8月14日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第1節
市原 2 - 1 広島 (18:30/市原/5,467人)
得点者:'3 森崎和幸(広島)、'11 マルキーニョス(市原)、'60 マルキーニョス(市原)
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市原臨海競技場では1stステージ第4節鹿島戦以来に見せる、『勝利のでんぐり返し』だった。「開幕戦では何よりも勝利という結果を出したい」と口を揃えていた市原の選手たち。ロッカールームへと引き上げるときには笑顔がこぼれていた。
市原は、試合前日は練習に出なかった右ウイングバックの山岸がマルキーニョス、サンドロと3トップ気味に前線に位置していた。そして、本来は右ウイングバックの坂本が「今日はあまり上がるな」と指示されて広島の左サイドハーフ・服部をマークし、佐藤、中島とトリプルボランチを形成。基本的にはミリノビッチが盛田を、斎藤が中山をマークして茶野が余る形となり、今シーズンの市原の基本的な布陣から各所を変更して臨んだ。
一方、広島は駒野の代役を高柳が務める4バックシステムを採用。右サイドハーフには李漢宰が入り、新戦力のベットは中盤を流動的に動く形となった。試合開始直後から広島は積極的に前からプレスを仕掛けてボールを奪い、攻勢に出た。前半2分、ベットの強烈なミドルシュートをGK櫛野がゴールラインの外へ弾く。これで得たCKをベットが蹴り、ニアサイドで潰れ役になった盛田の背後でフリーになっていた森崎和がヘディングシュートを決めて、早くも前半3分で先制点を奪った。試合後に櫛野が「ニアサイドで混戦になって、出るのが一歩遅れるのはうちの課題」と話したが、セットプレーでは一発で合わせられる形よりも、むしろ誰かが触った後のボールと選手の動きに対処しきれず失点するという市原の悪癖がまたもや出た格好になった。
しかし、その8分後には山岸のアーリークロスを受けたマルキーニョスが、すり抜けるようにリカルドと小村をうまくかわしてゴールを決める。マルキーニョスはよほど嬉しかったのか、最近は得点してもやっていなかったバック宙のパフォーマンスを披露。「ちょっとした隙にマークがズレてしまった。あの1点で市原が押してきた」と小村が悔やんだが、確かにこの≪1点≫で市原は息を吹き返した感があった。
さらに、広島には前半16分で盛田が負傷交代というアクシデントが発生。「市原は盛田に手こずっていた。彼に対してどう手を打ってくるか。手を打ってきたところで、すかさず攻めに出ようと思っていた」(小野監督)ゲームプランが崩れてしまった。
広島は追加点を狙い、前半だけで9本ものシュートを打ったが、ゴールに結実したのは1本だけだった。
対する市原も前半26分で山岸がやはり負傷交代。だが、代わって入った工藤が効果的に攻撃に絡んで、山岸不在のダメージを感じさせなかった。後半15分、村井があげたクロスボールをミリノビッチがヘッドで折り返し、マルキーニョスがヘッドで押し込む。攻め込まれるとディフェンスラインが下がり気味になる課題はまた出たが、この日は最後まで集中力を切らさずに守りきり、結果的に後半15分の≪1点≫が決勝点となった。
広島は盛田に代わった大木をはじめ、茂木、木村とFW登録の3人を次々と投入したが、攻め上がってもフィニッシュの形が作れず、後半のシュートはわずか1本。シュート数は市原の11本に対して10本と互角だったが、勝負どころの≪1点≫が奪えなかった。次節は4−3という壮絶な打ち合いを制してFC東京に勝ったC大阪と対戦する。得点力勝負となると苦しくなりそうなため、本来の堅守を発揮して勝利を獲得したいところだ。
両チームが取り組んだ得点力向上という点では、軍配が上がったことになる市原。だが、欲をいえば、後半の得点シーン以外にもあった決定機を確実に決め、相手に完全にとどめを刺す得点力が欲しい。次節は1stステージでは終盤に押し込まれ、2−1で逃げ切って冷や汗ものの白星を得た新潟と戦う。現在の得点力の真価が問われる。
以上
2004.08.14 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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