9月19日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第5節
C大阪 3 - 0 市原 (15:34/長居/16,270人)
得点者:'31 大久保嘉人(C大阪)、'36 大久保嘉人(C大阪)、'58 大久保嘉人(C大阪)
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3連敗中のC大阪。小林監督のもとチーム再建が急ピッチで進められているとはいえ、なかなか結果が出ず、もどかしい試合が続いていた。一方の市原は2ndステージ負けなし。下位チームに取りこぼすことなく、首位・浦和にきっちりついていきたかったはず。それだけに「3-0でC大阪が完勝」という結果を予想した人は少なかったかもしれない。
前半が始まった直後は、市原がペースを握っていた。10分、14分、15分の決定機にいずれもマルキーニョスがシュートを放ち、C大阪ゴールを脅かしている。得意とする左サイドからの攻撃も再三見られ、ゴールが決まっていれば、そのまま“市原の試合”になってもおかしくなかった。
しかし、C大阪には大久保嘉人がいた。31分、森島寛晃が右サイドからボールを入れ、それを受けた大久保は、マーカーの茶野隆行を引きはがすように反転。そのまま左足を振りぬいたのだ。実に鮮やかなシュートでC大阪が先制。「相手(茶野)は右足で打つと思っていたようなので、その逆をついた」(大久保)。冷静な判断と卓抜した技術が生み出した技ありのゴールだった。「シュートを打ってくるとは思ったけど、もっと間合いを詰めないと・・・防げなくはなかった」(茶野)。失点シーンまでは、まるで影のように大久保にぴったりと張り付いていた茶野。一瞬のスキをつかれたことを悔やんだ。
先制ゴールから5分後、今度はセットプレーから再び大久保が見せた。古橋達弥が蹴った低い弾道のCKに後ろから走りこんで頭で合わせたのだ。「小林監督から、『背の大きい選手はマークされるので、(小柄な)大久保がフリーになる可能性が高い』と言われていたので、狙って蹴った」。古橋は作戦通りであることを強調した。前半を終えて2-0、C大阪が2点リードしてハーフタイムを迎えた。
後半、市原はボランチの中島浩司を下げて、林丈統を入れ、マルキーニョス、サンドロとの3トップに変更。しかし、そんな反撃ムードに冷水を浴びせたのが大久保だった。58分、西澤明訓のパスを受けた大久保はゆっくりとドリブルで進むと、ペナルティエリアの外から意表をつくシュート。前に市原DFが2人いたにもかかわらず、そのわずかな隙間を通ってボールが吸い込まれ、3点目が決まった。大久保にとってJ1リーグ戦初のハットトリック。「今まで2点取れてもなかなか3点目が取れなかったから」と、喜んだ。
「あのようなプレーを止めるのは難しい。うちには止める選手がいなかったのも事実だ」。試合後、オシム監督は大久保についてお手上げの表情で語った。一方の小林監督は、「オリンピック直後はあまりよくなかったコンディションが、ずいぶん上がってきている。力が抜けているので、プレーにキレがある。特に3点目は相手も対応しているのにサイドにシュートを入れたのは、GKも予想がつかなかったのだろう」と、エースの活躍を喜んだ。
大久保の素晴らしいゴールシーンに目を奪われがちだが、この日のC大阪は守備面でも大きな収穫があった。無失点勝利は、1stステージ第6節の鹿島戦以来で今季2試合目。立ち上がりのピンチを浮き足立つことなく切り抜け、相手のフォーメーションチェンジにも冷静に対応した。18本ものシュートを打たれた割には危なげなく守りきったといえる。今週加入した左サイドバック・大森健作の存在も大きかった。「自分がオーバーラップすることは抑えて、守備に専念した。それほど危険なシーンはなかったと思うが、まだ1試合。もっとコンビネーションを高めたいと思う」(大森)。
「無失点で終われたことは大きかった。いいタイミングで先制点が取れたし、CKで大久保に合わせるというのもうまくいった。私が監督になって一番いいゲームだったと思う。この自信が崩れないように、一歩一歩やっていきたい」。小林監督は、初めて手応えを口にした。これで2ndステージは9位に浮上――しかし、C大阪にとってより重要な年間順位はまだ単独15位になっただけ。「安全圏」に抜け出すまで、まだまだ気を緩めることはできないだろう。しかし、何よりほしかった結果=勝点を手に入れたことで、チーム内に信頼感が芽生えたことは間違いない。自信を確信に変えることができるか、次節以降に注目したい。
以上
2004.09.19 Reported by 横井素子
J’s GOALニュース
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