8月14日(土) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第1節
大分 1 - 1 磐田 (19:04/大分ス/28,314人)
得点者:'9 マグノアウベス(大分)、'61 グラウ(磐田)
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試合が動いたのは前半9分。大分・吉田からのパスを受けた梅田は自分に「ストッパーが食いついてきた」ことを冷静に把握して、吉村にリターンのパスを出した。簡単に前に抜け出した吉村はゴール前のマグノ アウベスへと絶妙なクロスを上げる。マグノのヘディングシュートは、磐田・GK佐藤の右手をかすめてゴールネットを揺らした。
公式戦8連敗中という大分の最近の戦績を聞けばこの得点は驚きだが、前半の試合内容だけを見れば納得できるものだった。磐田が大分攻略を狙って入れるくさびのパスに対して、サンドロと新加入のパトリックを中心とした守備陣が止め続ける。GK岡中勇人は「真ん中の2人がクレバーで助かりました」と新センターバックコンビに対して感じた信頼感を口にしていた。
「チャンピオンを狙うチーム」(磐田・グラウ)とすれば、ふがいない前半だったかもしれない。しかし28,314人もの観客が集まったスタジアムの特別な雰囲気は、大分の選手たちにも伝播していたはずだ。十分な準備期間を経て臨んだ試合だったことも含めて、体力的にフレッシュな前半は大分にとって悪くなかった。
ハン ベルガー監督が出したハーフタイムの指示の1つにこのようなものがある。「自分たちがボールを持った時に、しっかりとビルディングアップしていこう」
同じようなコメントを、試合後に梅田が口にしていた。「今日は速攻しかしてなかったですね。あわててボールをタテに運んで奪われると、すぐに守備に入らないといけなくなる。落ち着いて回してラインを上げて、というプレーもあっていいと思う」
中盤で落ち着いてパスを回せなかったのは、磐田というチームが持つ無言のプレッシャー、つまり風格があったからだろう。それは異口同音に大分の選手が口にしていた「強くてうまかったです」(原田拓)という言葉に通じる。攻め急いでボールを奪われ、巧みな磐田のボール回しを前に守備に追われる。そうした試合展開の中で、後半の大分は体力を消耗する度合いがより顕著になっていく。
後半16分。前半からも何度か狙っていた大分のディフェンスラインの裏へ、前田が抜け出した。岡中との1対1の場面で冷静にグラウへつなぎ、磐田の同点ゴールを演出する。
その後磐田は、選手たちの判断で中盤のポジションを変えている。ボランチでスタートした服部が左アウトサイドに。トップ下だった名波がボランチへ。そして左アウトサイドに位置していた藤田をトップ下へ。桑原隆監督もこのポジションチェンジを支持した。さらにここに磐田お得意の流動的なポジションチェンジで畳みかける。後半は、攻め続ける磐田に対し、カウンターを狙う大分という構図で進んだ。
お互いに勝てるチャンスは存在していたが、磐田は鈴木が指摘するようにパスが足元ばかりで、2列目からの飛び出しも少なかった。また「フィニッシュの1つ前のパスの精度を欠いていた」(田中)という内容だった。
大分も、少ないカウンターのチャンスにマグノがボールを持ちすぎる場面が散見され、自滅気味にチャンスをつぶした。試合は、結局ドローに終わった。
以上
2004.8.15 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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