アテネ五輪アジア地区最終予選
グループB UAEラウンド
3月3日22:35KICKOFF(日本時間:al Jazziraスタジアム)
U23日本代表 4-0 U23レバノン代表
4チームの中で実力的に一番劣り、しかも主力3人を出場停止で欠くレバノン相手に、田中達也(浦和)、鈴木啓太(浦和)、高松大樹(大分)、石川直宏(F東京)が立て続けにゴール。4-0で大勝した日本。しかし日本と引き分けたバーレーンにUAEが勝利し、勝ち点を6に伸ばしたことで、日本はもう絶対に負けられない苦境に追い込まれた。
アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、アテネ五輪アジア最終予選・アウェーラウンドを戦っているU-23日本代表。3日は夕方17時30分から、アルジャジーラスタジアムでU-23レバノン代表との第2戦に挑んだ。開始直後は相手の粘り強い守備と決定力不足に苦しんだ日本だが、前半のうちに田中達也が待望の先制点をゲット。その後、3点を加えて勝利し、勝ち点を4にした。
アブダビはこの日も快晴。キックオフ時の気温は23度だったが、湿度が若干高く、選手たちにはややプレーしづらいコンディションになった。それでも日本にとって、このレバノン戦は絶対に負けられないゲーム。日本から駆けつけたサポーターから「今日が勝負だ!」と書かれた横断幕も掲げられた。
山本昌邦監督は、初戦でバーレーンを攻め切れなかった反省を踏まえ、サイドで起点になれる石川の先発を決意。GK林卓人(広島)、DF田中マルクス闘莉王(浦和=中)、徳永悠平(早稲田大)、那須大亮(横浜=左)、ボランチ・鈴木、今野泰幸(F東京)、右サイド・石川、左サイド・森崎浩司(広島)、トップ下・松井大輔(京都)、FW田中達也、平山相太(国見高)をスタメン起用した。
対するレバノンは3-5-2。最終ラインは日本の2トップをマンマークしてくる形だ。しかし初戦のUAE戦で食らったエース・アトウィに加え、レフリーに抗議しFIFAの懲罰委員会にかけられたDFケナーン、ハシェムも出場停止。主力を3人欠いた状態で大事な試合を戦わなければならなくなった。
大きな追い風を受けた日本。ところが序盤はバーレーン戦同様に重苦しい展開を強いられる。開始1分のアクシデントがその発端だったのかもしれない。闘莉王が相手と接触し、左肩を痛めたのだ。本人は「外れた(脱臼した)かもしれない」と焦ったという。幸いにしてプレー続行OKとなったが、「守備の要」の負傷に、チーム全体が冷や汗をかいた。
重い空気を払拭しようとしたのが、久しぶりに先発した石川。彼は持ち前のスピードと思い切りのよさで積極的に勝負に行った。このハツラツとしてプレーにチーム全体が呼応。14分には、相手DFのミスパスを拾った平山の鋭いシュートを皮切りに、田中、鈴木が2度3度とシュートする決定機を迎えた。が、これはGKのファインセーブに遭い、日本は最初のゴールチャンスをモノにできなかった。
続く18分、2度目のチャンスが訪れる。今野の右サイドへの展開に追いついた石川が絶妙のクロスを上げた。これを平山がヘッド。「今度こそゴールか」と、日本人サポーターは色めき立ったが、残念ながらボールはクロスバーを叩く。この大会に入ってから平山は、ツキに見放されているようだ。
2度のチャンスを外し、不穏な空気も漂いかけた。パス回しが遅れてリズムが悪くなり、相手に攻め込まれる場面もあった。それでも、この日の選手たちはあくまで冷静に、自分たちのサッカーを貫こうとしていた。
そして29分、ついに待望の瞬間が訪れる。徳永のクロスを受けた平山が高い打点のヘッドでボールを落とした。ここに走り込んだのが田中。彼は首をいっぱいに伸ばし、頭でボールにかすってゴールを奪った。その瞬間、山本監督もガッツポーズ。抱き合う選手たちから安堵の笑顔がこぼれた。
4分後には、平山→田中達也とつながり、その折り返しを中央に詰めていた鈴木がゴール。2002年秋のアジア大会(釜山)タイ戦以来の五輪代表での得点を挙げたキャプテンは、心から嬉しそうな表情を見せた。
何とか2点を奪って前半終了。ここで山本監督は、次のUAE戦に備えて平山を休ませるため、高松を投入した。UAEにプレッシャーをかけるためにも大量点がほしいところ。日本は後半に入っても攻撃の手を緩めなかった。石川や田中のドリブルシュート、松井のスルーパスなど積極的にゴールに向かう姿勢が随所に見られた。だが、レバノンの自陣に引いたガチガチの守備に遭って、思うように得点が挙げられない。指揮官も選手たちも苛立ちを募らせた。
後半28分、日本はこの嫌なムードをついに打ち破る。田中達也の見事な浮き球のスルーパスに反応した高松が左足でシュートし、3点目が入ったのだ。後半ロスタイムには石川が豪快なミドルシュートをゴールに叩き込んで4点目をゲット。ついに勝負は終わった。
待ち望んだ勝利にスタンドから拍手が沸き起こった。那須が林とハイタッチを交わし、左肩の痛みに耐えて90分プレーした闘莉王も笑顔でスタンドに手を振る。彼らは勝利を素直に喜んだ。
とはいえ、パス回しの遅さ、状況判断の遅さ、ゴール前での単調すぎる攻めなど、攻撃面の問題は山積している。昨年末の天皇杯3回戦で横浜F・マリノス相手に会心のゲームをしながら高校選手権で敗れてしまった市立船橋高のように、山本ジャパンもベストマッチだった韓国戦(2月21日)以降、コンディションを上げられずにいる。懸念材料は少なくない。
しかし喜びも束の間、第2試合でUAEが日本と引き分けたバーレーンを3-0で破ってしまった。2試合が終わった時点で、UAEは勝ち点6・得失点差+5。日本は勝ち点4で得失点差+4。つまり、次の試合を落とすようなことがあれば、日本はUAEに勝ち点5の差をつけられ、自力通過の可能性が消えてしまう。負けは絶対に許されないのだ。仮に引き分けたとしても、勝ち点2をリードされたままUAEラウンドを終えることになる。それはそれで大変な状況だ。最悪のシナリオを避けるためにも、5日のUAE戦は何としても勝たなければならないのだ。
2004.3.4 Reported by 元川悦子
以上
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