9月11日(土) 2004 J2リーグ戦 第33節
札幌 1 - 0 仙台 (19:04/札幌ド/13,121人)
得点者:'37 砂川誠(札幌)
----------
暑かろうが寒かろうが雨だろうが、札幌ドームの中に入れば一年中同じコンディション。そして野球場スタイルと併用のドームは、高いスタンドに囲まれた床に、長方形の箱型をしたサッカーグラウンドが置かれている形。観客からは見下ろされていて、地べたからは一段高いところでプレイする。こうした環境での雰囲気は、陸上競技場ともサッカー専用場とも異なる、稀少で独特のものだろう。
この札幌ドームに仙台が乗り込んで試合をするのは今年3月27日・第3節以来。経験は積んでいるはずなのだが、試合前の練習でピッチに入った時、「何か空気が変だった」と梁がチームの戦う雰囲気の不足を感じていたように、仙台は前節ホームで打ち合いの末に京都に勝った勢いをアウエーに持ち込むことはできなかった。
仙台は3トップに左サイドの梁が加わり、4人が大きく左右に広がって前線へ張る。対する札幌は3バックに左・和波と右・市村の両サイドが下がって受ける。特に右の市村の脇を梁が抜こうという意図が顕著。この対峙はことごとく梁が勝ち、ボランチの駆け寄りもないので、一人が抜かれたら札幌としてはもう腹をくくるしかない。梁の突破はクロスへ、即ビッグチャンスへと結びつくが、センターバック陣が落下点ではね返してしのいでいく。
ボールを取り返してからの札幌は、右センターバックの西澤が持って上がって、サイドや権東、砂川などの中盤へという思惑通りのつなぎの展開ができる。前半の仙台はダブルボランチの千葉とシルビーニョが前節の勢いを発揮できず、ポジションを上げてこなかったのが痛かった。中央トップ下の位置がポッカリ空き、そのスペースを札幌に使われ、つなぐスキを与えてしまったのだ。
そうしたところの修正をしきれない前半のうちに、仙台のゴールがこじ開けられる。37分、攻められても攻め返す意欲十分の市村がパスカットし、中央の相川へ、さらに左斜めへラストパスが転がる。そのパスルートには梁がいたが、彼の横をボールがすり抜ける。その先にいた砂川がループシュートでGK高桑の頭上を越し、ゴール。
1-0で迎えた後半。仙台は8分、札幌・左サイドの和波にほんろうされ消えていた右サイドの財前に代えて中田を投入。周囲はその中田にパスを集め新たな突破口を探ろうとする。また千葉とシルビーニョも時間が経つほどに前に出て攻撃に加わる頻度を高めていく。受けにまわる札幌はセンターバックが身体を張ってクリアを続け、正面に鋭く飛んでくるシュートもGK藤ヶ谷が慌てず止める。しかし守から攻への切り替えの時、前方の人数が薄く、仙台を押し戻すには至らない。仙台が攻撃人数を増やしてパスを回している間に、札幌は前線や中盤がすっかり下がってしまったからだ。さらに札幌エンドに両チームの選手が密集している中では安全にショートパスをつなぐ経路が見つかるはずもなく、札幌の攻めは大蹴りの傾向が強まる。そうした中で一人キレキレの絶好調だったのが和波。左サイドのみにとどまらず、流れによってはポジションチェンジをして中央で攻めていく積極性は、得点には絡んでいないもののこの試合のマン・オブ・ザ・マッチ的アクションだった。
後半残り9分プラスロスタイム、仙台はエース佐藤を残して大柴と中原を西と関口に代え「うまくいかないときは何かを変えなければいけない。変えることで何か新しいことが起こるかもしれない。新しい選手が入ることで相手が混乱するかもしれない」(ベルデニック監督)と前線の入れ替えをして流れの変化に賭けたが、札幌の守備陣の集中力が上回り、スコアは動かず1-0で終了。仙台は連勝ならず。札幌は連敗を4でストップさせた。ホームでの勝利は実に168日ぶり(場所も対戦相手も奇しくも同じ)で、第3クールを終えた。
久々の勝利の歓喜をあげる札幌サポーター。反対側の仙台サポーター席からも、あいさつに来る選手たちに向け、「レッツ・ゴー・仙台!」と力強い歌が続く。次節からは最終コーナーの第4クール。札幌は少しでも勝ちを続けて、いいイメージで今季を締めくくり、来季を見据えたい。そして仙台も、2位、3位との勝ち点差が開いたとしても、まだまだ昇格をあきらめるわけがない。選手の背中を押す両チームサポーターからの歌声は、試合が終わってもなお、熱のこもった余韻となって、すぐには消えなかった。
以上
2004.9.12 reported by 永井謙一郎
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第33節 札幌 vs 仙台 レポート】消えた選手が多く連勝を逃した仙台。前半は攻め、後半は身体を張って守りきった札幌(04.09.12)













