9月12日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第4節
大分 1 - 4 浦和 (19:04/大分ス/27,760人)
得点者:'17 エメルソン(浦和)、'40 エメルソン(浦和)、'42 山瀬功治(浦和)、'43 田中達也(浦和)、'81 マグノアウベス(大分)
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前半の大分は固さが目立った。
前へのパスコースが空いていてもバックパスを選択する場面が多く、攻撃の形を作れない。それはもちろん、セカンドステージ3連勝で首位に立つ浦和というチームに対する警戒心の表れであり、それと同時にエメルソン、田中達也という快足2トップへの怖さの裏返しでもあった。
攻撃に時間がかかってしまえば丁寧にパスをつないで前線にまでボールを運ぶのは困難となる。それがロングボールを多用するスタイルにつながってしまった。浦和の最終ラインは強い。結果的に簡単にボールを失う事になってしまった。悪循環である。
逆の視点から言えば、浦和は自分たちが残してきた強さという結果を武器に、労せずして大分を押し込んだのである。
ブッフバルト監督はこの日、先発のFWとして田中達を起用していた。それについて会見で「大分のDFのパトリック選手が大きいという事で、逆にうちの小柄な2人のすばしっこい選手を使った方が、彼らは嫌だろう思いました。また、実際に起用してみても、その考えは当たっていたと思います」と述べている。試合を振り返ってみると、確かにその言葉通り、田中達は良く動き回って攻撃のチャンスを演出していた。エメルソンとのコンビという観点で言えば、お互いの距離を近く保ち中央付近にいる時間帯が多かった。
先週の横浜FMとの試合を見る限り、エメルソン、永井雄一郎という組み合わせでは、お互いがサイドに開いて中央に折り返す、という攻撃が多かった。ところが大分の最終ラインは4枚であり、クロスにはセンターバックが2枚で対応できるという状況だった。さらに言うと、このコンビには高さと強さがある。クロスを入れてもなかなかうまくいくものではないと予想された。つまりこの日の采配は、大分の守備陣の長所に対して勝負を挑むのではなく、自分たちが持つスピードという長所を最大限に活かそうとした采配だったと言える。
前半17分。大分に手痛いミスが出た。自陣の深いポジションでボールを失うと、浦和はこのチャンスを逃さず、1本のパスでゴール前へとつないだ。浦和のすごさは、そうしたチャンスを逃さない集中力にある。最終的に田中達→エメルソンとつないで先制点をあげた。
もともと浦和に気圧されていた大分に、1点を跳ね返す余力はなかった。小森田友明と原田拓というボランチコンビは、激しく動き回る山瀬功治、長谷部誠への対応に振り回されて、そのパスセンスを発揮できない。大分はセットプレー以外の場面では、何もできなかった。
浦和1点リードで迎えた前半の終了間際にこの試合は決まってしまった。40分のエメルソンに始まって42分の山瀬。そして43分の田中達が立て続けにゴールを決めたのである。浮き足立つ大分に対して畳みかけたゴールは、セカンドステージ開幕からの3試合で、13ゴールを決めていた攻撃力を思う存分に見せつけたものだった。
4失点目の後、大分の吉田孝行が両手で「落ち着け」とチームメイトに呼びかけていたが、失った得点は元には戻しようがなかった。
試合後に大分のベルガー監督は失点の場面を「悪かった5分間」として表現しながらこんな事を述べていた。
「うちの溝畑社長が会見で、5年のうちに必ずトップになると言いました。うちのチームを徐々に強くしていきたいと思っていますし、5分間のミスから学ぶものはすごく多いと思います。まずは顔を下げないで、落ち着いてやる事だと思います。ここで落ち込まずに上を向いて、徐々に良くしていきたいと思います」
後半の大分はミスから失点の原因を作った有村光史に代えて根本裕一と投入。この交代後、4点を追いかけるベルガー監督は34分間、動きを見せなかった。交代の遅さを感じたが、それは5年越しの強化プランと組み合わせて考えれば、理解できないものでもない。振り返ってみれば、大分を萎縮させた浦和というチームも長い時間とねばり強いサポーターの声援の中で強くなって行ったのである。
雨の中集まった27,760人の観客は、81分のマグノ アウベスのゴールで一度だけ沸いた。発展途上のホームチームとすれば、それだけが救いだった。
以上
2004.9.13 Reported by 江藤高志
J’s GOALニュース
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