6月19日(土)J1 1st 第14節
柏 1 - 2 横浜FM (19:04/柏の葉) 入場者数 10,399人
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これが勝者のメンタリティなのだろう。
柏の葉公園総合競技場へ向かう横浜FMのチームバス内では、デーゲームで行われた磐田vs鹿島の中継が映し出されていた。磐田が敗れ横浜FMが勝てば、首位が入れ替わる。当然、ライバルの試合経過は気になる。バスが試合会場に到着したのは、タイムアップが押し迫った頃。しかし一部の選手は、試合の行方を見届けることなくバスを降りた。「ライバルは関係ない。目の前の相手を倒すことに全力を尽くすのみ」という姿勢の現れだ。
横浜FMは出場停止が明けた松田と中澤、那須がディフェンスラインを形成し、遠藤と柳想鐵がボランチ、右サイドには田中隼磨、左サイドにドゥトラが入り、トップ下に上野、安貞桓と山崎が2トップを組む3-5-2の布陣。山崎の先発起用について岡田監督は、「坂田をもう1ランクアップさせるため」と試合後に話した。
一方柏は、渡辺、永田、近藤の3バックに、明神とドゥドゥのダブルボランチ、右サイドにケガから復帰の波戸、左サイドに平山、トップ下にゼ・ホベルトが入り、玉田と宇野沢が2トップを組む、同じく3-5-2の布陣。出場が微妙だった波戸について、「古巣の横浜FM戦ということで、本人が強く希望した。その意欲を買った」と池谷監督。
立ち上がり10分は、双方ともにロングボールを蹴り合う様子見の展開。しかし徐々に横浜FMが試合を支配し始める。中盤でのパスが面白いようにつながり、両サイドの上がりもスムーズ。守備面でもプレスが効いて柏に攻撃の形を作らせず、高さと強さに勝るディフェンス陣は空中戦も1対1もことごとく制する。そんな状況下、先制点をもぎ取ったのはやはり横浜FMだった。17分、柳が柏ディフェンスの裏にパスを送り、マークを振り切った田中が飛び出しダイレクトでタッチすると、ボールは柏ゴールへと吸い込まれた。横浜FM復帰後初のゴールに、喜びを爆発させる田中。
勢いに乗った横浜FMは一方的に攻め立てる。上野、山崎、安の前線に両サイドが絡み、松田の上がりもあって有機的な攻撃を展開。防戦一方の柏は中盤が下がり気味になって前線との間に広大なスペースを生み、ロングフィードによる場当たり的な攻撃を余儀なくされる。時折ボールを持っても、試合後明神が反省していたように一人一人の判断が遅く、たちまち横浜FMの激しいプレスに合ってボールを失う。柏にとってチャンスらしいチャンスもないまま、前半終了。ロッカールームに引き上げる柏イレブンには、ゴール裏から激しいブーイングが浴びせられた。
後半、巻き返したい柏。しかし開始早々の後半2分、縦のパスに抜け出した安を渡辺が倒し、一発退場。微妙なプレーではあったが判定が覆るはずもない。柏は波戸と平山を下げ、4バックに変更する。数的優位に立った横浜FMはかさにかかって柏ゴールに襲いかかるも、GK南がファインセーブを見せるなど柏ディフェンス陣が奮闘し、なかなか追加点を許さない。
後半9分、両チーム同時に選手交代。横浜FMは山崎に代えて柏との相性が良い坂田を、柏は機能していなかった宇野沢に代えて谷澤を送り出す。後半20分、その坂田がゴール左に展開、柏のDF近藤がスライディングでクリアを試みるが、ボールをキープした坂田が至近距離からシュート、南が反応鋭く弾くも、ゴール前に詰めていた安がこぼれ球を冷静に押し込み、待望の2点目をあげた。
しかしこの辺りから、10人の柏が盛り返す。後半25分、ドリブルでキープしてはつぶされるばかりだったゼ・ホベルトを下げ茂原を送り込むと、その傾向はいっそう顕著に。途中出場の谷澤と茂原が積極的に動き回り、前線の玉田にボールを供給する。前半にはついぞ見られなかったスムーズなボール回しが展開され、横浜FMを追いつめる。1人少ないという状況が逆に開き直りを生んだのか。「この動きが最初からできていれば……」柏の首脳陣や選手たち、いや恐らくスタジアムにいたすべての人が、そう感じたのではないか。柏に傾いた流れの中、後半33分の右コーナーキック。谷澤の蹴ったボールをフリーになっていたドゥドゥがヘッドで合わせ、1点差に詰め寄るゴールをあげた。GK榎本は「ボンバー(中澤)とかぶった」と悔やんだが、セットプレーへの対処は横浜FMの課題だ。
得失点差でも優位に立ちたい横浜FM・岡田監督は、安に代えて久保をピッチに送り出す。3点目は奪えなかったが、エースフォワードの投入は失いかけた流れを取り戻した。その後は一進一退の攻防が続き、タイムアップ。後半押し込まれた横浜FMだが、完全に崩される場面もなかった。試合全体を見れば横浜FMの完勝と言える。
試合後のミックスゾーン。バスに向かう横浜FMの選手たちは、優勝がかかる鹿島戦について一様に「自分たちのサッカーをするだけ」と口にした。チームと自分自身への揺るぎない自信があふれると同時に、気負いのない彼らの表情。それは次節の勝利を予感させるに十分だった。
以上
2004.06.19 Reported by 横井孝佳
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