昨シーズン、ナビスコカップを制し、悲願の初タイトルを獲得したレッズ。オフにも積極的な補強を敢行し、主役を演じるなど、初のリーグ制覇に向けて、着々と準備を進めている。
今季のレッズは、オフト監督の退任に伴い、ギド・ブッフバルト新監督(元浦和で元ドイツ代表DF)、ゲルト・エンゲルスヘッドコーチ(元京都監督)のふたりのドイツ人の下、新たなスタートを切る。
オフには、国内最高額となる移籍金で日本代表MF三都主アレサンドロを清水から、アテネ五輪出場をめざすU-23日本代表のリベロ・田中マルクス闘莉王を広島(昨季はレンタルで水戸でプレー)から、サイドもボランチも器用にこなすMF酒井友之を名古屋から獲得。また、ベテランの岡野雅行が神戸から復帰を果たすなど、大型補強を実施。昨年までは、レギュラーと控え選手の間に、大きな実力差が見られたが、選手層は確実に厚みを増している。
さらに、W杯アジア予選に臨む日本代表メンバーには坪井慶介、山田暢久、三都主、都築龍太(※1次予選初戦のオマーン戦の登録メンバーからは外れた)らが名を連ね、U-23日本代表にも田中達也、鈴木啓太、山瀬功治、闘莉王ら多くの選手を送り込み、そのレベルの高さを証明している。そして、今季も得点の量産が期待されるエメルソン、元ロシア代表DFニキフォロフは健在。選手の顔ぶれだけを見れば、リーグ制覇への準備は整ったと言える。
ブッフバルト新監督も就任会見で「常に優勝争いに加わることが目標。従来の3-5-2システムを踏襲するつもり。オフト前監督が作ったものをベースにチーム力を高め、攻撃的で速いサッカーをしたい」と抱負を語っている。
3月13日のJリーグ開幕戦では、昨年完全優勝を果たした横浜FMといきなり激突。リーグ初優勝に向け、好スタートを切りたいレッズとしては、この初戦をどう乗り切るかが今季のポイントとも言える。アテネ五輪アジア最終予選に臨むU-23組は、試合日程の関係でこの試合には出場できない。チームの中枢を担うU-23組の穴を、ブッフバルト新監督はどう補うのか? 新指揮官にとっては、早くも腕の見せ所である。
選手の駒は揃った。あとは、如何にしてチームとして、組織として力を発揮できるか。今年は代表戦が数多く組まれており、代表選手を多数抱えるレッズにとっては、大きな悩みにもなってくる。また、新加入選手がすぐに本来の力を発揮できるかも、未知数である。そういう意味では、2004年シーズン、リーグ初制覇を目論むレッズ浮き沈みカギは、ブッフバルト新監督が握っていると言っても過言ではない。かつてワールドカップを制した英雄も、監督として指揮をとるのは初めて。1年生監督の采配に否が応でも、注目が集まりそうだ。
【新戦力・注目のキープレーヤー】注目はふたりの“元ブラジル人”
今季オフ、大型補強を敢行したレッズは、ふたりの新人選手のほか、MF三都主アレサンドロ(清水)、DF田中マルクス闘莉王(広島、昨年はレンタルで水戸でプレー)、MF酒井友之(名古屋)、FW岡野雅行(神戸)、FW梅田直哉(広島)の5選手を完全移籍で獲得。補強ポイントに挙げていた左サイド、DF、ボランチ、FWとバランスのいい補強を行なった。
なかでも、注目はやはり三都主と闘莉王の“元ブラジル人”コンビだ。とくに、三都主は日本代表でも左サイドのポジションを手中に収めている実力者。1999年には清水(当時)の初のステージ優勝に貢献し、MVPも獲得。2001年にはブラジルから日本へ帰化。2002年W杯にも出場するなど、その実力に疑う余地はない。
移籍金は国内最高額の3億8000万(推定)という数字が示すとおり、彼への期待は大きい。入団会見では「ボクがもっとプレイヤーとして成長し、飛躍するためにはこのままの環境ではダメだと思い、移籍を決めた。レッズで日本一になることで代表や海外移籍の話も出てくる。今はレッズのことで頭がいっぱい」と力強く語ったように、そのモチベーションは高い。昨年まで、左サイドを務めていた平川もよくやっていたが、本来は右利きの選手。やはり、爆発力、スピードでは三都主が上である。三都主がうまく機能すれば、右サイドの山田の威力もさらに増すはず。三都主が得意とする縦へのドルブル突破が数多く見られれば、初のリーグ優勝はぐっとレッズに近づいてくるに違いない。
そして、闘莉王。J1での実績はそれほどないが、昨年プレーした水戸では42試合に出場し、10ゴールをマーク。昨年10月に帰化するや、すぐさまアテネ五輪出場をめざすU-23代表入り。すでに、リベロとしてレギュラーを奪取した感もある。まだまだ、プレーに荒削りの部分も見られるが、長身を活かした空中戦などはレッズの大きな武器になるはず。22歳と若く、伸びシロは多い。今後の経験次第では、日本を代表するリベロへと成長する可能性も秘めている。
三都主のスピード、縦への突破とともに、闘莉王の高さ、強さは新生レッズのオプションとして、掛かる期待は大きい。
【開幕時の布陣予想】ポジション争いは激化、チーム力は確実に上がっている
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ブッフバルト新監督は、オプションはあるにせよ、オフト前監督の築いた3-5-2を基本フォーメーションと考えているようだ。ポジション別に見てみると、正GKは都築。3バックには右から坪井、闘莉王、ニキフォロフと並び、中盤は右に山田、左に三都主。ボランチには鈴木と内舘(もしくは長谷部)が入り、トップ下には山瀬。2トップには昨シーズンもゴールを量産したエメルソンと田中の“快速2トップ”が予想される。日本代表、U-23代表候補がそれぞれ4人に、ブラジル人FWエメルソンと元ロシア代表DFニキフォロフで構成される布陣は実に豪華だ。
そして、U-23組を欠く、気になる横浜FMとの開幕戦では、闘莉王、鈴木、山瀬、田中の穴を、それぞれ室井、酒井、長谷部、永井が埋めるものと見られる。
このほか、昨シーズンは左サイドのレギュラーを務めていた平川、神戸から2年半ぶりの復帰を果たした“野人”岡野、広島から新加入した185cmの長身FW梅田らがバックアッパーとなる。三都主、闘莉王、酒井、岡野、梅田の加入で、ポジション争いは激化。レギュラーとバックアッパーの力の差も縮まり、チーム力は確実に上がっている。
2004.2.25 Reported by 栗原正夫
以上
浦和-浦和ユース 練習試合レポート
2004シーズン 開幕直前・クラブ別戦力分析レポート
















