「スピード、ボールがない時に相手の裏を巧く取れる、狭いスペースで前を向ける、良いパスを出せる、視野も広い」こう絶賛されるのは今シーズンからジュビロ磐田に加入した市立船橋高校出身のカレン・ロバート選手。
2月1日、ジュビロ磐田のキャンプ7日目。この日は、地元の鹿屋体育大学との練習試合。彼は他の誰よりも注目を集めた。卒業テスト明けで、前日キャンプに合流し、その彼が出るのか、出るとしたらスタメンなのかどうか、そしてどんなプレーを見せるのか…。ジュビロでの実戦デビューとなったこの日、ファン、マスコミ、関係者、だれもが「カレンロバート」の名前を口にした。そしてカメラは揃って彼を狙っていた。
サックスブルーのユニフォームに身を包みピッチに登場した背番号22。試合ではグラウ選手とツートップを組んだ。彼に多くのボールが集まり、シュートチャンスが生まれる。しかし、緊張からか、コンディションからか、なかなか決めることが出来なかったが、結果としては1ゴール1アシスト。会場を大いに沸かせていた。
この日代表からいったんチームに合流し、試合を観戦していた藤田選手は「よく考えたら、対戦相手の大学生は、彼にとってはお兄さんなんだよな、すごいことだね」とポツリともらし、福西選手は「早く決めな、マスコミみんな困るで」と冗談混じりに話しながら決まった瞬間「よかったな。これでマスコミの人たちは書ける。」と笑わせた。二人の先輩はカレン・ロバート選手のデビュー戦を暖かく見守った。
試合が終わり、ほっとした表情で取材陣の前に現れ、一斉にカメラや記者に囲まれたカレン・ロバート選手。「今日、最初は当然緊張しました。でも、とても楽しかったですね。自分の特徴であるスピードが出せたことはよかったけど、最初はうまくいかなかった。できたと思えるところと、まだ通用しないと思えるところとありました。これからがんばっていきます。でも、これでジュビロの一員になれたという実感はわいてきました。」
そして競争の激しいジュビロに加入したことについてはこう話した。「余裕のない状況のほうが自分にとって良いんです。ギリギリのところにいるほうが成長できるタイプなんです。余裕があると怠けちゃうと思うから。」
ジュビロで尊敬する選手、目指している選手について、すべてのFWの選手の名前と特徴を挙げ、「みなさんの良いところをお手本にしてそれを盗んでいきたい」と冷静な分析をしてみせた。
「今シーズンの自分の目標は、10試合で3ゴール」と少々遠慮気味の答え。そこで、「もうひとこえ!」と言うと「じゃぁ、5ゴールで」と笑顔で答え、周囲を笑わせた。結果、10試合で5ゴールということになった。会場を後にしバスに乗り込む際には、割れんばかりの歓声が聞こえてきた。
桑原監督は「まだまだコンディションは悪い。しかし、その中でしっかり結果は出した。」と評価し、堀井コーチは「グラウとのコンビネーションについては、前半は遠慮があって余り良くなかったが、後半になって良くなってきた。得点もしたが、チャンスを作ってパスも出せるようになってきた。でも、まだまだ。彼の実力はこんなもんじゃないからね、楽しみだ。」と目を細めた。
「大久保、平山、そして・・・代表には入ってないけどカレン・ロバート。彼もいい選手だね、とても期待しているよ」と川淵キャプテンは言う。
人気は十二分。注目と期待を一身に背負ってスタートしたプロ1年目。新人カレン・ロバート、サックスブルーの22番がJのピッチで走る日もそう遠くないはずだ。
2004.2.2 Reported by 日々野真理













