6月19日(土)J1 1st 第14節
F東京 3 - 2 名古屋 (19:03/味スタ) 入場者数 25,167人
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「こんな経験、はじめてかも。興奮しています」と今野選手が話した。劇的な大逆転で1stステージ・ホーム最終節を勝利で飾ったF東京。
F東京は出場停止の浅利選手に代わり三浦選手がスタメンに、そして宮沢選手が(5月5日第8節以来)ベンチ入り。一方の名古屋、岡山選手が今シーズン初のスタメンに入る。F東京のワントップとサイド攻撃への対応も考え4バックで臨んだ。名古屋は勝てばチーム通算200勝、一方のF東京はあと2点でJ1通算200ゴール目が誕生するという、お互い「200」という数字を目指す試合ともなった。
前半、F東京の持ち味でもあるサイド攻撃は名古屋DFに完全に封じ込まれ、両サイドが機能しなかった。更に攻撃の起点であるトップ下の馬場選手には、ボランチの山口選手(名古屋)が徹底的なマークにつき苦しめる。前半途中、原監督はルーカス選手と馬場選手の位置を入れ替えるという対応をとった。しかし、すべては秋田選手を中心とした名古屋のDFに冷静に対処され、その守備を破ることはできない。
一方の名古屋はウェズレイ選手、マルケス選手にボールが入ると、岡山選手、中村選手が一気にスピードをあげて前に入る。しかしF東京も茂庭選手、ジャーン選手を中心としたDFが体を張ってそれを阻む。茂庭選手は「ウェズレイは体が強すぎ。体も堅いし、当たるたびに痛くて痛くて。今も体中が痛い」と試合後に悲鳴を上げたほど激しくぶつかり合った。
先制したのは圧倒的に試合を支配していた名古屋。前半42分、中村選手のクロスに、岡山選手が滑り込んで左足でゴールに押し込む。後半に入り、戸田選手が足首を痛めピッチの外に出て治療を受け、F東京が一人少なくなっているタイミング(後半6分)に、マルケス選手のゴール。ウェズレイ選手とマルケス選手のコンビネーションから追加点が生まれた名古屋は200勝にぐっと近づいた。ここまでいいところを見せられないF東京、サポーターからはブーイングが起こる。
そして先に動いたのはF東京ベンチ、後半10分に戸田選手に代えて梶山選手を、後半14分には馬場選手に代えて阿部選手を投入し、ルーカス選手と阿部選手のツートップに。それに対応するため名古屋は3バックに変更する。「後半も15分までは我々のペースだった」とネルシーニョ監督が、更に「阿部が入って流れが変わった」と秋田選手が話すように、阿部選手の裏への飛び出しに加え、梶山選手の動きにより、息を吹き返したF東京。これまでとはゲームが別物のようになり始めた。すると後半18分、今野選手から金沢選手、ルーカス選手へとボールが繋がり、最後は自身が中盤から強引にドリブルで突破しゴールネットを揺らす。同時にF東京サポーターの声がスタジアム中を揺らした。
後半26分、原監督は三浦選手に代えて、ピッチに立つのは4月14日以来となる宮沢選手を投入。久しぶりの出場に「宮沢コール」が響き渡る。「楽しかった。宮沢コールにはジーンときた」と振り返る宮沢選手。試合に出られない日々を過ごし、特別な思いをもってこの試合にベンチ入りした。試合前、スパイクの紐を丁寧に結びながら照れ笑いを浮かべた宮沢選手。彼の動きがさらにF東京の動きを変えることなる。
その交代の4分後、宮沢選手のCKから梶山選手が折り返し、ゴール前に滑り込みゴールに向かって必死に伸ばした茂庭選手の足が、チームJ1通算200ゴール目のメモリアルゴールを生み、これで同点。「ボールは見えてなかったんだけど、足を出したらボールが止まって入りました」と自身のJ初ゴールに喜びを表した。更にメモリアルゴールについては「ま、結局オレかな」と試合後周りを笑わせた。
グンと運動量の落ちてきた名古屋は鄭選手、渡邉選手を投入するが、交代直後の後半36分、金沢選手のスローインからルーカス選手に渡り逆転ゴールが生まれ3−2に。最後の最後まで全力で戦った茂庭選手は、途中から足を痛めながらも必死で守りぬく。名古屋・ネルシーニョ監督はジョルジーニョ選手を投入するがシュートを打つことなく3−2で試合終了。F東京が劇的な大逆転で勝利、スタジアムは興奮に包まれた。
「ありえない」「くやしい」と話す試合後の名古屋の選手たち、F東京の勢いを止めることができなかったという。その「誰も止められないほどの勢い」を作ったのは、流れを大きく変えた阿部、梶山、そして宮沢、3人の途中投入選手の力が大きかっただろう。そして何より終始選手と一緒になって戦い、スタジアムのムードを作ったサポーターでもあっただろう。「あの後押しがあったから」とほとんどの選手が試合後に改めて口にした。それだけピッチとスタンドが一体になっての大逆転劇。
試合後、スタジアム最寄駅の周りには興奮冷めやらぬサポーターが、終電近くになっても余韻に浸り語り合う姿があった。この一体感を味わったF東京サポーターは、必ずまた試合を観にスタジアムを訪れることだろう。
以上
2004.06.19 Reported by 日々野真理
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