7月25日(日)19:20KICK OFF/長居
キリンチャレンジカップ2004
U-23日本代表 0-1 U-23オーストラリア代表
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「(アテネ本大会)予選リーグ最終戦(ガーナ戦)の先を見据えたシュミレーション」と山本監督が位置づけた豪州戦。ピッチの上には連戦で疲れの溜まった11人の選手と、ベンチにはわずか5名の控え選手。最終メンバー22人(バックアップの4名含む)が決まってわずか8日しか経っていないが、早くもチームの底力が試されることとなった。
スタメンは2トップに高松・大久保、トップ下には森崎(浩)。サイドは右が徳永、左が駒野。ボランチは阿部と菊地がコンビを組む。3バックは右から茂庭・闘莉王・那須と並んだ。森崎選手のトップ下に菊地選手の守備的ボランチの起用と、今まで試したことのない形。代表では慣れないポジションを任された2人だが、「本来やりたかったポジション」だけに積極的なプレーが目立った。
前半7分には森崎選手が前を走る大久保選手に綺麗な縦パスを通し、スタジアムを沸かせたかと思えば、その直後、菊地選手が体を寄せてボールを奪いにいく気合いの入ったプレーを見せるなど、早くもその存在感をアピール。それに触発されるかのように、他の選手も負けじとばかりに果敢にボールを奪いにいく。「攻撃も守備も全員でやるのが今のチームのやり方」とキャプテンの那須選手が言うように、「点を取って勝つ!!」という気持ちが全選手からみなぎっていた。
その中で特に目を引いたのは闘莉王選手の攻撃参加だ。いつも要所要所で前線に顔を出す彼だが、今日はいつにも増して前に上がっていく姿があった。「今日は攻撃に絡むという闘莉王の良さが出ていた。前線が止まっていた部分があったので、誰かがフリーランニングで飛び出さないといけなかった。彼の動きで前線の選手はやりやすくなったと思う」(那須選手)オーストラリアのフランク・ファリナ監督も「彼の攻撃は脅威だった」と振り返るほどだった。
しかし、闘莉王選手の闘争心むき出しのプレーの裏には、菊地選手の献身的なフォローがあった。「彼が前に出るのは皆分かっていること。カバーに入る選手がいれば問題はない。ある程度のリスクをおかさないと点は取れない」(黒河選手)。そのリスクを最小限に抑えていたのは菊地選手だ。「自分が上がるよりも、闘莉王の攻撃力はチームに必要」と絶えず全体のバランスに目を配っていた菊地選手。試合前にも全体のバランスを崩さないようにプレーしたいといっていた彼は、しっかりとその役目を果たしていた。
そしてチーム全体の意識は「リスクを背負っても点が欲しい!」ゴールに対する貪欲さは今までにないものだった。しかしその気持ちとは裏腹に、ボールはネットに吸い込まれることなく、時間だけが過ぎていった。
湿度73%とじっとしているだけで、じっとりと汗がにじむコンディションが選手の体力を容赦なく奪っていく。後半に入ると選手の足が止まり始める。それとともに今までうまくいっていたカバーリングも、微妙にズレはじめ、オーストラリアの攻撃が日本ゴールをジリジリと脅かすようになる。
そして後半34分、途中交代で入ったB・ホールマン選手がゴール前に入ったクロスを右足で押し込みゴール。「うちが勝つという姿勢が出たプレーが多かっただけに、逆にカウンターを狙われてしまった」(闘莉王選手)。リスクを背負っての攻撃も、小さなミスが重なって相手に得点を与えてしまった。
その直後に大久保選手のヘッドがネットを揺らすが平山選手のファウルによりノーゴール。またロスタイムにも怒涛の攻撃を見せた日本だが、試合終了のホイッスルが鳴り響いた時には0-1と無得点で惜敗となった。
試合は負けてしまったが、全員がチームのやり方を理解し、その中で自分らしいプレーを発揮するというまとまりが感じられる試合でもあった。「個々のコミュニケーションを大事に、小さなところをよくしていかないといけない」と那須選手が振り返るように、細かい歯車がまだかみ合っていないことが、得点力不足の大きな原因。しかし、選手の中には目指すべきチームの形がしっかりと見えているだけに、その問題が改善されるのも時間の問題だ。
「チームとして一回り大きくなった姿を、ファンの皆さんに見せられるように頑張りたい」(那須選手)。この敗戦を糧にして、日本最後の試合となる国立でのベネズエラ戦(30日19:20キックオフ)でさらに成長した姿を見せてくれるに違いない。
以上
2004.07.26 Reported by 柴田愛子
J’s GOALニュース
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