2004 J2リーグ戦 第33節
水戸 0 - 1 福岡 (19:05/笠松/3,152人)
得点者:'69 太田恵介(福岡)
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44節という長丁場のJ2リーグも、今節でその3/4を終える。各チーム3回ずつの対戦が終わり、お互いの力関係や、チームとして来季のJ1参入の芽があるのかどうか、段々とその輪郭ははっきりしてくる。過去2戦、僅差の戦いを繰り広げた水戸と福岡ではあるが、順位上はっきりとした色の違いが出ている。そして今節も、互角の戦いを展開したにも関わらず、勝利を呼び込んだのは福岡だった。
水戸は、磯崎が右肺自然気胸の手術後はじめてスタメンで復帰。また故障で戦列を離れていたFW樹森もスタメン復帰し、明るい材料が揃っていた。加入後、水戸の中盤をリードしつづけているMF永井も練習から好調で、いくつものプラス要素を抱えてのゲームのはずだった。今季のチームコンセプトどおり「しっかり守って、それから攻撃」を体現し、前半に関しては、それは全うされていた。カウンターの鋭さは今シーズンでも1,2の出来だったと言えるかもしれない。
対する福岡は、「堅守速攻」のチームを相手に、190cmを超えるFW、増川と太田を2トップにおき、ポストプレーから全体を押し上げて、シュート機会を増やすことを課題にゲームをスタートさせた。
序盤は、お互いにやりたいサッカーを表現できていたように思う。福岡の2トップは期待通りの安定したポストプレーで全体のプッシュアップに文字通り体を張って貢献し、ひいて守る水戸のディフェンスラインにこの上ないプレッシャーをかけ続けた。その攻撃に耐えることをゲームの大前提に据えている水戸も、高度の集中力で突破を許さず、ゲームプランどおりのカウンターで福岡ゴールを鋭く狙っていく。特に前半15分に見せた、ダイレクトパスを4本続けてゴール前まで攻め上がったカウンターは、今までに全く見られなかったリズムの攻撃で、結局オフサイドで得点にはならなかったものの、サポーターを期待させるには十分なものであった。
ゲームが動いたのは後半開始直後。福岡MFホベルトがこの日2枚目のイエローカードで退場処分に。福岡がゲームの半分を10人で戦わなければならなくなったことで、前半、安定していた勝敗の均衡が大きくゆれ始めた。水戸は数的優位を生かして徐々にポゼッションを高め、と同時に少しずつ前掛かりになっていく。皮肉にも、このことが水戸の敗北のポイントになってしまった。後半24分、攻めに転じ前掛かりになるタイミングで福岡にボールを奪われ、サイドを突かれる。MF山形からのアーリークロスからFW太田にヘッドで合わされ失点し、その1点を取り返すことはタイムアップのときまで、ついにできなかった。試合後、水戸ゴールを守ったGK武田は「前掛かりになったところを突かれた。あの瞬間、対応の仕方も曖昧だった」とコメントしている。
ゲームを通じ、チャンスの機会が多かったのは水戸。とりわけ後半は、福岡の決定的なチャンスなどほとんどなかった。しかしながら、得点し勝利という形を残したのは数的に不利を強いられた福岡。まさにワンチャンスを執念でモノにした、という感じだった。
試合後、水戸の前田監督は「選手を試さなければならないし、状況は厳しい」とコメントし、一方、福岡の松田監督は「死に物狂いで、トーナメント戦のように戦う」とコメントした。今日、勝利という形を残した福岡の選手の胸の内には、「昇格へのこの一戦は絶対に負けられない」という思いが強くあったに違いない。勝ちたいと思う気持ちは両チーム、いやJリーグ全選手が持っていることと思うが、それがほんの少しだけ重かった福岡に軍配が上がったと、そんなふうに考えざるをえない一戦だった。
以上
2004.09.12 Reported by 堀 高介
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