戦う男、田中マルクス闘莉王選手(23)が、五輪の聖地でほえまくった。12日夜(日本時間13日未明)、当地で行われた男子サッカー1次リーグ初戦のパラグアイ戦。日本とブラジルという2つの祖国の誇りを胸に、闘争心をむき出しにして声を張り上げ、最後までグラウンドを走り回った。闘志を燃やしていた。サッカー王国ブラジル・サンパウロ州生まれの日系三世。ブラジルを五輪予選で破ったパラグアイには、意地でも負けられなかった。
祖父の義行さん(87)はコーヒー園で働くために、11歳でブラジルに渡った。祖母の照子さん(77)も日本人。孫の闘莉王選手はブラジルで、税理士事務所で働いた。ブラジル人留学生を受け入れている千葉市の渋谷幕張高校のサッカー部監督で日系二世の宗像マルコス望さん(45)が、300人の候補者リストの中から日系三世の闘莉王選手を見つけた。「日本でやってみないか。3日で決めてくれ」。宗像さんの誘いに、闘莉王選手の父、パウロ・ユウジさん(51)は「行って来い」と励ました。16歳で日本行きを決断した。初めて飛行機に乗り、ずっと頭から毛布をかぶっていた。高校では1カ月に1回、20分間だけ、親への電話が許されていたが、どんなに寂しくても、電話はしなかった。
2001年、祖父の故郷、広島県に本拠地を置くサンフレッチェ広島に入団した。その後、別の外国人選手がチームに入団したことで外国人枠からあぶれ、チームを離れることになった。ブラジルに帰る覚悟もしたが、水戸ホーリーホックへの期限付き移籍が決まり、日本に残ることができた。「自分を支えてくれた人、育ててくれた日本への感謝の気持ちを伝えたい」。昨年10月、日本国籍を取得し、五輪代表チームに招集された。父、パウロさんがスタンドで見守る中、十字を切って五輪の舞台に立った。手をたたき、大声を上げて選手たちを鼓舞した。ゴール前にも、果敢に攻め上がった。試合には敗れた。「結果を求めてやっていきたい」。汗をぬぐわず、次戦の勝利を誓った。
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[時事通信社]
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