3年連続最下位のチームを立て直した2002年シーズンの大木前監督の後を引き継いで、松永英機監督が甲府からのオファーを受けたのが昨シーズンのこと。
左右両サイドの石原、水越、アライールといった選手たちのダイナミックな動きと、それによってもたらされるサイド攻撃は、Jリーグでも屈指のエンターテイメント性を感じさせてくれるものだった。さらに中央にはシーズン途中から加入の小倉が待ち構えており、虎視眈々とゴールを狙っている。またセットプレーでは藤田からの精度の高いキックがチャンスを生み出した。このように甲府にはレベルの高い攻撃パターンがいくつも用意されており、攻撃面で楽しませてくれるチームに仕上がっていた。
充実した試合内容と、5位という成績が後押しして今年はホームゲームでの看板スポンサーも増えているとのこと。昨年の50枚強という数字も見事ではあるが、今年はそれをさらに上回る70枚強の契約がまとまったとのこと。おもしろい試合内容は保証できるが、さらにスタジアムに並べられるスポンサーの看板を見て、地域とチームとのプラスの意味での距離感を感じてほしい。
甲府に攻撃のバリエーションを与え、地域にも愛されるチームへの変貌を推し進めてきた松永監督は留任することとなった。継続的な強化の道を選ぶという意味で、甲府のこの判断は間違いではない。また、サポーターからの信頼も厚い松永監督には、リーグ戦終盤に留任を訴える横断幕も掲示されるほど。そのような状況下での契約延長ということで、松永体制は万全の環境でシーズンを迎えることになりそうだ。
ちなみに甲府にとって同一の監督が留任するのはJ2に参加後の6シーズン目にして始めてのこと。それだけにチーム戦術の熟成と昨年の5位という成績を超える結果が期待される。
【新戦力・注目のキープレーヤー】
昨シーズンの甲府の失点は46点で広島、新潟、水戸に次ぐ4位の成績を収めている。この安定した守備陣に名古屋から獲得の冨永選手が加わり、レギュラー争いは過熱している。特に今年は攻守にわたって活躍していたボランチの外池が移籍しており、中盤の守備力の低下は否めない。そのため、守備の補強は必須条件だった。それだけに冨永の獲得は大きい。
攻撃面で言うと、58得点で得失点差+12という数字はまずまずといえる。ただし、より上位を目指すためには物足りない成果だともいえる。そこで注目したいのがC大阪から移籍のバロンだ。ヘディングの強さと泥臭くゴールを狙うスタイルには定評があり昨年はリーグ戦終盤から天皇杯にかけて印象に残る活躍を見せていた。まだまだ得点能力と得点感覚に衰えはなさそうだ。また186cmという身長は、甲府の特徴であるサイド攻撃のターゲットとしては十分なものがあり、相乗効果としての得点力のアップが期待できる。もちろん、前線で体を張ってポストプレーをこなし、2列目以降からの選手の飛び出しを引き出すという効果もあるだろう。前線に確固たる柱として君臨すれば他チームにとっては脅威になるはずだ。
バロンのよさは攻撃力だけではない。長身ではあるが、献身的にチームのために動き回ることのできる選手であり、守備もこなせるという特徴がある。総合的に見ても能力は高く甲府にとっては大きな補強だといえるだろう。
ちなみにバロンは96年と98年にも甲府に所属しており、当時を知るファンの応援も期待できそうだ。
【開幕時の布陣予想】
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トップはバロンと小倉のコンビが有力。去年まで小倉のパートナーとしてトップ下のポジションを自在に動き、両足の高い精度のキックからチャンスを作っていた藤田をどうするのか難しいところ。右サイドハーフやボランチでの起用も試されているが、まだしっくりとはきていない。
甲府の攻撃の肝である左右両サイドハーフは、石原と水越が有力。ダブルボランチの一人は倉貫で確定。外池の抜けた穴を埋めるべく鈴木健、山本などが試されているが、まだ先行きは不透明だ。
最終ラインはさらに流動的。ケガといった事情もあるが、それぞれのポジションで複数の選手が試されており、ほぼ確定的と見ていいのはセンターバックの池端のみとなっている。ちなみに右サイドバックのアライールは、来日が遅れたこともあってコンディションが上がってきていないが、開幕までに帳尻はあわせてくることだろう。
GKは登録の4名のうち3名が何らかのケガを持っており、磐田から移籍の松下のみが100%の状態でプレーしている。ただ、市立船橋から入団した新人の佐藤のケガは軽い捻挫で復帰は近いとのことだ。
2004.2.25 Reported by 江藤高志
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