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【レアルマドリード ジャパンツアー2004:市原 vs レアルマドリード レポート】≪シンプル・イズ・ザ・ベスト≫を実践したレアルマドリードが市原に快勝(04.07.30)

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7月29日(木)レアルマドリード ジャパンツアー2004
市原 1-3 レアルマドリード(19:15キックオフ/国立/51,840人)
○得点者:
 マルキーニョス(前半6分)=直接FK
 グティ(前半23分)
 ラウール(前半36分)
 ソラーリ(後半44分)
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 茶野が日本代表、阿部がU-23日本代表で不在のうえ、坂本と羽生がケガのために欠場し、主力選手4人を欠いた市原。対するレアルマドリードでは、負傷箇所を抱えていたジダンとロナウドは最後までピッチに立つことはなかった。しかし、市原はセカンドステージに向けて、そしてレアルマドリードは新シーズンを迎えて、それぞれの指揮官はチームの再構築にとりかかり、選手たちはレギュラー争いの真っ最中。親善試合とはいえ、湿度78%という蒸し暑さの中での消耗戦は白熱した真剣勝負となった。

 試合が白熱した要因のひとつは、8分に市原が先制点を奪ったことだ。マルキーニョスがファウルを受けて得たFKを、彼が自ら直接ゴールを狙ってシュート。スピードのある弾丸シュートは、横っ飛びのGKカシージャスが伸ばした手の先でゴールに入った。自分たちのエンジンがかかりきる前の失点で、レアルマドリードは本気モードに突入した。

 市原は最後尾にミリノビッチ、彼の前に自陣の右から結城がモリエンテス、斎藤がラウール、水本がフィーゴを基本的にマンマークするという変則4バックで臨んだ。出だしこそはこのマンマークに手を焼いたレアルマドリードだったが、ダイレクトパスを多用した華麗なパスワークで市原の選手を揺さぶりにかかる。時間の経過とともに市原の選手には疲労が蓄積して、マークの受け渡しが少しずつズレるミスが出るようになった。

 前半23分、フィーゴのスルーパスを受けたグティがダイレクトで打ったシュートが、ゴールポストに当たりながらも決まる。前半36分には転倒したがすぐに起き上がったラウールが、グティのパスからGKとの1対1になって落ち着いてシュート。ボールはゴールネットに突き刺さり、レアルマドリードは逆転に成功した。ロスタイムには右サイドを破ったサルガドのパスからソラーリが得点し、3-1でレアルマドリードは勝利を収めた。

 市原は2列目から飛び出したグティ、そして前線でクロスするような動きを見せるレアルマドリードの選手に惑わされ、タイミングよくディフェンスラインの裏に飛び出したラウールをつかまえきれなかった。そして、3失点目ではサルガドには楽山が、ソラーリには結城がついていたのだが、相手の動きを抑えられなかった。

「自分がラウールについていくべきだったのだが、オフサイドがとれればと思った」(斎藤)

「DFはジェレ(ミリノビッチ)と大さん(斎藤)のふたりがいたけど、ラウールはフリーになっていた。自分はゴール前に戻ったけれど、時すでに遅しだった」(佐藤)

 もちろんレアルマドリードの選手のうまさもあったが、櫛野が「これまでのJリーグの試合でもあって、何回も修正しようとしていたミス」と悔やんだように、守備の選手がいても相手の動きを封じきれない甘さは、セカンドステージでは払拭しなければならない。

 とはいえ、マルキーニョスの得点以外にも、市原がレアルマドリードのゴールを脅かした場面はあった。1回のシュートで終わらずにたたみかけるシュートを狙ったり、ミリノビッチや斎藤がオーバーラップするなど、市原らしい全員攻撃を仕掛けた。前半32分の佐藤のシュートはゴールポスト横に外れ、後半31分のサンドロのシュート、後半40分の林のシュートはレアルマドリードの選手に防がれたが、ゴールの予感があるものだった。

 決定機に追加点が取れなかったのは、レアルマドリードの守備力に阻まれたこと以外に、ボールコントロールの正確性の問題もある。林が「レアルは少しのパスのズレもなかったし、トラップも正確でシンプルにボールを回していた」と話せば、佐藤は「ダイレクトパスをつないだ攻撃を簡単に防げるチームはない。だから、ボールを奪ったらダイレクトプレーを心がけた。レアルはほとんどがダイレクトパスだった」と振り返った。

 シンプルにボールを回して相手を翻弄できるのは、パスの精度の高さと、どこにパスを出すのか、どこでパスを受けるのかという優れた状況判断があってこそだ。思えば、試合後の記者会見で「トップクラスの選手はシンプルにプレーする。それが一番美しい」と語ったオシム監督は、市原の練習でダイレクトプレーを義務付けたミニゲームを多く行なっていた。≪シンプル・イズ・ザ・ベスト≫をレアルマドリードとの対戦で肌身で感じた市原の選手たち。今度は自分たちがそれをセカンドステージで実践しなければならない。

以上

2004.07.30 Reported by 赤沼圭子
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