オリンピックイヤーを迎えたU-23日本代表。今年から今までこのチームにはいなかった存在、フィジカルコーチが就任した。昨シーズンまでジュビロ磐田の選手たちを支えてきた、菅野淳(かんのあつし)フィジカルコーチだ。ジュビロの選手たちが一年間戦えるコンディションを作り、試合で戦える体を作り上げチームを支えてきた人。山本監督ともジュビロ時代からの旧知の仲、チームにとっても山本監督にとっても心強い存在が加わったのだ。
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昨年の大晦日12月31日。ジュビロの選手たちが翌日の天皇杯決勝に向けて出発する日、菅野さんは「いつの間にこんなに増えたてたのかなぁ」と、たくさんの荷物を車に積んでクラブハウスを後にした。いくつものダンボールにつめられた荷物は、ジュビロでの生活で培ってきたノウハウと同じくらいのたくさんのものが詰まっていた。
帰り際、菅野さんはこう話した。「毎年年末は、チャンピオンシップに戦いのピークが持っていけるようにしてきたけど、今年はチャンピオンシップがなかった。その分、天皇杯のコンディションを最高潮に持ってくることができたんですよ。明日は優勝したいですね。選手のコンディションもお蔭様で随分良くて、期待していてくださいよ。」その言葉通りジュビロは天皇杯を制した。試合後には満面の笑みを浮かべた。
シーズン中、ジュビロの選手のコンディションを一番正確に教えてくれたのが菅野さんだった。「いつも私は監督と相談しながら、試合毎のコンディション、長期的に見た場合のピークをどこにもってくるのか、そしてそのためのトレーニングの要望もこちらから出します。サッカーで使わない筋肉をいくらつけてもダメで、プレーに必要な動き、筋肉を鍛えていくんですよ。」常に菅野さんからは綿密な計算の上での筋肉のつけ方、コンディションの整え方が語られた。「でも、まだまだ自分の力しだいではもっと良くなると思うんです、だから私がもっともっとしっかりがんばらないと。」と親しみやすい笑顔を見せていた。
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U−23日本代表のオリンピックイヤー初戦となったイラン戦。
ピッチで戦う選手と共に、代表初戦の菅野さんは一時も休むことなくベンチサイドで戦っていた。前半は、控えメンバーの13人を半分づつ、ベンチサイドで交互にアップさせた。ハーフタイムはピッチを大きく使ってのアップ。そして後半になると
一度にすべての控え選手をアップさせる。一度に全員とはいえ、時に個々に違う動きを指示する。いつ誰が呼ばれてもいい状況を準備ができている。
菅野さんの視線の先は常に変わる。ピッチの中、ベンチの動き、山本監督の表情、そして控え選手。状況を事細かに把握している。1−1のまま試合が終わろうとしていた終了間際にもなると、ピッチに激を飛ばす・・と、90分休む間なくその戦いは続いていた。
「いやぁ〜疲れましたよ。」と試合後、マスコミに囲まれる選手たちの後ろを通り過ぎ、ジャージ姿の菅野さんはほっと肩をなでおろし笑顔をみせた。自身、代表のフィジカルコーチとしての初戦を終え、ほっとした表情だ。
「やっぱり、クラブと代表は違うから、いろいろとね。」
山本監督は「勝てれば一番良かったけど、この時期のコンディションにしては良かったと思う。最終予選にむけていい準備ができています。」と試合後に話した。
11日のロシアとの親善試合、21日の韓国戦、そしていよいよ本番、中一日での3連戦が強いられる3月からのオリンピック最終予選。心配されるのは選手のコンディションだ。「彼ら?今はまだまだ80パーセントの状況なので、これからしっかりがんばっていきますよ。」と穏やかな表情で語る菅野さん。しかしそれは、あきらかに慣れ親しんだジュビロでの試合後の表情とは違って見えた。オリンピックに向けて、まだまだ緊張の糸は途切れることなく続く。今は、そのプロセスの段階に過ぎないのだ。
2004.2.9 Reported by 日々野真理
以上
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