激闘の末、アテネ行きを見事に決めた日本女子代表。およそ一ヶ月半後に迫った本番にむけて、6月22日から24日の3日間、福島県のJヴィレッジでキャンプが行われた。ピッチには選手たちの元気な大きな声が響き渡った。
上田監督は今回のキャンプの一番大きな目的を「スウェーデンに勝つというモチベーションを持つこと」と示した。あくまでも初戦のスウェーデン戦に勝利して、トップでグループリーグを通過することを全員の共通意識として持つことだと強調した。
初日は到着してLリーグの疲れをとるためのクールダウン中心のメニュー。そして2日目は午前、午後のトレーニングと夕食後の講習、最終日は午前中のおよそ1時間と、限られた時間で行われたこのキャンプ。前後にLリーグの試合もあり、選手たちにとってはハードスケジュールではあったが、具体的にアテネに向けて始まったという実感を強く感じられた3日間となった。そしてこのキャンプには何より嬉しいニュースがひとつ。エース澤選手がピッチに戻ってきた!一部別メニューではあるものの、軽快な動きと笑顔を見せる澤選手。やはりこの人の存在は他の何にも変えがたいものだ。自然とチームのムードも引きしまる。
今回の合宿では、アテネで戦う上での具体的な対策が組まれた。
まず、長めだと言われるアテネの芝対策。今回キャンプの行われたJヴィレッジの芝はチームからのリクエストにより、「4cm」と通常より長めに調整された。これでボールの動き具合などをチェックし、長い芝の上でのプレーに慣れていこうということ。「芝の質自体はやはり違いはありますが、実際にやってみて、パススピードの落ちることや、ファーストタッチをしっかりしないとノッキングしてしまうということを体感できましたから」と上田監督。これからのキャンプ地も長めに調整してもらうリクエスト済みだということだ。
続いてはボール。今回のキャンプから本番の公式ボールである「ぺリアス」が使われた。実際に使った選手たちは「確かに少し違いはあるけど、違和感はなかったです」と安心した表情。それぞれにボールの感触を確認した。山本選手は「トラップの時ちょっと跳ねるかなっていう感じはあったけど、気にならない程度ですね」と話した。
そしてもうひとつ、今回のキャンプの中での重要なポイントであったのが、世界基準のジャッジをより知ること。オリンピックアジア予選決勝の中国戦でPK判定で失点し敗れたこと、そしてアメリカ代表との練習試合の際もPKをとられたこともあり、「判定のギャップを感じた。それに知っているのと知らないのとでは大きな違いがある」と上田監督はほんのわずかな差でも縮めて本番に臨みたいと言う。
そこで2日目には国際審判員の上川徹さんがキャンプを訪れ選手たちに指導をした。午後の練習では、実際ピッチでゲーム形式でプレーをしながら、セットプレーでの体の使い方などを指導された。夕食後には2002年の日韓共催ワールドカップの時に使われたFIFAの審判用ビデオを使った講習会が行われた。上川氏は「判定基準をより深く理解してもらえれば。ただ、実際にプレーを見ていると彼女たちのプレーはとてもフェアですね。そんなに問題はないと思いますが、審判がどんな風にプレーを見ているかなども伝えたい。フェアにやって結果を残せるように。そして今日のことが少しでも役に立てばいいですね」と話した。
これから本番までのおよそ50日間、選手たちはそれぞれのクラブで30日間、代表で20日間と、クラブで過ごす日数のほうが多いという状況の中、「それぞれがLリーグで高い意識をもってそれぞれ自分の質を高めるように」と選手に強調した上田監督。いよいよ、アテネへの道が具体的にスタートし緊張感も一層高まった。
「やっぱり初戦が大事になってくると思います。本番が近づくにつれてやっぱりメダルへの意識は高まってきました」と川上選手は目を輝かせた。いよいよ本番まであと50日をきった!女子代表の選手たちのメダル獲得に向けた準備は着々と進められている。
以上
2004.06.23 Reported by 日々野真理















