8月14日（土）J1-2nd 1節 神戸 vs 浦和（19:00KICK OFF/神戸ユ）
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　横浜FMの優勝で幕を閉じた1stステージから約1ヶ月半の中断を経て、8月14日、J1リーグ戦2ndステージが開幕する。この中断期間にはヤマザキナビスコカップのみならず、各クラブが海外クラブとのプレシーズンマッチを実施。今年は、例年にも増してビッククラブとの対戦が多かったということもあって、サッカーファンは、胸躍る対決を大いに楽しんだことだろう。
　
　開幕戦で対戦する『神戸 VS 浦和』の両クラブも同じく、神戸は7月10日に元日本代表監督であるトルシエ氏（対戦数日後に解任）率いるカタール代表と練習試合（○1-0）を戦った後、7月27日にイタリアの強豪、S.S.ラツィオと対戦（●0-4）。浦和は、7月27日に同じくイタリアの強豪、インテルと戦ったのち（○1-0）、イングランドの強豪、マンチェスターユナイテッドと戦うべくイングランド遠征を行なったが、こちらは天気の影響で中止に。いずれにせよ、クラブ、個々の能力的にもハイレベルにある海外クラブと戦うことは、経験という財産を両クラブにもたらしたようだ。
　
　また、そのような試合を行なう一方で、並行して2ndステージ開幕に向けた準備を進めてきた両クラブ。チーム力向上を目指し、より組織としての結束を高めることはもちろん、FWイルハンの退団が決定した神戸にいたっては、「今季の開幕前には、経営譲渡などのバタバタで万全に補強を行えなかったこともあり、改めて中・長期的にみてチームの力になってくれる選手の補強を行なった（三木谷社長）」と5選手を大量補強。元チェコ代表のMFホルヴィ、MF滝澤、高木、FW平瀬、そして、東京Vを退団したばかりのFWエムボマを獲得。FWレアンドロンの骨折による長期離脱やFW三浦知良のケガなどを補うべくFW陣の充実と、1stステージの反省をもとにボランチ、サイドのポジションを中心に選手を補強し、戦力を整えた。
　
　と、両クラブ万全の体制の中で開幕を迎える訳だが、注目は両者の攻撃力か。現時点で得点ランキングトップを走るFWエメルソンを中心に攻撃を作り上げる浦和と、先に述べた新入団選手の加入で熾烈化したポジション争いを勝ち取って先発出場を果たす神戸攻撃陣のどちらが、より多くゴールに詰め寄ることができるのか。特に神戸は、先発が濃厚な現時点でチーム一の得点数を誇るFW播戸やケガから完全復活のFW和多田、あるいは、新加入の2人FW平瀬、エムボマらがどのようなコンビネーションを作り上げるかも見もの。中でも、1stステージでの好調ぶりが目を引いた播戸が、新加入選手らを含めた新たな競争の中で、どうステップアップを図るのかに注目したい。「G大阪時代、ルーキーだった僕にとってエムボマは雲の上の存在だった」とはFW播戸の言葉だが、当時から5年以上の月日を経て、経験を積んだ今は「自分がチームの中心として戦わなければいけない」という使命も感じ、実際、その通りの活躍を見せている。もちろん、今はエムボマに気後れすることも、プレーで遠慮することもないし、ポジションを譲るつもりも、当然ない。その思いがピッチでどう表れるのか。DF坪井、闘莉王ら守備の要の選手が不在の浦和DFをいかにかき回してくれるのか、楽しみだ。
　
　一方の浦和は五輪代表FW田中は不在とはいえ、FWエメルソンの動きに攻撃のすべてが集約されると言ってもいいだろう。他のクラブ同様、神戸DF陣も当然、DF土屋らを中心として、圧倒的なスピードと得点力を誇るFWエメルソン対策を強いてくるだろうが、その守備網をかいくぐり、どこまでエメルソンが『らしさ』を発揮できるのか。強豪・インテルからも両チーム合わせて唯一のゴールを奪い取った彼の動きに注目したい。加えて、マンチェスター・ユナイテッド戦中止後を受け、ブッフバルト監督が話した「この試合は単なる親善試合ではなく、2ndステージに向けた準備として大切な試合だっただけに我々も試合がしたかった。サポーターの皆さんをがっかりさせてしまったが、2ndステージではとにかく最善を尽くす。神戸戦では今日お見せできなかったものを、すべてお見せします」という言葉が、どのようにピッチ上で表現されるのかにも注目だ。

以上

2004.08.12 Reported by 高村美砂