8月14日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第1節
東京V 2 - 0 新潟 (19:00/味スタ/13,536人)
得点者:'21 桜井直人(東京V)、'54 平本一樹(東京V)
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試合直前、新潟の反町監督はびっしりとオレンジ色に染まったゴール裏をじっと見つめていた。バス8台に分乗して、または新幹線や自家用車を駆って味の素スタジアムに集結した新潟サポーター。その数はどんどん膨れ上がり、ゴール裏にも入り切れない数となっていた。反町監督は必ず勝利をプレゼントしたいと強く思っていただろう。
しかし、試合終了のホイッスルを歓喜の中で聞いたのは、新潟サポーターに数ではかなわないが、それでも最後まで選手を鼓舞し続けた東京Vのサポーターだった。
試合は、立ち上がりから東京Vがいつものようにボールを回し自分たちのリズムを作る一方、そのボールを追って新潟の選手が『走らされる』場面が続いた。さらに東京Vの前の3人(FW桜井、平本、MF小林慶)が頻繁にポジションチェンジを繰り返し、新潟DFが捕え切れないシーンが目に付くようになった。
そして前半21分、FW平本がペナルティエリア内で倒されPKを獲得。これを自ら「蹴りたい」と志願したFW桜井がきっちり決め、東京Vが先制する。これで逆に得点への気持ちが高まったのか、ここから新潟が積極的にボールを前線に運ぶが、ラストパスの精度を欠き、トップの位置で待っているFWオゼアスにいい形でボールが入らない。後半に入ってすぐにもファビーニョ、エジミウソンの2人で惜しいチャンスも作るものの、東京V・高木のセーブに阻まれる。
すると今度は後半9分、新潟DFがペナルティアリア内でクリアしたボールのこぼれ球をFW平本がすかさず拾い、「エムボマの真似をした」(平本)という振り向きざまの左足シュート。これが勝負を決定付ける東京Vの2点目のゴールとなった。この後も新潟はセットプレーなどからなんとか得点しようとするが、湿気の多いコンディションの中で走り続けた選手たちは運動量も落ち、結局無得点に終わった。
「敗戦監督の常套句を使わせてもらえば『決定力の差』が出た」。反町監督は半ば自嘲気味にそう話したが、実際2つのチームには殆ど同じだけのチャンスがあった。早い時間にもし1点でも取っていれば、結果は違っていたかもしれない。
「まだチームメイトの名前も覚えていない状態」と反町監督が話すFWオゼアスがこれからどこまで周りとの連携を深めていくかが、今後の鍵となるだろう。試合後の会見では、開口一番「たくさん来てくれたサポーターに勝利をプレゼントできずに悔しい」とコメントした反町監督。がっくりと肩を落としてスタジアムを後にしたサポーターのためにも、次の市原戦(8/21)での今季ホーム初勝利に向けて、これから1週間、「フィニッシュ、クロスの質の向上」という課題の修正に取り組むことになる。
対称的に「うれしくて月曜日もオフにしてしまった」と終始ご機嫌だったのは東京V・アルディレス監督だ。それもそのはずで、これまで東京Vはシーズン序盤に苦しんできた。開幕戦を白星で飾ったのは2002年の2ndステージ以来、実に2年ぶりで、アルディレス監督になってからは初めてのこと。「開幕戦は特別」との意識は選手だけではなく監督にも当然あったはずだ。
しかも試合内容も東京Vのサッカーが展開でき、アルディレス監督にとっては満足のいく結果。また、懸念されていた『エムボマの穴』も、FWの二人(平本、桜井)が揃って得点したこと、また10分間程ではあったが、途中からFWとしてプレーした廣山がいい動きを見せたことで心配を一掃。まさに最高のスタートを切ることになった。
平本選手は「開幕戦を勝っただけではまだまだ」としながらも、「優勝を狙っています」とはっきりと宣言した。小林慶も「いい形でシーズンを戦っていく手応えは感じています」とニヤリ。ナビスコカップに続く連勝の勢いは、今日の試合を観る限りしばらく続きそうだ。
以上
2004.08.14 Reported by 高木聖佳
J’s GOALニュース
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