは自らの特長を封印して「フォア・ザ・チーム」に徹する黒子的なパフォーマンスで着実な貢献をしている。しかし、自らの特長である攻撃面も「しまっている」だけなので、時折見せる攻め上がりは「時折」であるだけに余計に脅威だ。セレッソはWボランチのどちらか、あるいは二列目の選手が彼をキッチリと捕まえておきたい。
もう1人のボランチである前田和之は真性の黒子的なプレーヤー。正確に相手の攻撃の芽を摘み取り、的確に味方の「利き足」へと繰り出される精緻なパスこそ広島の攻撃の第一歩である。彼にも簡単にプレーさせる余裕を与えたくない。しかし、この6人を抑えても、まだ終わりではない。広島は両SBも強烈だ。右の森脇はFWからコンバートされてきただけに、超攻撃的。縦への突破だけでなく、中への突破からのシュートもある。左の高柳はU−18代表候補。森脇が超攻撃的なだけに、彼は堅実なプレーに終始するが、いざ攻撃参加してきた時は大きな脅威となる。セレッソはこれに怯むことなく、逆にSBが上がって来たスペースを山城や中山といったスピードのある選手が突いていきたいところ。広島にやや弱みがあるとすれば、最終ラインの高さを巡る攻防である。セレッソは得意の中央突破だけでなく、サイド攻撃にも得点機があるはず。そして、いざ「天の時」が巡ってきた時は逃さず手に入れたい。そうでなくては、広島相手に勝機はないだろう。
広島が得たという「強いモノ」。セレッソもこのトーナメントを四強まで昇ってきたこと、とりわけFC東京との試合での劇的勝利で「強いモノ」を得たのか否か。それが問われる戦いとなる。
2003.12.24 Reported by 川端暁彦
以上
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