8月14日（土）J1-2nd 1節 大分 vs 磐田（19:00KICK OFF/大分ス）
-リアルタイム速報はこちら-
-スターティングメンバーも試合開始2時間前に、各試合のスコアボード「試合詳細」に掲載されます-
----------

　公式戦8連敗中と絶不調の中にいる大分は、実はこの試合に向けて調整していた。それはたとえば、7月17日に行われたナビスコカップ予選リーグ第5節の清水戦の試合後にハン・ベルガー監督が「8月14日（2ndステージ開幕）にターゲットをおいています」と述べた言葉から明らかだ。長い調整期間を経ての試合となったが、この磐田戦はその成果を確認する試合となる。

　ビッグアイでの公式戦でも5連敗中の大分はどうしても勝利が欲しいところだが、勝利のための最大の課題は守備の安定にある。1stステージでの27失点は、C大阪の30失点に次いで清水とともにワースト2位タイの記録。1stステージの15試合で完封できたのはわずかに2試合しかなく、その1stステージ第8節の磐田戦以来、12試合連続失点中という不名誉な記録を更新中である。そうした状況の中、大分はその守備の安定を狙った補強を行った。

　それが契約満了で退団のボランチのビチュへに変わって獲得したパトリック・ズワンズワイクだ。ユトレヒトで昨シーズン31試合に出場した実力者で、対人能力に優れたディフェンダーだ。191cmの長身を生かしたクロス対応に期待したいが、昨シーズン6ゴールを奪ったという得点力にも注目だ。

　守備の安定によって、攻撃力も生きてくる。高松大樹をアテネ五輪で欠くが、吉田孝行、木島良輔、マグノ・アウベスと言ったFW陣は休養十分でこの試合に臨んでくる。失点は多いが、それなりに得点力を持つチームだけに攻守のバランスが取れれば上位への浮上も夢ではないだろう。

　気になるのは、この試合で有村光史、山崎哲也の両サイドバックが出場停止処分を受けている点。この穴をいかにして埋めるのか、ベルガー監督の采配に注目したいところだ。

　一方の磐田は、横浜FMに奪われた王座を奪い返すという目標の下、結束してこの試合に臨んでくるのは間違いない。アジアカップには招集されたが、出場機会のなかった藤田俊哉を中心として、攻撃的な中盤を形成してくるはず。分厚い波状攻撃とダイレクトプレーを多用するスタイルは、大分にとっては脅威だ。

　そうした中盤のサポートを受けてゴールを狙うのがグラウ。1stステージの大分戦では出場停止で不在だったが、13ゴールのエメルソンに次ぐ11ゴールを決めているストライカーは、どのようなパフォーマンスを発揮するのだろうか。さらにここに復活をかけた中山雅史がどのように絡んでいくのか、注目したい。

　懸念材料があるとすれば、アジアカップで大活躍した福西崇史、田中誠の疲労の蓄積具合。短い期間での激闘を終えたばかりで、どの程度まで回復しているのか気になる。風が抜けず、熱がこもるビッグアイでの試合は過酷なものになりそうだ。

以上

2004.8.12 Reported by 江藤高志